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大天守に仮設屋根・・・復旧工事進む熊本城

2017年11月30日(木)

 熊本市は11月2日、熊本地震で被災した熊本城の平左衛門丸、本丸で進めている天守閣、宇土櫓(やぐら)などの復旧工事現場を報道陣に公開した。
 大天守では6階最上階の屋根に敷く瓦の再建に備え、仮設の屋根となる巨大な防水シートをかぶせた。現在、屋根部分には下地となるコンクリートが敷き詰められ、今後はこの上に木材を組み、12月から新しく作った7200枚の瓦を敷く作業を始める。仮設屋根は、瓦をふく際、隙間を埋める漆喰(しっくい)が固まらないうちに雨で濡れるのを防ぐ目的で設置したもので、鯱(しゃちほこ)を設置するなどして、来年3月までに屋根の再建を完了させる予定。
 この日、工事現場を案内した熊本城総合事務所の城戸秀一さんは「こういった形で鉄骨を組み、屋根の下地もできあがってくると、外観的には元の姿に近づいてきたと感じていただけるのではないかと思う。工事についは安全を重視し、工程を管理しながら業者と協力して進めていきたい」と話した。熊本城の復旧工事は、2019年に大天守外観の復旧を完了させ、4年後の21年には天守閣内部の公開を予定している。
 また、平左衛門丸にある国指定重要文化財の宇土櫓と接続する続(つづき)櫓では、倒壊した柱や瓦などの解体保存作業を行っており、来年3月までに城内の格納庫に移し、保管する。(甲木)




▲熊本城大天守の最上階部に設置される仮設屋根。12月から始める瓦ぶき作業に備え、隙間を埋める漆喰(しっくい)が固まらないうちに濡れるのを防ぐ目的で巨大な防水シートをかぶせた(11月2日、熊本市中央区本丸)
▲大天守最上部の屋根の模型を使って瓦ぶき作業の手順を説明する熊本城総合事務所の城戸秀一さん
▲報道陣に公開された天守閣(本丸の天守前広場から撮影)。小天守は屋根などの損傷部分を解体中