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水俣市の文化と歴史をめぐる…不知火海・球磨川流域圏学会

2018年6月7日(木)

 水俣市の文化と歴史をめぐる催しが6月3日、同市久木野などの現地であり、自然愛好家や研究者ら25人が参加した。
 不知火海・球磨川流域圏学会(会長 堤裕昭・県立大環境共生学部教授)が企画した。当日は芦北町との境に位置する大関山(901m)の中腹にある寒川水源や「日本の棚田百選」に選ばれている寒川地区の水田のほか、大正時代末期から市の特産物として導入されたという茶畑などを訪れた。また前日の研究発表会では、水俣市生涯学習課の正岡祐子氏が「梅北の乱の時期の水俣城」をテーマに基調講演したほか、お茶の生産者・松本和也氏が「桜野園のお茶と人」と題して商品の生産工程などについて説明した。
 同学会は、不知火海・球磨川流域圏の望ましい方向性を目指し、学融合的な研究および実践的取り組みを、研究者と地域住民が連携しつつ行うことを目的に、2005年設立したもので、会員数約100人。同流域圏内での現地見学会などを通じて、人的交流の活性化や環境保全の重要性について認識を深めるなどの活動を展開している。(佐藤)

研究発表会では沢畑亨愛林館館長らが水俣芦北地域の環境問題などについて報告。約60人が聴講した=水俣市南福寺の水俣環境アカデミア(所長:古賀実前熊本県立大学学長)
「日本の棚田百選」に選ばれている熊本県水俣市久木野の寒川地区。寒川水源と愛林館の間には「寒川の棚田」30ha700枚の水田が広がる
寒川水源は湧水量1日約3000t。目の前に露出した地肌から幾筋もの清水が流れ出ている。水温は年間通じて14度だという
松本氏の畑を見学する参加者。無化学農薬、無化学肥料での栽培し、生産者自らが栽培から製造、販売まで一環させているという
当日は会員ら25人が参加した