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市議会の議決取り消しで北口市議復職へ

2018年7月12日(木)

 地方自治法の兼業禁止規定に抵触するとして、3月に熊本市議会で「資格決定要求書」が議決し、熊本市議を失職した北口和皇氏について、蒲島郁夫県知事は7月11日付で議決を取り消す裁決をしたことを明かした。北口氏は議決時の3月26日にさかのぼって復職する。

●請負比率は約33%で半分を超え兼業にはあたらないと結論
 北口氏が代表だった熊本市漁業協同組合の市からの請負比率が計約67%で、請負比率が半分を超えており、地方自治法が禁じる議員の兼業に当たることを市議会が指摘し、3月26日に北口氏への失職を全会一致で可決。北口氏は「漁協の請負比率は市議会が指摘しているほど高くはなく、兼業禁止規定に当たらない」と反論し、見解が真っ向から対立していた。
 北口氏は失職後の4月13日に、市議会の議決を不服として県に申し立てを行い、県自治紛争処理委員(代表・松永榮治弁護士)の3人が4月24日から計4回の審理を実施。7月6日に自治紛争処理委員は蒲島知事に意見書を提出した。
 県の資料によると、争点の1つであった請負比率の計算について、「審査対象期間である平成27年度の業務量に不動産収入を算入せず、請負量に北口氏が会長を務める県内水面漁業協同組合から市漁協への再委託を算入せずに計算するべき」との見解を示し「請負比率は30.88%と半分を超えない」と指摘。業務の主要部分を市からの補助金で占めていることを認めることは困難として「兼業禁止規定に抵触せず、失職決定を取り消す」と結論づけた。

●「委員会の意見尊重」(蒲島知事)
●「議員として頑張る」(北口氏)
 12日、記者会見した蒲島知事は、北口氏の審査申し立てを認容する旨の裁決を行ったことを明かした上で「中立・公正な立場で構成される委員会から申し立てを認容すべきとの意見書を提出していただき、検証した結果、委員会の意見を尊重した」と議決の取り消し理由を説明した。
 北口氏は代理人を通じて「正しい判断を示していただき大変ありがたい。市議会議員として市民の皆さまのために頑張っていきたい」とコメントを発表。「市議会側には知事の判断を尊重し、裁判所に訴訟提起することにより混乱を深めることのないようにお願いしたい」と釘を差した。

●北口市議の復職「不本意」(朽木議長)
●「政治家としてのけじめつけるべき」(大西市長)
 北口氏の復職を受け、取材に応じた朽木信哉熊本市議会議長は、北口氏に関する調査特別委員会を設置し15回の審議を行ったことを紹介した上で「全会一致で決定した北口氏への兼業禁止に抵触したことが、認められなかったことは不本意」と受け止めを語り、「知事の認容裁決、審査会の内容を含めて改めて精査したい」と語った。市議会で北口氏への3度の辞職勧告決議を可決したことに触れ「これまで不当要求等について市議会として3度の議員辞職勧告決議を全会一致で可決したにも関わらず、北口氏は政治的、道義的責任を果たしていない。容認できるものではなく、今後も引き続き追求していく」と強調。自治紛争処理委員会について「委員会は3回くらいしかしていない。その中で結果が出たのは市議会の皆さんも疑問を持っている」と不満を吐露し、今後については「議員の皆さんと協議していきたい」と語った。
 大西一史熊本市長は上京中のため、コメントを発表。「北口氏は辞職勧告に対する責任を果たしておらず、不当要求行為等を否定し続けている。この姿勢は断じて容認できるものではなく、北口氏自らが政治家としてのけじめをつけるべき」とコメントした。
 北口氏への対応は8月3日に開かれる議会運営委員会などで議論されるとみられる。(政治経済部・熊谷朋之、宮崎泰樹)

失職が決定した3月26日、市議会棟で報道陣に囲まれる北口氏。7月11日付で復職が決定した
会見で議決を取り消す裁決を発表した蒲島知事
取材に応じた朽木議長(左)と田辺正信副議長
北口氏の一人会派「自由クラブ」の議員控室を表示する案内板のテープを剥がす職員
復職に伴い「自由クラブ」の看板も議員控室に取り付けられた
約4カ月ぶりに登場した「自由クラブ議員室」の看板