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八代市坂本町の文化と歴史をめぐる…不知火海・球磨川流域圏学会

2019年6月10日(月)

 八代市坂本町の文化と歴史をめぐる催しが6月2日、同町葉木などの現地であり、自然愛好家や研究者ら20人が参加した。
 不知火海・球磨川流域圏学会(会長 堤裕昭・県立大環境共生学部教授)が企画した。当日は1954年に建てられた木造3階建ての鶴之湯旅館やかつて球磨川水運の拠点として栄えた葉木集落のほか、昨年撤去工事が完了した荒瀬ダム跡などを訪れた。
また前日の研究発表会は約80人が聴講した。熊本高専の森山学建築社会デザイン工学科教授が「魅力いっぱい、坂本の建築物」と題して基調講演。磯田節子特命客員教授が「紙漉きの里を守る〜宮地和紙と周辺景観の保存」をテーマに研究発表したほか、自然観察指導員熊本連絡会のつる詳子会長が荒瀬ダム撤去後の球磨川と河口干潟の変化について説明した。また地元の民俗や信仰などをめぐる卓話や県立大環境共生学部の学生らによる研究成果のポスター発表などもあった。
 同学会は、不知火海・球磨川流域圏の望ましい方向性を目指し、学融合的な研究および実践的取り組みを、研究者と地域住民が連携しつつ行うことを目的に、2005年設立したもので、会員数約100人。同流域圏内での現地見学会などを通じて、人的交流の活性化や環境保全の重要性について認識を深めるなどの活動を展開している。(佐藤)

当日は会員ら20人が参加した=坂本町葉木の藤本五所神社
2016年に営業を再開した鶴之湯旅館。10年近く休業状態だったという
1954年に建設された荒瀬ダムは昨年撤去工事が完了。現在も堰堤の基礎部分が残る
標高510mの八竜山頂にある「さかもと八竜天文台」は八代市街地や天草・島原方面まで一望できる
坂本コミニュティーセンターであった研究発表会では80人が聴講した
坂本駅で遭遇したSL人吉にカメラを向ける参加者