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「副業でマスク製作」の呼び掛けに48万枚〜熊本地域金融・経済懇話会

2020年5月29日(金)

  新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少した県民を支援しようと、県内の金融機関や経済団体でつくる熊本地域金融・経済懇話会が呼びかけた手作りマスクの買い取り「副業でみんながつながる熊本産マスクプロジェクト」が大反響を呼び、目標1万6千枚の何と30倍の約48万枚が県内から寄せられた。マスクには「主人は自営業でコロナで売上高が激減してしまいました。助かります」「子どもが3人いてコロナで収入がなくなり困っていました。ひとつひとつ心を込めてつくりました」「素敵なプロジェクトに参加させて頂き有難うございます」など、多くのメッセージが添えられていた。
 同プロジェクトは、県内在住の18歳以上の個人を対象にマスクを手作りしてもらい、1枚500円で主催団体が買い取りコロナ禍による収入の減少を少しでも補ってもらおうというもの。1人当たり20枚から買い取り、上限は200枚。つまり1万円から10万円の副業収入となる。マスクは協力団体に振り分け、必要としている県内の個人や事業所、団体に無償で提供する。
 4月30日に開いたマスクプロジェクト開始の記者発表で大津俊哉九州財務局長は、政府が地方創生の一環として進める“関係人口拡大”の一手法「副業の推進」を「コロナ問題への取り組みにも活用したい」と。笠原慶久肥後銀行頭取は、「資金繰りの全面的支援が金融機関の本来業務だが、人材のゆがみをサポートし、同時にマスクを必要とする人に届ける―二重の意味で有意義なこと」とプロジェクト実施の思いを説明した。主催者側は予想を遥かに超える反応に、マスク買取り協力団体・個人の拡充に奔走中だ。
 「熊本産マスクプロジェクト」実施主体の熊本地域金融・経済懇話会は、肥後銀行、熊本銀行、熊本第一信用金庫、熊本信用金庫、熊本県信用組合、日本政策金融公庫熊本支店、商工組合中央金庫熊本支店、熊本商工会議所、県商工会連合会、県中小企業団体中央会の10金融機関・団体でつくる協力組織。(香月)

検品場所を提供したメガネのヨネザワ本店(熊本市中央区)2階に積み上げられた手作りマスクの入った段ボール箱
「熊本産マスクプロジェクト」実施の記者発表で、地方創生の「副業推進」の考え方を説明する大津俊哉九州財務局長(中央)
記者発表でマスクを掲げる(左から)笠原慶久肥後銀行頭取、大津俊哉九州財務局長、渡邉純一県中小企業団体中央会専務理事(4月30日、肥後銀行本店)
送られてきたマスクの数確認や検品作業に追われる熊本キワニスクラブ(協力団体)の会員やボランティア
延々と検品作業が続いているが、汗を流すボランティアは「丁寧に作られているマスクが多い」と話している
検品を終えたマスクは個包装され、実施団体や協力企業などを通じて県内の必要な人に無償で提供される