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くまもと経済EX 2007

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国際規格「IMS」を取得、“3つのG”実現に弾み
MICグループ
設立25周年、大手メーカーの信頼厚く
MICグループの司令塔を置く九州プレシジョン玉名工場の管理棟(玉名市安楽寺)。ユニークな建物の形状がソフトなイメージを抱かせる
畑野社長(右)と長男で畑野栽寛専務
 今年で25周年を迎えるMICグループ。「これまでコツコツやってきて、振り返ると結果がついてきたという感じ。役員、社員ともに力を付けてきたと思う。理想的な組織に近づいてきた」。畑野裁彦社長は安どの表情を浮かべながら四半世紀を振り返る。同社の取引先は電機、半導体など名だたる大手の一流メーカーがほとんどだが、「取引先との信頼関係が深まってきた結果」とも付け加える。
 1982(昭和57)年に金属部品加工の九州プレシジョン(KPC、福岡県うきは市)を設立して以来、KPC朝倉工場(同県朝倉市)、86年に「超鏡面研磨加工」などを手掛けグループの精密加工部門を担うケイ・エム・ケイ(KMK、宇城市松橋町)を設立。06年はKMKの熊本北工場(熊本市下硯川町)が組み立て工場として稼働を始めたばかりだ。
 「MIC」はMachine Island Corporation(マシン・アイランド・コーポレーション)、「機械の島」の意味。資源小国・日本を支える製造業を下支えする機械工場を展開したい、という畑野社長の崇高な理念からネーミングされたものだ。そうした理念のもと、同社の高い技術力は前にも述べたように大手一流メーカーとの取り引きに繋がっているわけだが、常に努力を惜しまないグループの姿勢がこの“結果”を生んでいるのである。
「IMS」取得、3認証を同時に
KMKの新谷雅弘専務(右)と畑野専務。同社本社でIMS取得を掲示したフラッグをバックに
 昨年、グループの前向きな姿勢を顕著に表す大きなトピックスがあった。またこれは、国内製造業にとっても恐らくビッグニュースであったに違いない。KMKは06年10月、環境マネジメントシステムの「ISO14001」、品質管理・保証の「ISO9001」、そして労働安全衛生の「OHSAS18001」、以上三つの国際規格の認証を同時に取得。要求事項を共通化し統合マネジメントシステム(IMS)として取得した。国内で3つの国際規格の同時取得は大手はもとより、中小メーカーでは極めて珍しいケースだという。グループ内でまずKMKが先行取得し、KPCなども追随して取得を目指す計画だ。
“できません”では前進なし
ケイ・エム・ケイ本社(宇城市松橋町)
九州プレシジョン玉名工場(玉名市安楽寺)
 「品質」「環境」ISOの取得は製造業では珍しくないが、「労働安全衛生」システムの取得はあまり例を見ない。これは同社の「若い人が思い切り仕事ができる職場を」(新谷雅弘KMK専務)との配慮から。これは畑野社長の“企業は人”とするMICグループの根幹を成す理念にも繋がる。
 あいさつといった人として基本的な礼節を重んじ、「前向きな失敗であれば叱らない。動かないことにはモノづくりは始まらない」とは同社長のポリシーでもある。また同社ならではの“モノづくりスピリット”ともいえるのが、「できません」の言葉が社内ではタブーであることだ。「要は心の持ちよう。できる方法を考えること」。これが同社の原動力といっても過言ではない。
“連携”で高まる新分野への期待
MICグループの製品群。同社の得意分野である精密金属加工製品など大手メーカーの評価は高い
 機械の設計から組み立て、加工、据え付けまで一貫して手掛けるMICグループの目指す方向は装置メーカーへの新生。コスト競争力を高め、短納期への対応など直面する課題は多いが、グループ間の連携を強め、課題に対応していく考えだ。07年からは各社から同じ部署の社員が月に一度顔を合わせる分科会を発足させた。議論を通じグループ内で相互補完できるような部分があれば、スケールメリットを生かすことにも結び付く。また役員は週1回の勉強会を今年4月からスタートさせ、新生MICグループに向けた準備を着々と進めている。
 前述のIMS取得など同社の先進的な取り組みは、新分野開拓などに着実な進展をみせている。食品メーカーなどとの新規取引や、現在、関東や関西の大学との共同研究で特殊技術を使った新製品開発が着々と進行中だ。数年後には従来にない分野に同社の製品がお目見えするかもしれない。「取引先にとってGood Partnerであり、社員がGood Lifeを送れるGood Companyであること。3つのGが当社の目指す理想の企業です」と畑野栽寛専務。25周年を迎え着実にその理想形に近づいているようだ。
企業DATA
[所在地] (株)ケイ・エム・ケイ(KMK)本社 〒869-0533 熊本県宇城市松橋町両仲間1492-1
[TEL] 0964-32-5511
[FAX] 0964-32-5125
[事業内容] 精密製缶板金加工、精密機械加工、半導体・液晶製造装置組立
[代表者] 代表取締役社長 畑野裁彦
[E-Mail] kmk-matu@mic-g.co.jp

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。