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くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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情報通信・ICT関連
熊本から全国へ 創業40周年迎え新たな飛躍
(株)RKKコンピューターサービス
創業40周年、業界のパイオニア企業
熊本市九品寺1丁目の本社。北側が昨年11月に完成した別館。別館にはオフィスビルなどにテナントとして入していた開発拠点を集約した
昨年完成した別館にはリフレッシュルームや屋上庭園も設けている
 昨年12月に創業40周年を迎えた(株)RKKコンピューターサービス(熊本市九品寺1丁目、竹村正章社長)。熊本初の情報サービス業として設立された同社は、熊本における業界のパイオニア企業だ。今年5月からは業務・資本提携により、正式に九州電力グループの一員となり、新たな船出の時を迎えている。今後も「地元熊本で評価されたシステムが全国で評価されないはずがない」という信念の下、自治体向け総合行政システムの全国展開を図っていく。
“九電ブランド”で全国展開加速
 昨年から準備を進めてきた九州電力グループの九電ビジネスソリューションズ(株)(QBS、福岡市中央区、深堀慶憲社長)との業務・資本提携が5月末に完了。同社は、九電グループとして新たなスタートを切ることになった。合わせて九電出身の竹村正章社長が就任、野田前社長は代表取締役会長に就く新体制となった。
 同社が提携の最大のメリットとして挙げているのが「“九電ブランド”の活用による全国展開の加速」だ。主力の自治体向けソフトのさらなる販路拡大を目指す中で、九州電力が持つブランド力を活かした営業展開、また、各地の電力系情報子会社が持つ営業ネットワークの活用にも期待を寄せる。同社では「提携のシナジー効果を最大限に発揮するため、今後も具体的な協議を進めていくとともに、相互の人材交流などによる技術力・競争力の向上、業務効率化を図りたい」と意欲を見せている。
24都道府県102の市町村で採用される行政システム
 独自のソフト開発に着手以来、自治体向けシステムと金融機関向けシステムを2本柱に事業を展開してきた同社。近年では、市町村合併に対応した自社開発の「新総合行政システム」が高い評価を受け、現在、24都道府県102の市町村で同社のシステムが活用されており、売上の8割を占める分野にまで拡大している。
 行政システム分野での実績を基に新たに開発した同システムは、特定のメーカーに縛られず、低コストで自由に対応できるオープンなシステム。開発のノウハウも蓄積され、システムの性能が向上。納得できる導入費用やランニングコスト、運用面でのサポート、使い勝手の良さなどが高評価に繋がっている。
 行政システムの伸びが全社的な業績を引っ張る形で、市町村合併がピークを迎えていた05年3月期には過去最高の売上高87億円を計上。合併が一段落した後も、システムの優位性が自然に広まる形で全国からの引き合いが増え、好業績を維持している。「行財政改革が進む中、これまで、大手ベンダーの特定の行政システムを使ってきた自治体にも一からシステムを見直し、より効率的なシステムの構築を目指そうとする動きが出てきた。合併をしなかった自治体でも、効率化の観点からシステム再構築の需要が生まれている」と分析する同社。今年度に入り北海道室蘭地区、長崎県佐世保市、埼玉県上尾市、愛媛県四国中央市など人口20万人を超える比較的大規模自治体からの受注も決まるなど、新たな需要を確実に取り込みながら、営業エリアを関東・関西・中部の自治体へとさらに拡大。自治体の効率化を求める流れを追い風に、同システムの普及に注力する方針だ。
プログラム製造に特化の子会社・RKKCSソフト設立
 同社は今年4月、開発力と技術力の強化を目的に、プログラム製造業務に特化した完全子会社・(株)RKKCSソフト(同、野田照幸社長)を設立した。
 自治体向けソフトのプログラミングを主業務に、プログラム製造業務に関するノウハウ蓄積と、最新技術を習得した人員を確保し、開発・製造部門のコア人材を育成するのがねらい。「プログラマーは出張も少なく、地元で仕事ができる。地元雇用の拡大にも貢献したい」という同社では、来年4月の業務開始に向け、新規学卒者を15人程度採用。毎年、定期採用を続け、5年間で60人規模の体制を目指すという。
顧客満足度の更なる向上に向けて
 同社では、顧客満足度の更なる向上と企業イメージのアップに向け、2007(平成19)年下期にTMS(統合管理システム)の導入を予定している。
(1)品質(QMS)⇒ISO9001
(2)環境(EMS)⇒ISO14001
(3)情報セキュリティ(ISMS)⇒ISO27001
の各マネジメントシステムを統合的に管理したシステムとして一本化し、資格取得後も継続的な推進・改善を行う。これにより、各々の規格を有機的に統合した高品質なシステム商品の提供を目指す。
熊本の地から全国へ
野田 照幸 会長
竹村 正章 社長
 1966(昭和41)年の創業当初は、受託計算を中心とした事業展開からスタート。1986(昭和61)年には、初の自社ソフトの開発に着手した。そして2006(平成18)年。QBSとの業務資本提携、本社北隣に別館が完成するなど大きな転換期となった1年を振り返り「新たな時代に対応できる体制を整えることができた」と更なる飛躍に自信を見せる。
 「ソフトの品質・生産性の向上を維持するためには人材の確保と育成が最も重要」と話す同社。これからも人材育成に注力しながら、ここ熊本の地から、品質の高いソフトウエアを全国に発信し続ける。


野田 照幸 会長
のだ・てるゆき 1935(昭和10)年1月10日生まれ72歳。荒尾市出身、熊本大学理学部卒。59年熊本放送入社、66年RKKコンピューターサービスに出向。86年取締役、89年常務取締役、95年5月社長を経て、07年5月会長就任。趣味は旅行。熊本県情報サービス産業協会会長、熊本県次世代情報通信推進機構(NEXT熊本)理事長。


竹村 正章 社長
たけむら・まさあき 1943(昭和18)年2月1日生まれ、64歳。福岡市南区出身、九州大学経済学部卒。67年九州電力(株)入社、98年7月同企画部部長(調査担当)、01年6月九電情報サービス(株)取締役経営企画室長、04年4月九電ビジネスソリューションズ(株)取締役経営管理本部長、05年6月同常務、06年10月から(株)RKKコンピューターサービス専務、07年5月社長就任。
企業DATA
[所在地] 〒862-0976 熊本市九品寺1-5-11
[TEL] 096-364-5121
[FAX] 096-371-6680
[資本金] 1億円
[設立] 1966(昭和41)年7月
[事業内容] 情報サービス業
[年商] 約83億円(08年3月期見込)
[代表者] 野田 照幸 会長、竹村 正章 社長
[従業員] 384人
[URL] http://www.rkk.co.jp/
[出先] 営業所/福岡、東京、関西(大阪市)  サポートセンター/西九州(佐世保市)、愛媛

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。