トップ Companies くまもと経済EX 2007 創業40年、原点回帰。「味」の追及「千」の出会いを
くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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飲食・サービス
創業40年、原点回帰。「味」の追及「千」の出会いを
重光産業
世界で愛される熊本の味
今昔の味千拉麺本店。創業当時の場所で、今も変わらない味を提供している
 「味千拉麺」をチェーン展開する重光産業鰍ヘ、今年創業40周年の節目の年を迎えた。わずか8席の“ラーメン屋さん”から始まった同社は、今やワールドワイドに展開、発展を続けている。
 今年の3月には香港で世界13の国・地域のオーナーが集結し国際会議を開催。各国の取り組みや新メニューの紹介、競合店との比較やメディア展開など様々な情報交換が活発に行われた。現在の海外店舗は、中国、シンガポール、タイ、インドネシア、フィリピン、に加えアメリカ、カナダ、オーストラリアでも展開している。また、4月にはサンフランシスコに初出店、94年に一旦撤退していた台湾にも再上陸を果たしている。今後はマレーシア、オーストラリアのゴールドコースト、オランダへの出店など、夢の5大陸制覇に向けて加速中。その数178店舗にまで増えている(海外のみ・07年6月現在)。さらに3月末に香港の味千(中国)ホールディングス(本社=香港、潘慰・パンウェイ社長)が香港市場に上場、08年までに中国で320店舗の出店を目指す計画だ。
 海外の店舗は、同社とライセンス契約をしたオーナーがそれぞれの国や地域で展開しており、海外展開の成功の鍵として良きオーナーとの出逢いは重要な要素の一つだ。そこで欠かせないのが、「味」。海外では、日本食としてとらえられていることから高い質を求められる。妥協しない本物の‘味千の味’を出すために、新店舗のオープン時は日本からスタッフを派遣し、調理方法から接客マナーまで事細かに指導する。また必要とあれば、現地の店長クラスを日本で受け入れ指導することも。それに加え、食材供給体制の充実にも積極的に取り組み、重要拠点には麺工場を造り、上海では、スープも現地で生産している。品質管理部門には、日本からの精鋭を送り込みとことん質にこだわり、おしゃれでおいしく、しかもちょっと背伸びすれば食べられる本物の日本食として若者から家族連れまで広く支持され人気をはくしている。
 一方国内では、昨年から今年にかけて宮崎、青森などに初出店を果たすなど「全国1県1店舗以上」に向けて着々と広がりを見せている。今年は特に創業40周年の記念の年ということで、改めて味千拉麺の各店舗オーナーへの感謝の気持ちを表すと共に、全店舗で一丸となって盛り上がっていくように、各地区オーナー会議の開催などこれまで以上に積極的に行い、情報の共有と益々の品質の向上が図られている。本部担当者も、入店やDVDを使っての指導など、決め細やかに対応しているほか、年に一度は国内のオーナーが一堂に会して、情報交換やセミナーを受けるなど、本部とオーナーが連携した取り組みを行っている。
「感謝」を形に“出前隊”結成など
 着々と成長を続ける同社だが、その要因を聞くと「これまで出会った方々のお陰。それは、各地のオーナーや従業員に限らず、店に足を運んでくださったお客様、アルバイトなど、味千拉麺に関わっていただいた全ての皆様のお陰で今がある」と語る。県庁通りの小さなラーメン屋、そこに通う一人の常連客が「ぜひ自分も店を出したい」という要望から始まったFC展開を考えると、同社の歴史は出会いに対する「感謝」の歩みであるようだ。創業以来実施している22日の味千感謝デーは、その気持ちの表れの一つであろう。
 40周年という節目の年を迎えた今年は、さらに様々な取り組みで“気持ち”を“形”にしていく。その一つに2月から県内40カ所の施設を訪問し、入居者に味千拉麺を提供する「味千ラーメン出前隊」を結成。訪問先からは、「普段食べにいけないので、来てもらえてうれしい」や「以前よく食べていたので懐かしい」などと評判だ。そしてパワーあふれる味千スタッフとのコミュニケーションが何よりの楽しみのようで、子供からお年寄りまで自然と笑顔があふれる。
 また、年内には「ラーメンパスポート」(仮称)の発行も予定している。これは、来店して食事をした回数、料金などでポイントが加算され、ポイントに応じた特典を用意するというもの。計画段階であるが、目玉は1年間ラーメンが無料で食べられるとあり、味千ファンには実施が待ち遠しい。その他にも期間限定でレギュラーメニューの割引提供を随時実施しており目が離せない一年になりそうだ。詳細はホームページで公開中。(www.aji1000.co.jp)。
変わらない創業来の思い
3月にオープンしたサンフランシスコ1号店
台湾1号店
 創業40年の今年は、原点回帰の年。先代の重光孝治氏が、久留米ラーメンに研究を重ねて独自のスパイスを加えて誕生した熊本ラーメン。「味千」の名に込められたのは、豊かで健康を提供する「味」と'千'は'万'に至らずで常に謙虚に努力を怠らない・感謝を忘れないという想い。「味」に関しては、「医食同源」をモットーにおいしくて体に良い食品を追求し、スープ、麺、調味料に至るまで常に素材を探求し続けている。そして、「新たな出会いへの感謝」の結果が国内108、海外178カ所の暖簾(のれん)として形となった。創業当時の思いは確実に継承され、世界「千」の店鋪で熊本の味が食されるのもそう遠くない未来に達成されそうだ。
企業DATA
[所在地] 〒861-8031 熊本市戸島町920-9 熊本コスモ工業団地
[TEL] 096-389-7111
[FAX] 096-389-5410
[資本金] 1000万円
[設立] 1972年7月
[事業内容] 味千ラーメンチェーン展開、ラーメンスープ・食堂用原材料の製造
[年商] 18億円
[URL] http://www.aji1000.co.jp/
[出先] 国内・108店舗(内直営9店舗)、海外・178店舗(07年6月現在)

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。