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くまもと経済EX 2007

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着地型旅行(地旅)で国内観光、地域経済を活性化
鞄本内外旅行
今年3月、帯山9丁目の通称国体道路沿いに本社を移転した
池田 孝昭 社長
 1974(昭和49)年の会社設立以来、地域密着型の旅行代理店として事業を展開してきた鞄本内外旅行。同社は今年3月、熊本市水道町においていた本社を同市帯山9丁目の通称国体道路沿いに移転した。30数年入居していた農専ビルの解体によるもの。池田社長は「なじみ深い土地からの移転で、多少寂しい気持ちもあるが、移転を機に新規一転し、今後も旅に関するあらゆることについて、お客さまにより分かりやすく、丁寧にお答えしていきたい」と話す。
 7月5日には天草市中央新町の天草営業所を上天草市大矢野町のショッピングプラザ「キャモン」内に移転し、業務を開始。SC内に移転することで、天草地区での営業を強化した。今年で創業33年目をむかえる同社。今後も個人向けへの発券、グループや団体向けへの国内・海外旅行企画などを主業務に魅力ある旅行商品の提案を目指していく。
地元に客を呼び込む「着地型旅行」(地旅)を推進
 「従来、旅行業界は大半の旅行事業者が専ら送客型旅行に取り組み、地元に国内外の観光客らを呼び込む着地型旅行に積極的に取り組んでいる事業者は少なかった。一方、近年は全国の多くの自治体が観光客らの誘致による地域活性化を目指している。各自治体が旅行業界に期待していることは、こうした地元に人を呼び込むための取り組みだ」。池田社長は業界の現状をこう語る。この「着地型旅行」の概念は、(社)全国旅行業協会(東京都港区)が提唱した旅行商品の形で、今年4月には「地旅」という名称を椛S旅(東京都中央区)が商標登録を終えたばかり。「協会5800会員のネットワークを生かし、着地型旅行の商品を全国に生み出すことで、各地域に多くの旅行客が訪れ、地域活性化につながるのでは」と池田社長は分析している。
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 全国旅行業協会の事務受託会社で、同協会および同協会会員をサポートするための各種事業を展開している椛S旅。池田社長が代表を努めている同社は、保険やクーポン、旅行、IT事業などを展開しており、同社を通じ、同協会5800会員のネットワークを生かした「着地型旅行」の展開を積極化し、全国の各地域経済の活性化を目指す(池田社長)という。
 「着地型旅行は業界用語として一般的に定着しているが、旅を楽しむ一般消費者にわかりづらい。そのため“地旅”という言葉で表現している」と話す池田社長。
 協会のネットワークを生かし、着地となる各地域の会員から情報を提供してもらい、発地の旅行会社が旅行商品を作って売る、これがいわゆる“地旅”の考え方だ(池田社長)という。着地型の旅行商品の作成プロセスは、まず、着地の旅行会社が地域住民と一体となり、観光素材を掘り起こし、魅力ある旅行商品をつくる。そして、各地域の人のニーズをその地域の旅行会社から収集し、商品に組み込んでおく。つまり、着地と発地の旅行会社が組み、役割を分担しながら、集客および送客をする。これこそが“地旅”で目指そうとしている理想形(池田社長)と続ける。
来年度に“地旅”で5千商品、集客20万人へ
 池田社長が代表を務める椛S旅では「2008年度で、地旅の取扱いが5千商品、集客20万人、取扱高10億円を見込んでいる」と話している。
 現在、国内で着地型商品を最も多く有する農水省の外郭団体「まちむら交流機構」がこのほど、旅行業を取得し、協会の会員となった。同団体には5千以上のグリーンツーリズム商品があり、これが同協会のネットワークに加わる。さらに2010年には、50万商品、集客が2千万人を目標にするという。
国内観光活性化フォーラムで、新しい「旅」の形探る
約1200人が参加した「第4回国内観光活性化フォーラム」
 全国旅行業協会は今年3月、熊本市の熊本県立劇場で「第4回国内観光活性化フォーラム」を開催した。全国各地で年1回のペースで開いているもので、県内での開催は初。当日は全国の会員や観光協会などの関係者約1200人が参加した。冒頭で同協会県支部長を務める池田社長が「熊本の豊富な観光資源を生かし、県内への訪問者にくつろいでいただける観光コースを提案していきたい」とあいさつ。地元に客を呼び込む「着地型旅行の推進」をテーマに議論するシンポジウムをはじめ、全国都道府県から観光素材を集めての情報提供を通じ、今後、観光産業の主流となる可能性を秘めている新しい「旅」の形を探った。
天草の観光素材を生かした“地旅商品第1弾”が出発
 日本内外旅行としては、“地旅商品第1弾”となる「天草の旅」が7月24日に出発する。
 同商品は協会の九州支部長会の意見交換で完成したプラン。ツアーには、牛深での観光セリ市や浜辺での海鮮バーベキュー、お座敷ハイヤなどを組み入れているという。
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 「着地型旅行」は商品をつくる方と売る方がセットにならないと成功しないと池田社長。全国旅行業協会5800の会員の手によってつくられる新しい旅行市場の今後に期待が高まる。
企業DATA
[所在地] 〒862-0924 熊本市帯山9-3-10 2F
[TEL] 096-382-8383
[FAX] 096-382-8456
[資本金] 2千万円
[設立] 1974(昭和49)年12月
[事業内容] 旅行斡旋業
[代表者] 池田 孝昭 社長
[従業員] 12人
[URL] http://www.naigairyoko.com/
[出先] 天草営業所 上天草市大矢野町中845-1(ショッピングプラザキャモン内)

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。