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くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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飲食・サービス
コーヒーサービスからトータルサービスへ展開
ヤマシタグループ
今年4月にIT事業部を新設
6事業部制で事業を展開している
山下 啓介 社長
 オフィス向けのコーヒーサービスを中心に、トナーカートリッジのリサイクル事業や飲料水販売のピュアウォーター事業、ワゴンサービス事業と事業分野を拡大している(株)ヤマシタ(熊本市江越2丁目、山下啓介社長)。この4月に、システム開発、販売などを業務とするIT事業部を設立した。これは情報サービス分野での事業展開を図るためのもので、IT事業部ではシステム設計・開発、販売などを行う。また、全国のOCS(オフィスコーヒーサービス)チェーン向けに管理システムを販売していく。山下社長は、「ITはこれからの成長分野であり、企業のニーズに合ったオーダーメイドのシステム開発を進めていく」としている。


山下 啓介 社長
やました・けいすけ 下益城郡美里町出身、1955年6月生まれの52歳。御船高校卒。趣味は、話題の店舗の視察。平成8年ダイオーズOCS全国チェーン会長。座右の銘は、「情熱と行動力」
1982年に創業、環境をキーワードに事業拡大
 同社は、OCS熊本として創業以来、各企業のオフィスでの生産性の向上やビジネス効率を高めるため幅広いサービスを進めてきた。1982(昭和57)年の創業当時は、多くの会社では、まだほとんどインスタントコーヒーが飲まれていた時代で、「将来は確実にオフィスでもレギュラーコーヒーが飲まれるようになる」と考えた山下社長は、オフィスコーヒーサービス(OCS)事業をスタートする。以降、同社では、「いかにオフィスで手軽にレギュラーコーヒーを飲んでいただけるか」をテーマに、事業を進めてきた。
 その後、コーヒーサービスの顧客が増えるのに伴い、これら販売先のオフィスに対して新たな商品、サービスの提供という様々な提案を考え出した。環境問題ともあいまって、エコ商品についての取り組みもその1つである。環境に対する細かい配慮という点では、主力のオフィスコーヒーについては、二酸化炭素の排出量を抑えるために、コーヒーを焙煎する熱源を水溶性天然ガスに転換した。この水溶性天然ガスは、燃焼する時の二酸化炭素の発生が極めて少ない特徴を持つ地球環境にやさしいクリーンな燃料といわれている。いわば、環境にやさしくて、おいしいオフィスコーヒーづくりを実現している。
 97(平成9)年からスタートしたリサイクルトナー事業も環境をキーワードにした事業である。これは、プリンターに使われるトナーカートリッジのリサイクルサービスで、オフィス内の廃棄物の発生が少なく、新品と比べると廉価である「ECOトナーカートリッジ」の需要は増え続けている。環境に優しく、経費節減にもつながっていることから企業の問い合わせも多い。
「ピュアウォーター」を販売
 また、99(平成11)年6月からは、「ピュアウォーター」という飲料水のオフィス、家庭向けの配達サービスを始めている。ピュアウォーターは、店頭公開企業である(株)ダイオーズ(東京都港区、大久保真一社長)で、製造しているもので、NASA(アメリカ航空宇宙局)が、宇宙飛行士用に開発した「逆浸透膜浄水(RO)方式」で作られた高純度な水。水に含まれる不純物を可能な限り除去しているのが特徴で、より安全性を重視して生まれたものである。そのため、「粉ミルクなどの成分バランスを崩さないため、乳幼児用の調乳用水としても最適で、病後の方や高齢者の方までと幅広く利用している」と自信を見せる。現在の健康志向の時代と呼応して、オフィスだけでなく病院、医院、ホテルなどの施設や一般家庭へも順調に販売が伸びてきている。また冷水と温水が一台で両方使えるウォーターサーバーもあり、その手軽さも受けているようだ。
ワゴンサービス、外食事業へ参入
 2000(平成12)年4月には、遊技場でのお客様に対する本格コーヒーサービスであるワゴンサービス事業を始めた。同社は、パチンコ店でのワゴンサービスは後発グループであったが、これまでのコーヒーサービスで培ってきた経験やノウハウを生かして、顧客の信頼と支持を得て業績を伸ばしている。「ワゴンサービス分野は特に力を入れていきたい分野の1つ」と見ている。また、03(平成15)年11月にはパチンコパーラー内での喫茶・レストランを運営する外食事業も始めている。
 同社の事業の柱であるオフィスコーヒーサービスのOCS事業部では、1998(平成10)年に鹿児島営業所を開設しており、2004(平成16)年には(有)ヤマシタコーヒーを設立し、グループ力を生かした展開を進めている。今後は、福岡地区への進出と九州展開を図りたい考えだ。
お客様から必要とされる企業を目指して
「ガンバローコール」で、意欲を見せる本社スタッフ
 「変化の激しい時代は、私ども中小企業には大いにチャンス」と語る山下社長。同社では、企業体質の強化を図りながら、人づくりを進めている。「企業の成長は人材の成長にある。人が育ってくれば、さらに事業領域の拡大をしていきたい」と意欲的だ。特に同社では、女性の能力を生かし、責任あるポジションに積極的に登用している。女性の役員をはじめ女性幹部も登場し、大幅な権限の委譲も進めている。
 同社は、「私どもは常にお客様に満足いただけるサービスを提供すること」と創業以来、変わらぬ姿勢で事業に取り組んでいる。「事業分野が拡がっているが基本は同じ。さらに、お客様から必要とされる企業を目指していく」と山下社長は、先を見据える。
企業DATA
[所在地] 【本社・営業本部】〒860-0834 熊本市江越2-1-6
[TEL] 096-378-7200
[FAX] 096-378-7926
[資本金] 1,100万円
[設立] 1985年12月
[事業内容] コーヒーサービス事業、ピュアウォーターサービス事業、トナーリサイクルサービス事業、IT事業、ワゴンサービス事業、外食事業
[代表者] 山下 啓介 社長
[従業員] 60人(パート含む)
[URL] http://www.yamashita-ocs.co.jp
[関連企業] (有)ヤマシタコーヒー

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。