トップ Companies くまもと経済EX 2007 『お客様第一主義』を貫く、 医療事務IT化の熊本No.1企業
くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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医療・医療関連・教育
『お客様第一主義』を貫く、 医療事務IT化の熊本No.1企業
叶シ日本メディカル
レセコンの県内シェアトップ企業
辻 詔一郎 会長
 医療事務用コンピューターシステム販売の叶シ日本メディカル(熊本市平成3丁目)は、昭和51年の創業以来、熊本県におけるレセプトコンピューター(診療報酬請求用コンピューター)のパイオニア企業として、県内シェアトップの座を不動のものとしてきた。
 辻正治社長は、同社の創業30周年を機に06年9月、創業者である父、辻詔一郎氏(現会長)からバトンタッチを受け、社長に就任した。「就任して約1年過ぎましたが、トップの責任の重みを感じています。これまで当社を育てていただいた医療関係のお客様への責任、取引先の皆様そして社員のみんなへの責任など一つ一つ果たしていかなければなりません」と語るが、その言葉には自信が溢れている。第二創業期に入り、これまで同社が30年間かけて築いてきたユーザーとの信頼関係の上に、さらに磨きをかけていこうという辻社長の強い意欲の表れでもあり、辻会長の背中を見ながら、多くの経験を積んできた辻社長のこれまでの実績に裏打ちされたものといえる。


辻 詔一郎 会長
つじ・しょういちろう 1942(昭和17)年10月8日生まれの64歳。熊本市出身。県立済々黌高校卒。昭和51年、日本メディコムの特約店として個人創業。「機械を売るのではなく、人間性を買っていただけ」「買っていただいた時から、本当のお付き合いが始まる」が信条
「電子カルテ」で医療機関をサポート
 国の総医療費抑制は、大きな流れとなり医療機関の経営環境は激変している。一方IT化の波は医療界にも急速に押し寄せている。その医療IT化のメインツールとして注目されるのが「電子カルテ」である。レセプトコンピューター導入による院内業務の効率化は、既に医療経営のスタンダードとなっている。「医療IT化のポイントは、“患者主体の医療”を実現するメインツールとなる電子カルテの活用」と辻社長は見ている。
 電子カルテは、(1)医療情報の提供によるインフォームドコンセントの推進、(2)医療の質的向上、(3)医療事務の効率化、に大きく貢献すると期待が寄せられている。最近は受診者側でも意識変化が出て来ている。特に医療機関に対する選択する意識が強まっており、“受診者に選ばれる医療機関”であることが、健全経営につながっていくことになる。
 この“患者に選択してもらえる医療機関”となるための有効な対策の一つが、電子カルテ導入によるインフォームドコンセントの推進である。検査や治療の結果を画像やグラフで、受診者に分かりやすく提示できるのが電子カルテの大きな特徴であり、コミュニケーションも図れる。「特に、様々な診療・検査機器との連携が進み、患者データを一元的に管理する方向にある電子カルテは、これまで以上にインフォームドコンセントの推進能力を高めている」。続けて「“患者さんに選ばれる医療機関”へのお手伝いのため、当社が先生方のお役に立てる環境は拡がっています」と辻社長は話す。
信頼のアフターフォロー体制
医療情報の収集の場を提供する講演会
「Medicom デラックス展示会」2007の会場
 今後、医療IT化の主役になると見られる電子カルテ。しかし運用するのは「人」である。「ドクターやスタッフなど使用する側の要望を反映させた形での保守・メンテナンスの専門的なスキルと、一定数のスタッフを揃えたバックアップ体制が必要」と、辻社長は総合的な運用サポート体制の必要性を指摘する。
 創業以来、同社がビジネスの原則としてきたのが、病医院や調剤薬局との信頼関係の構築。こうした積み重ねが、熊本の病医院関係者の間で評価の高いアフターフォロー体制を生み、同社への信頼の基となっている。
 08年4月には、医療法改正(診療報酬改定)が予定されており、法改正への対応のため県内業界では同社だけが開催している医療機関関係者を集めた説明会も、アフターフォローの一環として実施している。
『お客様第一主義』を実践
平成3丁目の本社事務所
辻 正治 社長
 同社が掲げる“安心と信頼”の経営理念は、第二創業期に入っても引き継がれ、さらに実践されていく。業界内の競争も激しくなっており、価格競争にも入っている。「価格は安いが、アフターフォローなしの売りっ放しという無責任なビジネスはしたくないし、長続きもしません。先生方との間に信頼に裏打ちされた永続的な関係を築けるとは思えません」と辻社長は言い切る。専門知識を持った自社スタッフによる安心感のあるサポート体制の提供がまず基本にあり、その上で初めて『電子カルテ』など病医院の健全経営に向けた新システムの提案が可能となる、というのが辻社長の考え方であり、「万全のサポート体制の上にしか、“先生方のお役に立てる西日本メディカル”は存在しません」と徹底した『お客様第一主義』を採っている。
 加えて辻社長は、もう一つの企業像を持つ。「地域に貢献できる会社を目指す」こと。「会社も私自身も熊本に育てられました。多くの先輩方にもお世話になっています。皆様に何とかお返しをしたい」。この気持ちが、会社も辻社長自身も次のステージを目指させる。


辻 正治 社長
つじ・まさはる 1969(昭和44)年9月25日生まれの37歳。熊本市出身。辻詔一郎会長の長男。熊本商科大学付属高校ー熊本電子ビジネス専門学校情報処理科卒。90年三洋電機入社、主に商品の企画・開発を担当する。97年に企画室長として同社へ。趣味はスポーツ全般。「義理を欠かない。人情を忘れない」が生活信条であり仕事のスタンスでもある。
企業DATA
[所在地] 〒860-0833 熊本市平成3丁目16-13
[TEL] 096-379-6611
[FAX] 096-379-6366
[資本金] 1,000万円
[設立] 1978(昭和53)年2月
[事業内容] 医療事務用コンピューター「サンヨーメディコム」の販売、電子カルテシステムの販売、メンテナンス、プログラム開発、情報処理サービス、医療事務養成校「日本メディコム学院」の運営など
[年商] 5億円(平成19年6月期)
[代表者] 辻 正治 社長
[従業員] 30人
[URL] http://www.n-medical.co.jp/
[関連企業] (有)ワーク情報システム

[採用情報]
現在、登録がありません。
※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。