トップ Companies くまもと経済EX 2008 開発から生産まで一貫したリレー事業でグローバルNo.1の道を進む
くまもと経済EX 2008

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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製造・農業
開発から生産まで一貫したリレー事業でグローバルNo.1の道を進む
オムロン リレーアンドデバイス
将来を見据えたものづくりへの全力投球
 携帯電話、テレビ、ハイブリッド車など製造業を取り巻く技術革新はこれまでにないスピードで高速化が進んでいる。こうした激化する競争の中で求められているものが品質と価値、そして信頼だといえる。
 オムロン リレーアンドデバイス鰍ヘ2003年の設立以来、リレー事業「グローバルNo.1」を目指し、様々な事業強化を進めてきた。今年3月に新社長として多田幸一氏が就任し、新たなリーダーシップのもと将来を見据えたものづくりに全力投球を続けている。
 同社は、先を行く世界市場の要望に対応するため、ハード・ソフトの両面から高い研究開発・技術能力を追求している。
 ハード面における基盤強化のため、06年に車載リレー専用工場として4号館を新設。車載リレー、特にハイブリット車向けに取り組んでいる。07年には本館(1号館)西棟を3階建てに建替え、また、08年には新技術棟(6号館)を完成させるなど、「開発・設計技術」、「金型・生産技術」、「評価・解析・材料技術」の徹底した環境整備・強化を図っている。
 同社のリレー事業における確かな技術は、一層の跳躍が期待されている。オムロングループとして2010年を見据えた計画目標、GD2010(グランドデザイン2010)に沿って、今年度からスタートした第3ステージでは、「最効率」と「最強化」をキーワードに成長への施策を進めている。
 08年3月期売上高は329億円、グローバル連結売上高では前年比約4%増、時期決算時では約6%増を目指している。
世界のエレクトロニクス産業を支える隠れた力「リレー」、技能伝承に注力
 「リレー」はあらゆる家電製品、自動車、産業用機械などの見えない部分で活躍しており、電気信号を受けて、機械的動作に変換し、さらに電気制御をしていくという重要な役割を果たしている。どんなに複雑な製品でも電気制御が必要であり、その機能を担っているのがリレーである。言い換えるならば、世界のエレクトロニクス産業を根底で支えている隠れた存在といえるかもしれない。
 アナログ的技術の蓄積から生まれる同製品は優れた技能を持つ技術者が鍵と同社は考えており、こうした人間重視のアイデアが、オムロンの積極的な人材育成・ソフト面の強化にみることができる。
 マザー工場である本社において毎年、海外の生産拠点から約30人の実習生を受け入れ、生産人材のスキルアップを行うとともに、国内「ものづくり道場」などにより高度な技能の伝承に力を入れている。既に開発・設計においても実践教育プログラムがスタートしており、将来を見据えた技術力は次世代へと受け継がれている。今後はオムロングループトータルのリレー事業も視野に入れ、人員の増員・強化を図っていきたいと考えててる。
変化の中にチャンスあり、100から100を生み出す環境経営を目指す
 原油や原材料など世界のエネルギー資源の枯渇や価格高騰は、環境負荷低減も含めて短期的にも、長期的にも大きな取り組むべき経営課題のひとつととらえている同社。資源を最大限に有効活用し、環境負荷を低減しながら、事業を永続的に発展させていくことは社会への企業責任としてやるべきことと考える。
 多田社長は「100のインプットから100のアウトプットを生み出せるよう、無理・無駄・ムラの徹底的排除を心がけ、改善すべき“宝の山”の発掘にチャレンジしていきたい」と勧業経営に向ける熱意を語る。
 受注は全体的に低調な状況になり、市場環境は順風から逆風に大きく変化した今、「変化の中にチャンスあり」の言葉のとおり、開発現場において知恵を絞りながらマイナス要因をプラスに変える事業展開を進めていくのが一層重要になってくるという。
人と人との関係を尊重した人間らしい地域に根ざした企業
 熊本出身でオムロンの創業者、立石一真氏が提唱した「企業の公器性」、身体障害者雇用を目的とした関連会社オムロン太陽梶i大分県別府市)、環境経営、スポーツを通じた地域交流などこの思いが現在のオムロンには熱く根付いている。
 オムロン リレーアンドデバイス鰍フ女子ハンドボールは、去年は実業団・全日本総合・国体・日本リーグと国内4冠を31年ぶりに達成。日本代表選手として同チームから6人を参加させるなど今後の活躍にも注目が集まる。
 人が考え、人が生み出し、人を幸せにできる未来の技術を社会のために役立てる、高い品質・価値・信頼とともに、ものづくりの本質を追求し続けるオムロン リレーアンドデバイスの挑戦は今も前進し続けている。

多田 幸一社長
ただ・こういち/岡山県出身、1954(昭和29)年1月27日生まれ、54歳。国立詫間電波高校(現・詫間電波工業高等専門学校)卒。1972年立石電機梶i現・オムロン梶j入社、99年同社特機統轄事業部企画室長、2000年同社電子・機構部品統轄事業部C&Cリレー事業部長、03年同社電子・機構部品統轄事業部営業統轄事業部長、04年同社エレクトロニクスコンポーネンツビジネスカンパニー営業統轄事業部長、07年6月から執行役員。趣味はウォーキング、ゴルフ。座右の銘は七転八起。
企業DATA
[所在地] 〒861-0596 熊本県山鹿市杉1110
[TEL] 0968-44-4101
[FAX] 0968-44-4161
[資本金] 3億円(2008年3月末現在)
[設立] 2003(平成15)年4月1日
[事業内容] マグネットリレーならびにその周辺機器の事業計画・マーケティング・開発・生産・販売
[年商] 329億円(2008年3月期)
[代表者] 多田 幸一(社長)
[従業員] 702人(2008年4月現在)
[URL] http://www.omron-relay.co.jp/

[採用情報]
●募集要項:07年度実績 新卒採用9名 キャリア(中途)採用2名
●問い合わせ先:0968-44-4101
●担当者:人事課担当:山下/後藤
※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。