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くまもと経済EX 2008

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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製造・農業
創業当時からのこだわり 「環境と人をテーマにしたものづくり」
地の塩社 ちのしお販売 グリーンファイル よもぎくらぶ ちのしおグループ
環境問題に取り組んだ先駆けの企業
今年4月、本社隣接地に完成した洗浄剤用の第2工場
 地の塩社の創業は1975年。まだ環境問題が騒がれていなかった高度経済成長期、社会の発達とともに公害が増加していた時代だ。多くの企業が環境よりも利潤や会社の規模拡大を追求し、世間の関心も希薄だった中、「公害にならないものをつくりたい」と、環境に優しいリサイクル粉石けんの研究、製造をスタートした。会社設立当時からの信念は「環境と人をテーマにしたものづくり」。今では大きな社会問題になっている環境問題に真剣に取り組んだ先駆けの会社だ。田口淳地の塩社社長は「大手メーカーなどの機能性のいい洗浄剤が氾濫しているため、石けん派は少数派。しかし私たちのグループでは、社会に対し果たすべき役割の意味を考え、その創業時からの思いを業務に引き継いできた」と話す。
 初めの商品は石けんのみだったが、今ではその技術やノウハウを応用し、洗浄剤や基礎化粧品などを製造している。すべての商品が環境に負荷が少なく、自然に還る原料を使用。添加物は極力配合していないため、人の肌にも優しくできている。また、新技術や機能性の開発・改善にも熱心に取り組んでおり、より良い商品づくりに余念がない。
長年親しまれ続ける商品づくリ
山鹿市久原の地の塩社本社
 地の塩社の主な商品は、環境に負荷の少ない、石けんなどの洗浄剤と基礎化粧品。また、和をモチーフにした基礎化粧品は女性に人気だ。「よもぎ」や「炭」「ゆず」など、昔から目本で親しまれてきた原料を使用し、さらに環境や機能性、消費者の意見に配慮し、研究、改善を重ね続けている。利便性や利益のみを追求しない企業努力も、消費者から長く親しまれ続けている大きな要因の一つである。


田口淳社長
たぐち・しゅん/1965年山鹿市生まれの43歳。熊本学園大学卒。趣味は登山。
開業以来の開発努力により完成した「さぼんどちの」シリーズ新商品
今年7月発売の新商品「さぼんどちの」と化粧水
「さぼんどちの」洗浄剤シリーズ
 ちのしおグループでは、ヘチマを原料にした基礎化粧品「さぼんどちの」を製造してきたが、2008年7月、業界初のヘチマ発酵技術を使った、洗顔料、化粧水、美容液などの新商品を開発、発売した。ヘチマを原料にした商品は、これまで多くの母親から娘、孫へと親しまれてきた。洗浄剤から洗顔石けんまで幅広く開発・改善を進めており、土づくりからこだわった22年間の、地道な製造ノウハウを積み上げている。地の塩社は新商品についてにれまでの開発努力により、これらの新商品が出来た。しかしこれで完成ではなく、すべての商品について、改善を怠ることなく進めていく」と意志を明確にする。
 また「さぼんどちの」シリーズは、アルカリ洗浄剤や石けんもあり、売上が好調に伸びている。それに伴い、今年4月には、洗浄剤の増産のため、第2工場を新設した。
グループ一貫して追求するこだわり
通信販売で人気の布ナプキン「ピー・クロス」。肌に優しく、ゴミがでない。
ちのしおグループ新年会
 地の塩社は、石けんや基礎化粧品の製造販売という基本業務以外にも、業務範囲を拡大してきた。もちろん、ちのしおグループ会社の「鰍ソのしお販売」「潟Oリーンファイル」「鰍謔烽ャくらぶ」についても、同じ基本理念の基、多角的に業務を行っている。グループ全体で環境・人への優しさにこだわっている姿勢が、従業員一人一人、商品一つ一つに表れている。
 ちのしお販売は2004年設立。業務用から店販用まで、品質や安全性を重視した製品づくりを行っている。原料の相談、配合やパッケージ等のアドバイスも行う。
 グリーンファイルは1991年設立、地の塩社商品などの通信販売業務を行っている。安価な商品の供給や商品の利便性のみの追求を目的とせず、消費者の意見を聴き、会話することで、心と心のつながりを最も大切にしている。「お客さまに長く愛される商品づくり、お客さまと一緒に成長する会社づくり」がモットーだ。
 よもぎくらぶは、2006年設立。一人暮らしの高齢者に弁当を宅配するサービスを行っている。高齢者の食事や生活に関する悩み、負担を軽減しようと、業務だけでなく利用者とコミュニケーションを取るなど、地域の中の企業としての役割も担いながら、サービスの追求に邁進している。
 また、2005年には、熊本市の下通りに地の塩社アンテナショップ「水粧館」をオープン。新しいショップ形態で、女性に優しいくつろぎ空間を提供している。店内は販売スペースとカフェスペースに分かれていて、シャワールーム、ドリンクバー、インターネット設備など、全国初のリラックスルームとして多くの女性が利用、話題を集めた。
信念の維持とさらなる成長へ
 個人でも企業でも、「エコ」という言葉は今でこそ浸透しているが、その先駆けの企業として、業界をリードしてきたちのしおグループ。田口淳地の塩社社長は「環境に優しい商品は、機能性や使い勝手が悪いとのイメージがある。ちのしおグループでは、環境と人に優しい商品をつくることを信念としている。その信念を維持しつつ、機能性を高めた商品をつくっていきたい」と語る。
 大量生産、安価な商品が多く出回る中、ちのしおグループはそれに流されることなく、独自の企業スタイルを確立している。販売チャンネルの強化も視野に入れており、「環境と人をテーマにしたものづくり」の信念の下、グループ全体でのさらなる成長のため、新しい挑戦と地道な努力を続けて行く。
企業DATA
[所在地] 〒861-0522山鹿市久原4222-2
[TEL] 0968-43-1717
[FAX] 0968-43-1733
[設立] 1975年3月5日
[事業内容] 石けん、基礎化粧品製造販売業
[URL] http://www.chinoshiosya.comchinoshiosya.htm
[関連企業] グループ会社:ちのしお販売・グリーンファイル・よもぎくらぶ

[採用情報]
●問い合わせ先:当社ホームページをご覧<ださい。
※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。