トップ Companies くまもと経済EX 2008 屈指の印刷技術で業界シェアN0.1「眠らない工場」は走り続ける
くまもと経済EX 2008

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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製造・農業
屈指の印刷技術で業界シェアN0.1「眠らない工場」は走り続ける
叶シ川印刷
飛田2丁目にある西川印刷本社
 「最小限のコストで最大限の効果を出したい」−企業が広告・宣伝をする時、まず考えることではないだろうか。
 創業55年、販売促進のパートナーとして企業のビジネスを支える叶シ川印刷が追求し続けることは、そんな顧客のさまざまな課題やニーズを明確にし、最適な改善策の提案を通じてベストな販売促進につなげることだ。紙の価格高騰などで、厳しい環境にある印刷業界。その中に身を置き、10年後、20年後の生き残りに向け西川征次社長は[業界シェアN0.1にならないと生き残れない。そのための体制づくりが急務だ]と会社の舵取りに意欲を見せる。同社はこれまで、新聞への折り込みチラシを中心に事業を展開。近年は、時代の流れとともに変化する販促ツールの多様化に着目、紙媒体だけでなくインターネットや携帯モバイルなどと連動し、より広がりのある広告展開を提案している。また、今年からは、冊子関係の印刷物受注にも本格的に乗り出し、熊本日日新聞社が県北エリア限定で発行する月間生活情報誌「もん(MON)」の印刷を手がけるなど、営業スタッフ一人ひとりが独自の発想と技術を駆使し、日々、魅力ある企画・開発に取り組んでいるのだ。
 「販促のパートナーとして、お客さまの喜びをいただくことが当社の喜び」と西川社長。全社一丸となり、より迅速かつ効果的にさまざまな情報を「カタチ」にし、世に広めていく同社の創造力は、まさに時代の最先端にある。
7億円かけ印刷機、製本ラインを整備。 「24時間、眠らない工場」はフル稼動中
昨年、導入した「A横全判オフセット輪転印刷機」
 より広がりのある広告展開に自信をのぞかせる同社。その自信は、短納期対応の設備と高度な印刷技術を備えた工場があるからこそだ。「私たちは24時間、眠らない工場をモットーに事業を進めている」。西川社長はこう語る。工場設備としては、1分間に1千回転する超高速の「B2輪転」、表紙+8折までの中綴じ製本が出来る「中トジ製本機」を2ライン、パソコンからデータを送信し、粉末トナーを使った4色印刷が可能な「オンデマンド印刷機」など、時代のニーズに対応した最新鋭のシステムや設備を導入。また、昨年10月には「A横全判オフセット輪転印刷機」(シーター・ミシン・グルー製本)の導入をはじめ印刷、製本ラインを約7億円かけて整備し、工場は24時間体制でフル稼働を続けている。
 「すべてはお客さまに、より良い商品をいち早くお届けするために」と西川社長。同社は屈指の印刷技術で「信頼」という絆を築き、顧客との信頼関係を確固たるものにしているのだ。
「熊本市政だよリ」の印刷を受注、公共分野に本格参入へ
センサーで乱丁・落丁の検知可能な最新鋭の「中トジ製本機」
主に500部以下の小ロットのリーフレットやDMなどに最適な「オンデマンド印刷機」
 同社にとって2008年は、ビジネスの転換期の年と言っても過言ではないだろう。同社は今年4月、熊本市が発行する月刊広報誌「市政だより」の印刷を指名入札により受注したのだ。公共機関が発行する大型の印刷物受注は今回が初めて。「市政だよりの受注を1つの転機として、民間のみならず、公共分野への本格参入を会社の方向性として描いている」と西川社長。創業以来培ってきたノウハウを全面に活かした形で、品質・スピード・価格の面で他社と差別化を図り、強い企業基盤は着々と築かれている。
県内印刷会社初のPマーク取得、今年3月にはIS014001認証も
 同社は2004年9月に県内の印刷会社としては初めてプライバシーマーク(Pマーク)認証を取得するなど、個人情報の保護も万全だ。同社では、広報物印刷までの間、重いチラシデータや商品画像データをスムーズにやり取りし、顧客の負担を軽減するため、FTP回線を活用。ファイル転送プロトコルのため、外部への情報漏えいを防止できる。「Pマークに関しては、一昨年9月には2度目の認定を通過した。お客さまのためにPマークの規定に沿って、個人情報保護を徹底していくことが、個人情報を扱う業者としての責任だ」と西川社長は強調する。
 一方、環境への取り組みとしては今年3月、本社および全営業所で環境マネジメントシステムの国際規格ISOl4001認証を取得した。同社は「環境にやさしい印刷会社」を目指している。その1つがグリーン購入への取り組みだ。グリーン購入とは、製品やサービスを購入する際に環境問題を考慮して必要性を十分に考えた上で、環境への負荷が出来るだけ少ないものを選んで購入する活動だ。「GPN」という環境への負荷が少ない製品やサービスの優先的な購入を進める消費者・企業・行政の全国ネットワークに加入し、エコ企業としても活動の幅を広げている。
業界シェアNo.1に向け、ビジネスフィールドを走り続ける
 開封率を高める圧着DM、携帯活用の集客メール、イベントで喜ばれるカラースクラッチ、効率良い販促を実現する商圏分析システム‥・。同社が提案する販促ツールの幅は、限りなく広がりを見せる。すべては、顧客の固定化、他社との差別化、そして人と人を結ぶ新たな「絆」を創り出すためだ。
 創業から半世紀。次の世代へ向かう西川印刷は業界シェアNo.lに向け、「24時間眠らない工場」とともにビジネスフィールドの上を、今日も走り続けている。
企業DATA
[所在地] 〒861-5514熊本市飛田2-12-116
[TEL] 096-352-1121
[FAX] 096-319-2134
[資本金] 4,300万円
[設立] 1974(昭和49)年9月
[事業内容] 総合印刷業
[年商] 31億9千万円(売上高)
[従業員] 150人
[URL] http://www.nishikawa-p.jp
[関連企業] 東京営業所、大阪営業所、福岡営業所、宮崎営業所、鹿児島営業所

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。