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くまもと経済EX 2006

熊本の明日を拓く未来創造企業 100の戦略

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製造・農業
菊池の大自然に広がる自然循環型テーマパーク
農業生産法人泣Rッコファーム
400羽の養鶏からスタートし自然循環型テーマパークへ
にぎわいを見せる直売所の「ふれあい館」
 国道325 号沿いにある「道の駅旭志」からほど近い、菊池の大自然に広がる自然循環型テーマパーク「コッコファーム」。6万uという広大な敷地内には、新鮮な“朝取りたまご”や様々な加工品を販売する直売所「ふれあい館」、放し飼いされた“紅(あこ)うどり”の卵拾いを体験できる広場、熱帯の地さながらに実ったバナナが所狭しと並ぶ「観光バナナ園」などバラエティーに富んだ空間が広がる。敷地内の小高い丘には、田園風景と菊池の自然を木製ベンチで満喫できる「展望
庵」も整備されており、休日には家族連れなど多くの来場者でにぎわいを見せる。
 1969 年、400 羽を飼育する養鶏業としてスタートした同社。松岡社長は、関東を中心にいくつかの仕事を経験する中で、改めて故郷の自然の素晴らしさに気付
き、平坦地に負けない農業のスタイルを求め始まった。その後、生産・加工・販売から消費者や地域生産者との交流、連携を深めることで今日のレジャー農園を形成
している。
各部門が意識高め個々に新しい取り組みを実践
松岡 義博社長
無料休憩所「展望庵」
 現在同社では、2000 年から始まった10年構想により組織の充実を図っている。様々な取り組みの中で特に力を入れているのが、各部門の独立性と企業としての
社会性の強化。従業員が100人を超え、部門が細分化されてきた状況では特に重要だという。「各部門で責任を持つことで、スタッフがビジョンを共有することが狙い」と松岡社長は話す。
 数ある部門の中で、コッコファームと消費者との窓口となる直売部門「ふれあい館」は、04年12月に、売場面積をそれまでの3倍の約400 uに拡張した。主力商品の朝取りたまごなどに加え、同社生産の卵を使ったケーキなどを販売する菓子工房なども好評で、年間約30万人の来場者がある。秋口には、麺に卵白を練り込み鶏がらスープをベースに新しいラーメンのスタイルを考えた新商品も店頭に並ぶ予定で、新たな人気商品として期待される。そのほか会員カードを発行しており、会員には同社からの情報などを発信すると共に顧客の声も積極的に収集し、ニーズにあった店作り、企業づくりに努めている。
 また、01 年4 月に新規就農を目指す人や農業後継者を対象に、農業の基礎知識や技術の習得、さらに農業法人の利点を生かした実践的研修の場として農業体験学校の実農学園も、部門として新たな活動に取り組む。同学園の寮を20人の定員で宿泊施設として開放し、農業体験などを通じた団体や職場での研修の場として利用できるよう準備を整えている。部屋にはバス、トイレや炊事場も付いているほか、旬の食材を使った食事の提供もできるので短期研修を気軽に行える。農業生産法人のモデルケースとして、全国からの視察もあるが、そうした農業従事者に対して1泊2日のディスカッションなども可能で、要望に応えていきたいとしている。「農業のあるべき姿を考え、生かしながら民間でできる取り組みを考えた結果。農を通じて人材教育に役立てて頂きたい」とそのビジョンを示す。
“自然循環”と“人づくり”から地域貢献できる企業へ
観光バナナ園では、バナナの木のオーナー制度を導入した
 今後も自然循環型企業として、地域に貢献し発展していくための“人づくり”の試みとして、同社の18歳から35歳の社員でニューリーダーの会を、55歳以上の社員でシルバーライフの会を作り活動している。ニューリーダーの会では、社員同士で様々なアイデアや催事活動を行い、次世代のリーダー養成を目指している。また、シルバーライフの会では、クリーン作戦や竹細工の作成などを通じて会社と地域とを結ぶ役割を果たすと共に、若い力とベテランの技術と知恵との相乗的効
果で社員の成長を図っている。
 また、“自然循環”への取り組みとして、同社では“自然循環”を“自然法則に従うこと”と定義し様々な活動を進めている。その一つに、昨年53キロワットの太陽光発電設備を導入。電力の消費が多い製造工場などで電力を利用している。また、「観光バナナ園」では、卵の殻と自家製鶏ふんを土壌の養分に使用し、“循環”にこだわった栽培をしている。さらにこのほど、コッコファーム育ちの安心安全なバナナを、自分のものとして収穫できるオーナー制度を導入。希望のバナナの木を選び、約8カ月間かかる実の成長と収穫を楽しむことができる。そのほか、地域活性を目的に様々な情報を発信、集積できるマルチメディアセンターづくりなども
構想に持つ。センターには、あらゆる業種の人々がテナントオフィスとして集い、菊池を始め全国から集まる情報をリアルタイムに受け、農産物の商品化や農業技術
のレベルアップなどにつなげられればと構想を広げる。企業活動を通じて、人の成長や喜び、そして地域の発展を目指す同社は、今後も新たなものを発信していき
ながら一歩ずつ成長していく。
企業DATA
[所在地] 〒861-1302菊池市下河原2818
[TEL] 0968-24-0007
[FAX] 0968-24-5056
[資本金] 1000万円
[設立] 1995年10月
[事業内容] 養鶏及び農産物の生産販売、食品加工・販売、人材育成事業(実農学園)
[年商] 25億2700万円
[代表者] 松岡 義博社長
[従業員] 119人
[URL] http://www.cocco-farm.co.jp

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。