トップ Companies くまもと経済EX 2008 通町筋に4階建てビルを建設、 「アパマンショップ」の旗艦店に
くまもと経済EX 2008

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通町筋に4階建てビルを建設、 「アパマンショップ」の旗艦店に
竃セ和不動産
市中心部の“シンボルロード”に自社ビル
通町筋店の店頭に置<「AOSナビ」。タッチパネルで全国の賃貸物件が検索できる
 熊本市辛島町に3棟の大型マンションを建設し街並みに息吹を吹き込んだ「辛島町プロジェクト」をはじめ、ここ数年間に明和不動産が手掛けたビジネスは、不動産業界だけでなく経済界でも話題に上ることが多かった。そのダイナミックでアグレッシブな同社のビジネス展開がまた一つ、熊本市中心部で始まろうとしている。「通町再開発プロジェクト」がそれだ。「通町筋のビルが坪一千数百万で取り引きされた」−。07年春、地場経済界に電撃的なニュースが大きな関心を持って駆け巡った。明和不動産は通町電停前の清田時計店所有の4階建てビルを取得。そのニュースの“発信元”が同社だったのである。
 市中心部のシンボルロード、中心市街地の“顔”とも言えるこの一等地に同社は4階建自社ビルを建設する。総事業費は土地代含め約5億3千万円。08年8月にも着工し早ければ12月に、遅くとも09年2月には完成・オープンさせたい意向だ。3階と4階にはテナントを入居させる予定だが、1、2階は自社店舗を出店する。1階は賃貸の「アパマンショップ通町筋店」。川口社長は「以前から中心部の一等地に出店を、と考えていた。当社が持つ不動産に関する情報を集約したアパマンショップの旗艦店に」と新店舗の位置付けを語る。人通りの多い一等地に立地するフラッグショップだけに話題も満載だ。売りはやはり川口社長が得意とするところのITをフル装備した接客サービス。威力を発揮しそうなのが店頭に置く「お部屋探し端末・AOSナビ」である。同社も加盟し全国約980の不動産賃貸管理会社のフランチャイズ組織・潟Aパマンショップネットワーク(東京都)が、O8年6月に第一号機を千葉県で稼働させたばかりの最新鋭機だ。明和不動産でも初の導入となる。
 AOS(アパマンショップ・オペレーション・システム)は店舗を訪れた客が希望のエリアや間取り、家賃などを受付でパソコンに人力すれば、熊本だけでなく全国の物件が瞬時に検索できる画期的なシステム。[司社でも07年8月に全店で稼働を始めているが、今回導入する「AOSナビ」はモニターをピッ、ピッとタッチすれば熊本だけなく全国約340万件にも上る賃貸物件が瞬時に検索可能だという。同社が管理する熊本市内1万5千〜1万6千の物件検索も可能で、「場所柄幅広い年齢層の来店が予想され、あらゆる賃貸ニーズに対応したい」と川口社長。さらには08年1月から稼動した賃貸管理業務の一元管理システム「ATS」(アパマンショップ・トータル・システム)とも連動させサービスに厚みを持たせる方針だ。もちろん、機械だけでなく人的サービスも充実させる。当初アパマン店とテナント合わせ12人程度のスタッフを置き、5年後をめどに15、6人程度まで増やす。売り上げは初年度1億2千万円程度、5年後には2億円程度としたい考え。

川口雄一郎社長
かわぐち・ゆういちろう/1952(昭和27)8月29日生まれ、55歳。熊本商科大学付属高校卒業。(社)全国賃貸住宅経営協会(専務理事・熊本県支部長)、(財)日本賃貸住宅管理協会(理事副会長・保証制度運営部会長)、全国賃貸管理ビジネス協会(理事副会長・新商品新事業開発委員会委員長・九州支部長)、全国賃貸管理共済会(理事・運営委員)、日本住宅設備共済会(理事長)、アパマンショップネットワーク(相談役・九州地区代表世話人)
大型オーロラビジョンで“マチナカ”を元気に
同社が通称通町筋(熊本市上通町)に建設する4階建ビルの完成予想図。建物は鉄骨造り、延べ床面積は約400u。各フロアの天井を高くしビルの高さは16メートル程に。オーロラビジョンは2階部分に設置する
 新店舗にはもう一つ、目玉となる仕掛けがある。店舗2階部分に設置する「オーロラビジョン」がそれ。およそ4m〜5mサイズの大型画面からは1時間に60本のペースで次々と情報が送り出される。当面は同店のテナント営業部が仲介した店舗のオープン告知を流す予定だが、「下通りの真正面に位置。ダイエーの前からもビジョンが目に入る。この立地を生かさない手はない」と、オーロラビジョン設置を担当する川口圭介取締役も新たな情報発信を模索している最中だ。「当社が展開する不動産ビジネスのすべてが発信できる店舗に。また少しでも“マチナカ”を元気にしたい」−。川口社長の夢もやがて形になりそうだ。
インテリア雑貨のネットショップが好調
潟cmモノの川口圭介取締役(左)と松本勝雄社長。若い感性と息の合ったコンビネーションが会社を支えている
潟cmモノが展開する「モノギャラリー」のホームページ画面。ホップな色合いが特徴的だ。関東、関西など大都市圏の顧客が多いという
 川口社長は不動産ビジネスとITの不可分な関係をいち早く察知し、実際に自社の事業に生かしてきた。同社のビジネスモデルはITを抜きに語れないし、他社の追随も見ない。そして今、同社がこれまで積み重ねてきたIT戦略のノウハウが結実し、軌道に乗りつつあるビジネスが関連の潟cmモノ(辛島町)が展開するインテリア雑貨のネット通販。現在、松本勝雄社長と川口取締役、従業員2入の計4人で月商は600万円で推移。08年5月には加入サイトの楽天市場のインテリア家具部門で週間MVPを獲得したほどだ。
 「徹底したマーケティングで売れ筋を絞り、さらに自分達でチョイスした商品を加えオリジナル性を発揮できたことが奏功していると思う。決してビジネスモデルがあったわけではなく、これまでコツコツと積み重ねてきた結果がまさにビジネスモデル。2年前のスタート時から試行錯誤の連続だった」と松本社長。同社は明和不動産が管理する賃貸物件の入居者を対象に光ファイバーの取次ぎ業務にも力を注いでおり、「現在量販店を除き取扱件数は全国でもトップクラス」と川口取締役は言う。今後は雑貨販売との二本柱で事業を進める考えだが、今後は特に最近の携帯電話の検索機能に対応した携帯サイトの機能充実に力を入れ、雑貨販売を強化する方針だ。ここまで読むと、全く新規事業へと明和グループのベクトルが向かっているようだが、決してそうではない。雑貨販売もスタート地点は新生活を始める入居者へのサ−ビス、なのである。あくまで本業をベースに、ITを駆使した同社のビジネスモデルは進化を続けていく。
企業DATA
[所在地] 〒860-0864熊本市辛島町4-35
[TEL] 096-322-5555
[資本金] 7,160万円
[設立] 1986(昭和61)年4月
[年商] 40億円(グループ合計、2008年5月期)
[代表者] 川口雄一郎社長
[従業員] 162人
[URL] http://www.meiwa-f.com/
[出先] 店舗:大江店・熊大前店・下通店・平成店・県庁東店・藤崎店・光の森店
[関連企業] 竃セ和アシュランス、竃セ和プランニング、竃セ和エステートリース、竃セ和ファンド、竃セ和リロケーション、滑ヌ理センター、潟Aパマンショップホールディングス、日本管理センター(JPMC)、潟cmモノ潟鴻nス・クラブ

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。