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くまもと経済EX 2008

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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金融・保険・卸・流通・小売
熊本のリーディングバンクとして、地域経済の発展に貢献
肥後銀行
2008年4月から「第四次中期経営計画」がスタート
グランメッセ熊本で開催された「2008くまもと産業ビジネスフェア」
 県境を越えた金融機関の経営統合やゆうちょ銀行の参入など地銀を取り巻く経営環境は大きく変化し、さらに厳しさを増している。熊本のリーディングバンクである肥後銀行(小栗宏夫頭取)は、今年4月に「第四次中期経営計画」(以下、第四次中計)をスタートさせた。今回策定した第四次中計は、「第三次中期経営計画」で取り組んできた「風土改革・構造改革」をさらに継続・強化し、「お客様との接点強化による地域密着」という基本テーマをさらに深め、顧客への応対や事務処理などの業務品質(クオリティ)の向上、各種チャネルを通じた利便性の向上や付加価値の高い提案型の展開等を図る「現場力の品質強化」を基本コンセプトにしたものとなっている。

小栗宏夫頭取
おぐり・ひろお/1941年8月24日生まれの66歳。65年東京大学法学部卒、同年富士銀行人行。鎌倉、恵比寿、銀座支店長を経て92年取締役。95年常務取締役。98年4月肥後銀行に相談役として入行。同6月専務(代表取締役)、2000年6月副頭取(同)、01年6月頭取就任。熊本経済同友会代表幹事ほか公職多数。
総取扱資金量を2年間で4兆円へ
10月に開いた「第2回くまもと“食”の商談会」
12年ぶりの新店舗嘉島支店
 今回の第四次中計では、「預金と投資信託、国債などの預かり資産を合わせた総取扱資金量を2010年3月末に4兆円とする」という新たな数値目標を掲げた。総取扱資金量を財務目標に掲げたのは初めてだが、「総取扱資金量は、預金と預かり資産の合計であり、調達力は銀行の実力を表すものとして非常に重要視している」(小栗頭取)という表れだ。
 この4月の組織改革では、営業統括部情報営業グループを情報営業部に格上げし営業推進4部体制を採った。この情報営業部は、法人向けの専門性の高い情報の収集・提供を目指し、M&Aやビジネスマッチング、シンジケートローン、PFI、地域大型プロジェクトなどに取り組むもので、人員も10人から18人に増やした。また、地元企業の様々なニーズに対応するため上海駐在員事務所、東京事務所、福岡事務所などと連携し情報営業態勢の整備を行い、コンサルティング業務やビジネスマッチングによる事業支援などに積極的に取り組んでいる。マッチング業務としては、07年3月と10月に社団法人熊本県物産振興協会との共催で。「くまもと“食”の商談会」を開催、販路拡大の支援を行った。07年5月には、業務協力協定を締結している農林漁業金融公庫熊本支店と共同で、潟Cンフォマート(東京都)との連携による同社運営ホームページ上に「熊本食材市場」を開設した。08年2月29日、3月1日には「2008くまもと産業ビジネスフェア」をグランメッセ熊本で初めて開催した。部品調達や人材派遣、技術協力、販路拡大など誘致企業と地場企業との交流支援と、地域経済の活性化を図るもので、当日は県内企業を中心に、九州内外の自動車、半導体、ソーラー、IT、バイオ、環境関連などの160社・団体が参加した。来場者は2日間で約5、600人にのぼり、活発な商談が行われるなど、今後の新ビジネス創出につながる支援となっている。個人向けでは、資産運用のアドバイスを手掛けるフィナンシャルプラザ上通の担当者を3人から6人に増員し、富裕層対策としてプライベートバンキング機能を強化する。これまでの店頭営業から訪問営業へ転換し、顧客ニーズにより細かく対応していく。
12年ぶりの新店舗嘉島支店をオープン
「阿蘇大観の森」での植樹
 地域の顧客に対する利便性の向上のため店舗の移転・リニューアルも積極的に進めている。07年2月には武蔵ヶ丘団地支店を移転し、光の森支店としてスタートさせたのをはじめ、7月に天草支店の移転新築、9月には12年ぶりの店舗新設となる嘉島支店(上益城郡嘉島町)をオープンした。また11月には、潟香[ソン・エイティエム・ネットワークス、潟Cーネットと業務提携し、コンビニエンスストアのセブン・イレブン内のセブン銀行ATMに加え、新たにローソン、ファミリーマートなどのATMでも利用が可能となるなどサービスを拡大している。住宅資金や自動車ローンなど個人向けローンを取り扱う「ローンプラザ」は県内5店舗体制(砂取、流通団地、光の森、八代田中町、荒尾緑ヶ丘)を構築し、より身近で、安心・便利な肥後銀行を実現するためチャネルの充実を進めている。
水源かん養や環境保全など豊かな地域社会づくリヘ
「わたしのまちの○と×・熊本」環境フォトコンテスト
 環境保全や福祉・文化活動への支援など豊かな地域社会づくりへも力を注いでいる。財団法人「肥後の水資源愛護基金」とともに水資源保全活動への取り組みの顕彰活動やシンポジウムの開催、水源かん養林の育成など幅広い活動に取り組んでいる。06年2月、阿蘇市小倉地区で取得し、「阿蘇大観の森」と命名した森林を中心に水源かん養林の整備・保全に積極的に取り組んでいる。また九州の金融機関として初めて、2004年に環境ISO14001の認証を取得するなど全行を挙げて環境負荷の軽減に取り組み成果を上げている。
 07年度より、環境問題について「まずは自分たちのまちに興味を持ち、自分たちの足元から見直し、社会的行動につなげる」ための官民一体となった企画として「わたしのまちの○と×・熊本」環境フォトコンテストを実施し、事務局として運営に参画している。
地元銀行としての使命を果たす
 同行の08年3月末での総預金残高は、前期末比480億円増で期末残高は3兆2,466億円(増加率1.5%)となった。この内、熊本県内の総預金残高は3兆351億円で、全体の93.5%を占めている。また、総貸出金は、前期末比701億円増加し、期末残高2兆1,825億円(増加率3.3%)となった。熊本県内向け貸出金残高は1兆6,357億円で、全体の74.9%を占めている。こうした点からも同行の地域社会の発展に寄与するという積極的な姿勢が見て取れる。小栗宏夫頭取は、「第四次中計では、お客様との接点強化による地域密着というこれまでのテーマをさらに深め、クオリティのトップバンクを目指していく」と話している。地域経済の発展と地域社会への貢献という地元銀行としての使命を果たすべく、着実に取り組んでいる。
企業DATA
[所在地] 〒860-8615熊本市練兵町1
[TEL] 096-325-2111
[資本金] 181億円
[設立] 大正14年
[事業内容] 普通銀行業務
[従業員] 1,972人
[URL] http://higobank.co.jp
[出先] 126

[採用情報]
●問い合わせ先:当社のホームページをご覧下さい。
※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。