トップ Companies くまもと経済EX 2008 地域とともに85年 地元に根ざした営業活動推進
くまもと経済EX 2008

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

■医療・医療関連・教育  ■飲食・サービス 
■金融・保険・卸・流通・小売  ■情報通信・ICT関連  ■電力・運輸・建設・不動産  ■製造・農業 
金融・保険・卸・流通・小売
地域とともに85年 地元に根ざした営業活動推進
熊本信用金庫
地域経済の持続的発展に貢献
熊本市手取本町の本店
 1923(大正12)年8月、当時の高橋守雄・熊本市長を中心に政財界有志が発起人となり設立された熊本信用金庫(熊本市手取本町)は、今年創立85周年を迎える。「地域社会に密着し、金融業務を通して企業と家庭、そして郷土くまもとの繁栄と日本経済の発展に寄与する」を経営理念に事業を推進してきた。
 吉本國勝理事長は「地元のお客様からお預かりした大切な資金(預金積金)は、地元で資金を必要とするお客様に融資を行って、事業や生活の繁栄に貢献していく。これからも、地域社会の一員として地元の中小企業者や住民との強い絆とネットワークを形成し、地域経済の持続的発展に努めたい」と語る。

吉本國勝理事長
よしもと・くにかつ/1941(昭和16)年12月19日生まれ、66歳。宇城市松橋町出身。熊本商業高校卒。60年熊本信用金庫入庫。業務部長、本店営業部長などを経て、95年理事、01年6月常務、03年6月第10代目理事長就任。趣味はジョギング、ゴルフ
支店の生産性上げ顧客サービス増強
地元4信金共同で取り組む「コラボ産学官」で、定期開催している交流研究会の様子
 現在、熊本市内とその近郊に22店舗を展開。吉本理事長は「各支店の生産性を上げ、現在の22店舗をしっかりといかせる体制を構築したい」と意欲を見せる。よりリテール分野に特化した事業展開を行うため、支店に導入していた母店−サテライト店制度を見直し、支店長を増員。今年2月には、支店長専決の事業所向け「ヴァリューローン」、個人消費者向け「Beクイック」という2つのローン商品を発売するなど、各支店単位で小回りの利いた顧客サービスが可能な体制を整えている。
“目利き力”養い経営再生支援
 個人事業主や中小企業の活性化にも積極的に取り組んでいる。「地域のお客さまの経営再生支援が、地元の金融機関としての最大のテーマ。お客さまへの適切なアドバイスができる“目利き力”を待った人材を育成したい」と吉本理事長。経営サポートチームを中心に、個人事業主や地元中小企業の経営支援、ステップアップ支援に全力を注いでいる。また、資金面だけのサポートに留まらず、全国の信用金庫とのネットワークをいかしたベンチャーリンク社と提携した全国規模の商談会、地元4信金共同で取り組む「コラボ産学官」での取り組みなどを通して、顧客間のビジネスマッチングを支援。地元企業のアイデアや技術を売上に結びつけるための、充実したサポート体制を構築している。
より安心・安全な地域の金融機関へ
 より安心・安全な地域の金融機関として、経営体質の一層の強化が進んでいる。このほど発表した08年3月期決算では、経常収益が前年比3.4%増の35億5500万円、経常利益は59.6%減の1億7300万円と増収減益となった。増収は3年連続、減益は2年ぶり。預け金の利回り上昇に伴う受取り利息の増加や有価証券売却益の増加などで増収となったが、利回り上昇による預金の支払利息の大幅な増加、不良債権処理費用の増加により減益となった。また、預金の期中平均残高は2.2%増の1368億600万円、貸出金は3.6%減の769億5000万円だった。自己資本比率は9.57%、不良債権比率は7.5%となっている。吉本理事長は「財務体質の強化が進み、安定した経営が行える十分な数値。地道な営業活動を展開することで、更なる収益力の向上を目指したい」と語る。
“エコ”テーマに新商品
 創立85周年の節目を迎え、記念事業として環境省が提唱する「チーム・マイナス6%」に参加登録。このほど、記念キャンペーン商品として、個人や事業主向けに『うちからエコ』定期積金と『エコ商品購入ローン』を発売した。『うちからエコ』定期積金は、エコを考え取り組んだ結果をゴツゴツ貯めて財産形成、満期金額を定期預金に預人して優遇金利で運用する。『エコ商品購入ローン』は、ハイブリットカー購入やエコロジー関連の設備投資に対して、貸出金利を優遇している。
多彩な金融商品を展開
創立85周年を記念して、“エコ”をテーマにしたキャンペーンを実施している
 その他にも、昨年から販売している、昭和21年から24年に生まれた“団塊世代”を対象に上乗せ金利を適用する団塊世代応援定期「夢つづき」などを展開。国の少子化対策に呼応した多子家族応援定期預金「子宝」では、金利を子どもの数に応じて上乗せ。子ども2人の場合には+0.2%、3人では+0.3%、4人では5人以上では+0.5%を上乗せする特典をつけている。また、年金受給者向けの定期預金「スーパー寿」、退職者などに向けた「プレミア定期500」などの多彩でユニークな預金商品を展開中だ。0.4%、5人以上では+0.5%を上乗せする特典をつけている。また、年金受給者向けの定期預金「スーパー寿」、退職者などに向けた「プレミア定期500」などの多彩でユニークな預金商品を展開中だ。
地域との接点強化
 地域金融機関を取り巻く環境が変わりつつある中、吉本理事長は「今まで以上にお客さま、地域との接点を強化していくことが求められる。お客さま一人ひとりの顔が見える、地元に根ざした営業活動こそが信用金庫の最大の強み。地域社会の活性化に幅広く貢献していきたい」と意欲を見せる。「“変革”“誠実”“感謝”のくましん三訓をしっかりと継承し、地域密着の姿勢でお客さまと一緒にステップアップしていきたい」と抱負を述べた。
企業DATA
[所在地] 〒860-0808熊本市手取本町2-1
[TEL] 096-326-2211
[FAX] 096-322-7219
[資本金] 出資金:8億3000万円
[設立] 創業:1923(大正12)年8月
[事業内容] 信用金庫業務
[年商] 預金残高:1368億600万円(07年度期中平均) 貸出金残高:769億5000万円(同)
[代表者] 吉本國勝理事長
[従業員] 255人(08年6月現在)
[URL] http://www.kumamoto-shinkin.jp/

[採用情報]
現在、登録がありません。
※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。