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くまもと経済EX 2008

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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法人化と共に熊本事務所を開設 予防法務の始動でサービス拡大
弁護士法人田中ひろし法律事務所
熊本事務所を開設し新たなるスタート
熊本市江越1丁目に開設した熊本事務所。活動の本拠地となる
 弁護士法人田中ひろし法律事務所(熊本市江越1丁目、田中裕司代表弁護士)は今年2月に事務所を法人化した。
 同時にこれまで本所としていた玉名事務所(玉名市岩崎)を従たる事務所へと変更し、熊本市に本所となる事務所を開設。今年4月には熊本事務所開設パーティーを開き、新たなスタートを切ったばかりである。
 同事務所は平成16(2004)年9月に公設事務所「玉名ひまわり基金法律事務所」として開業し、平成19(2007)年1月には、同地に個人事務所「田中ひろし法律事務所」として新たに開設。「故郷でもある熊本で開業したいという強い思いがあった。特に玉名や荒尾などの県北地域は弁護士ゼロワン(過疎)地域で被害も多発していたため、開業は不可欠だった」と話す田中弁護士。
 もともと福岡の法律事務所に勤務し、悪徳商法対策、敷金問題の研究会などに勤しんでいた田中弁護士。県北地域は多くの人目を有するため、それに比例して消費者事件も数多く起きる地域。「困っている人の所に弁護士から出向いていくこと」をモットーに、地域に根付いた法務を玉名で開始した。
 玉名での法務を通して「新しい法律事務所、新しい弁護士」のイメージを浸透させたかったという田中弁護士。「弁護士は近寄りがたい」、「莫大なお金がかかる」といった先入観から訪問を躊躇している人は多い。
 テレビの中の弁護士よりももっと身近に感じてもらうために、玉名のFMラジオでの法律談義コーナーヘの出演、地域住民が催す勉強会や講演会への参加、玉名地域の高校での法律講義などを行う田中弁護士。地域住民との交流を深めるための地域に根付いた活動に積極的に取り組んでいる。

田中裕司代表弁護士
たなか・ひろし/菊池市出身。1971(昭和46)年6月20日生まれの37歳。済々黌高校−九州大学教育学部卒。98年司法試験合格、2000年福岡県弁護士会登録。福岡の弁護士事務所に勤務後、玉名ひまわり基金法律事務所に赴任。07年「田中ひろし法律事務所」に名称変更。今年2月「弁護士法人田中ひろし法律事務所」として法人化し、熊本に事務所開設。趣味はゴルフ、食べ歩き。
若手企業への予防法務を中心に
熊本事務所内。同所では若手企業への予防法務を中心に行う
玉名市岩崎にある玉名事務所。地域に根付いた活動に取り組んでいく
 玉名での法務と並行して進めたのが法人化と熊本への新事務所設置。この業務形態拡大の第一の目的は新サービス「若手企業への予防法務」を行うためだ。
 熊本でも近年増えてきた若手企業。30歳代や40歳代の経営者も少なくない。こうした新しい企業は必然的に新事業にチャレンジすることが増えるため、企業リスクも増加することとなる。そこで田中弁護士がおすすめしたいのがトラブルを未然に防ぐための予防法務。問題が起きた後に依頼を引き受けるだけではなく、それを防ぐための事前アドバイスを行う。これまで消費者事件を多く扱ってきた経験を生かした経営サポートに携わりたいというのが熊本事務所設立の目的だ。田中弁護士は「日常的に相談を受けられるような、経営者にとっての身近なパートナーを目指したい」と話す。
ワンストップサービスで総合的な経営サポートを
今年4月に催された、同所の開設祝賀パーティー
 このような新サービスをさらに幅広く展開するため、企業ビジネスプロデュースなどを行う潟Xリーアイプロモーションズ(熊本市江越1丁目、佐藤彰社長)の隣接地に熊本事務所を設置。これは同社と連携した「ワンストップサービス」を提供することで、相談者により利便性の高い、トータルでの経営サポートを行うことを目指したもの。
 同じビルに入居しているという好条件を生かし、互いにネットワークを共有、企業に対しさまざまな角度から総合力を発揮して問題解決にあたる心構え。「総合的にバックアップすることで、相談者に信頼感と安心感を与えていきたい」と話す田中弁護士。現在は熊本の主産業である農業及びそれを素材にした飲食業に従事する方へのサポートなど、新しい分野の法務について模索しているところ。特に熊本でがんばる若い企業を応援したいという一心だ。
支店設置に向けて人材育成に力を入れる
弁護士法人田中ひろし法律事務所のロゴマーク。六法辞書をイメージした明るく親しみやすいデザインで、知識や経験を積み重ねていくという意味が込められている
 また今後支店設置を目指すという同事務所。熊本には水俣地区や天草地区など、弁護士過疎地域が存在する。高齢者を狙った犯罪も多発している昨今、法的相談のニーズは非常に多いと推測される。このような場所では玉名での経験を生かし、地域に密着した弁護活動を行っていきたいという田中弁護士。
 これに伴い弁護士の数も数名増員する予定。またそこで弁護活動を行っていける人材を育成することも大きな目標の一つ。田中弁護士は「支店設置にも向けて、弁護士のマンパワーを充実させていきたい」と話す。
 地方での地域に根付いた民事、刑事、家事などの法務、都心での企業に向けた予防法務、それぞれの事務所の役割付けを明確にし、さらにサービスの幅を拡大していく同事務所。今後も企業サポ一卜を中心に、地域活性化に貢献できるような事業展開を行っていく。
企業DATA
[所在地] 熊本事務所〒860-0834熊本市江越1丁目18-1ライズ平成桜通り1F 玉名事務所〒865-0016玉名市岩崎74-1とくながビル2F
[TEL] 096-312-8868  玉名事務所0968-76-8861
[FAX] 096-312-8878  玉名事務所0968-76-8862
[設立] 2008(平成20)年2月※弁護士法人設立
[事業内容] 民事・刑事・家事一企業法務
[代表者] 田中裕司
[従業員] 5人
[E-Mail] thl@wish.ocn.ne.jp

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。