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くまもと経済EX 2008

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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来年創業30周年。 ゼロエミッションの実現へ準備着々
有価物回収協業組合 石坂グループ
築かれる各エリアでの事業基盤
県内最大級のリサイクル施設かおる石坂グループ本社工場(熊本市戸島町)。一昨年5月には、多品目のリサイクルを可能にした第2工場を総工費17億円かけ建設した
 21世紀に入り、温暖化をはじめとした環境問題は、地球規模の問題から地域社会における廃棄物処理に関する問題まで、さまざまな場面で取り上げられている。特に近年では、国策として廃棄物の抑制(Reduce)・再使用(Reuse)・再利用(Recycle)の「3R」の推進をテーマとし、「捨てる時代から活かす時代へ」、すなわち循環型社会の構築を早期実現する環境社会へと変革を遂げている。
 そんな時代の大きな変革に乗り遅れることなく、県内最大級のリサイクル施設を持つ有価物回収協業組合 石坂グループは日々、「ゼロエミッション」への挑戦を続けている。熊本の地で地域密着型企業として、廃棄物の再資源化と適正処理に取り組む同グループは現在、行政が建設したリサイクル施設の運営受託業務をはじめ、中間処理された資源物の買い取り業務に関しては、県内9市28町村と取引を継続。宇土市や上天草市、玉名市などでは地元の協力企業とともにリサイクル施設を建設し、昨年は、玉名市で建設業や運輸業などを営む丸光グループ(山田浩之社長)と共同出資で設立した葛ハ名リサイクルプラザで、同市山部田に再資源化中間処理施設を建設した。玉名市が許可した第1号の一般廃棄物処分場だ。さらに今後は、人吉や水俣など県南でも廃棄物の集荷から再資源化までを手がけるリサイクルセンター建設を計画しており、県内各エリアで同グループの事業基盤は、着々と築かれている。
 「行政、事業所、一般市民各位のご理解とご支援のおかげで、ここまで事業を継続することが出来た。今後も地域と一体となり、コンプライアンスを遵守し、リサイクル企業としての価値を創造する組織体でありたい」。石坂孝光理事長の言葉の中には、「ゼロエミッション」の実現に向けた同グループの熱い思いが込められている。
廃棄物の共同受注・販売へ 九州環境ネットワークを法人化
 2005年2月、九州沖縄地区の廃棄物処理業者およびリサイクル業者25社が集結し、「九州環境ネットワーク」が発足した。バイオマス燃料の購入窓口を一元化したいという九州の製紙メーカーのニーズを反映した形で発足し、昨年11月には新たに11社が加盟、葛繽B環境ネットワークとして法人化した。本社は石坂グループ内に置き、社長には同ネットワークの山崎正信会長(且R崎紙源センター社長)が、代表権をもつ専務には石坂理事長が就任。これまでは環境関連技術の提供や情報交換を主な活動としてきたが、法人化することで、加盟業者内で廃棄物の共同受注・販売を展開。相互の知識や情報を共有化し、リサイクルを促進する考えだ。古紙回収量は、年間ベースで九州地区の18%のシェアにあたる42万トンを、初年度売上高は7億〜10億円を見込んでいるという。なお、県内からは葛ハ名リサイクルプラザ(玉名市山部田)、居助清掃(宇土市馬之瀬町)、鞄V草リサイクルセンター(上天草市松島町)の3社が新規加盟した。
 「法人化することで、共同受注・購入・販売・融資などによるメリットは大きい。今後はさらに業者間で連携を蜜にし、事業規模の拡大につなげたい」と石坂理事長は話す。
熊本港ポートセールス協議会から感謝状の贈呈受ける
幸山政史熊本市長から熊本港における大口利用荷主企業として感謝状を受け取る石坂理事長(右)
 去る5月21日、石坂グループは、熊本港ポートセールス協議会から「大口利用荷主企業」として感謝状の贈呈を受けた。これは4年連続となる快挙だ。
 地域港の間で競争激化の中、同グループは主に古紙の取扱いで港を利用し、同港における荷の取り扱い増に貢献している。「地理的にみても、物流機能の中心である熊本港の国際コンテナ航路の発展に貢献していきたい」と石坂理事長。「地域に支えられてこそ、事業は継続できる」とする地域貢献活動は、同グループの存在感の大きさを物語っている。
「創業30周年の2009年は、大きく飛躍する年」
石坂グループとして初めて開いた「環境フォーラム」には行政関係者ら230人を動員した(=2007年10月19日)
 昨年10月19日、上益城郡益城町のグランメッセ熊本で開催した「環境フォーラム」。リサイクル業界の現状と展望を探り、自治体運営や企業活動に役立ててもらおうと初めて開いた。各業界のエキスパートによる基調講演ほか環境関連パネルの展示などを行った同フォーラムには、九州各県の行政関係者や県内外の環境ISO取得企業などから230人を動員した。
 環境フォーラムのほか地域住民への感謝祭、学校・各種団体を受け入れた工場見学・体験学習、地域における清掃活動‥・。これらのあらゆる取り組みは、石坂グループの企業価値を創造するものといえる。
 一昨年5月、本社隣接地に多品目のリサイクルを可能にした第2工場を総工費17億円かけ建設し、総合リサイクル企業として大きく前進。そして、創業30周年の2009年−「ビジネスを大きく飛躍させる年になる」と話す石坂理事長。来年に向けて準備を着々と進行する同グループが事業を継続していく21世紀において、「ゼロエミッション」の実現も、そう遠い未来ではなさそうだ。
企業DATA
[所在地] 〒861-8031熊本市戸島町2874
[TEL] 096-389-5501
[FAX] 096-389-5502
[資本金] 7千万円
[設立] 1979(昭和54)年5月
[事業内容] 古紙・再生資源の収集選別・加工処理、産業廃棄物処理業
[従業員] 209人
[URL] http://www..ishizaka.gr.jp/
[出先] 西部事業所(熊本市上代7-28-11)、大津事業所(菊池郡大津町杉水3746)
[関連企業] 泣Aイワ有価物処理企業、巨ホ坂商店、拠メ岡商店、牛ト生資源リサイクルセンター、巨ホ坂容器

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2008年7月1日発行分の掲載内容です。