トップ Companies くまもと経済EX 2009 県内トップの営業力と印刷技術が 業界シェアNO.1の扉を開く
くまもと経済EX 2009

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

■医療・医療関連・教育  ■飲食・サービス 
■金融・保険・卸・流通・小売  ■情報通信・ICT関連  ■電力・運輸・建設・不動産  ■製造・農業 
製造・農業
県内トップの営業力と印刷技術が 業界シェアNO.1の扉を開く
叶シ川印刷
創業56年、全国展開を遂げた販促パートナーへの道
 急激な経済環境の変化の中で、各業界がしのぎを削る昨今。印刷業界においてもそれは同様で、価格競争の激化で消耗戦の様相が強まり、本格的な淘汰の時代を迎えている。そんな中、県内トップレベルの営業力と印刷技術を誇る叶シ川印刷は、業界での生き残りと県内でのシェアNO.1へ向け、時代の流れに沿った顧客にとって魅力ある商品開発やサービス、企画制作に取り組んでいる。
 「これからの時代、業界でNO.1にならないと生き残れない。その体制づくりが急務だ。顧客の差別化を図るには、競合店との差別化で確固たる信頼を勝ち取る必要がある」と西川征次社長は会社の舵取りに力を注ぐ。
 同社は1953(昭和28)年に玉名郡菊水町で創業、2003年4月には熊本市に本社を移転し、半世紀を越えビジネスフィールドの上を走り続けている。同社の事業構成において他社の追随を許さないのが、新聞への折り込みチラシだ。同社ではデータをJANコード付きのメールでやり取りするシステムを構築し、全国的な受発注ネットワークをいち早く築いた。売り上げの約5割が東京や大阪、福岡を中心とした県外という。
 また、他社との差別化を図るための有効的な販促ツールとして好評なのが、7年前に約2億5千万円の設備投資で自社生産に乗り出した「圧着DM」や「スクラッチ」などの特殊加工品だ。客層や目的に合わせて選べるバラエティー豊かな「圧着DM」は、「開封率を高めるため、クライアントへ効果的な情報発信ができる。封筒DMのコストを削減した、まるごとDMも好評だ」と西川社長。DM制作から発送・投函の手続きも一貫生産体制を採っている。その他、顧客の携帯電話への割り引きやキャンペーン情報などを低コストでタイムリーに発信する「ケイタイサービスメール」など、紙媒体だけの広告宣伝にとどまらない、時流に乗った幅広い提案力のある“販促パートナー”として、業界で確固たる地位を築いている。


西川征次社長
にしかわ・せいじ/玉名郡菊水町出身。1944(昭和19)年8月5日生まれの64歳。立教大学経済学部卒業後、3年間のサラリーマン生活を経て、71(昭和46)年に西川印刷入社。昭和49年に社長就任。
フリーペーパー印刷の通販サイトを立ち上げ
 「24時間、眠らない工場」。この言葉が示すように、同社の工場は常にフル稼働状態で、小ロットから大量生産にまで対応できるさまざまな印刷設備を有している。2007年10月には総事業費7億円を投じ、「A横全判オフセット輪転印刷機」を導入。チラシ中心の営業体制から、冊子関係の受注へも本格的に乗り出した。その第1弾といえるのが、熊本日日新聞社が県北限定で発行する月刊生活情報誌「MON(もん)」の印刷受注。そして、昨年4月からは熊本市が発行する月刊広報誌「市政だより」の印刷を指名入札により受注するなど、民間のみならず、公共分野へもビジネスの枠を広げている。
 さらに今年1月には、社内にフリーペーパー印刷、情報誌・冊子印刷専門の通販サイト「フリーペーパー印刷通販社」を立ち上げた。完全データ入稿で印刷・製本までを行い、「A横全判オフセット輪転印刷機」や1分間に1千回転する超高速の「B2輪転」、表紙+8折までの中綴じ製本が可能な「中綴じ製本機」など、最新鋭の印刷設備をフルに活用し、高品質・ハイスピードで対応している。「8千冊〜10万冊のフリーペーパー印刷、情報誌・冊子にコストメリットを発揮する」と同社。時代の先を行くサイトが、西川印刷から誕生した。
チラシ・名刺・ハガキ印刷は、「プリントスタッフ」におまかせ!
 同社内には、印刷所に行かずにデザインから印刷・納品までを手掛ける「プリントスタッフ」があり、顧客から好評を得ている。小ロットの販促ツールを取り扱っており、個人での利用だけでなく名刺やカード、スタンプカード封筒、のぼり、ウェアプリントイベントグッズなど、店頭で役立つ小ロットの販促ツールを取り扱っている。「インターネットと電話を利用した通信販売形式での販売もしています」と同社。プリントスタッフでは、アイデア溢れる商品を幅広く紹介している。
個人情報保護と環境への取り組み
 西川印刷は2002年9月、県内の印刷会社として初めてプライバシーマーク(Pマーク)認証を取得、昨年には3度目の更新取得を終えた。同社は書面による管理、セキュリティルームによる管理、データ管理に加え、社内教育も徹底し個人情報を万全に保護する体制を整えている。
 一方、環境への取り組みとしては、昨年3月に本社および全営業所で環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001認証を取得し、グリーン購入を推進している。
数年ぶりに新卒採用を開始、今年4月に15人が入社
 同社の組織力を支えているのは、確かな印刷技術と顧客にとって最適な販促を提案する営業スタッフ。今年4月には数年ぶりに新規採用を始め、15人を採用。強い企業基盤で次の30年に向かう体制づくりは、着々と進んでいる。「積極性を持って粘り強く仕事に取り組み、コミュニケーション能力がある人材を求めている」と同社。来年4月にも同程度の採用を予定しているという。
「狙うは、業界シェアNO.1というポジションのみ」
 「人と人をつなぐ力」。西川印刷が目指しているのは、最低限のコストで最大限の利益を上げるという顧客にとって一番の喜びを“カタチ”にすることである。そのための販促パートナーとして、販促上の課題を明確にし、最適な改善策を提案している。紙媒体だけではなく、急速に普及するインターネットや携帯モバイルなどと連動し、より広がりのある広告展開を提案している。「今期はA横輪転機のフル稼働とさらなる営業を強化で、年商40億円の突破を目指す」。西川社長が力を込めるその言葉の先にあるのは、「業界シェアNO.1」というポジションのみだ。
企業DATA
[所在地] 〒861-5514 熊本市飛田2-12-116
[TEL] 096-352-1121
[FAX] 096-319-2134
[資本金] 4,300万円
[設立] 1974(昭和49)年9月
[事業内容] 総合印刷業
[年商] 35億2千万円
[代表者] 西川征次社長
[従業員] 163人
[URL] http://www.nishikawa-p.jp
[出先] 東京営業所、大阪営業所、福岡営業所、宮崎営業所

[採用情報]
現在、登録がありません。
※この記事内容は、くまもと経済EX:2009年7月1日発行分の掲載内容です。