熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

飲食・サービス

世界に出会いの輪。熊本ブランド味千５００店突破

重光産業㈱

「光の森」に新店舗。新商品も充実

　「光の森は飲食店の激戦区であるとともに、熊本の中でも元気のある地域のひとつ。負けないぐらいの元気ときめ細かなサービスで地域のお客様にかわいがっていただける店舗を目指したい」と話すのは「味千拉麺光の森店」の川上慎太郎店長。
　重光産業㈱（熊本市戸島町、重光克昭社長）が６月１７日に菊陽町光の森２丁目にオープンした同店は「ゆめタウン光の森店」にほど近い、県道住吉熊本線と同麻生田三里木線の交差点付近という好立地。周辺には同業種の店舗も乱立するが、２０代の川上店長を中心に若さあふれるスタッフには気合がみなぎる。店舗イメージには味千拉麺創業当時の、レトロなイメージを採用。店内には、どこか懐かしい雰囲気が漂い、家族連れでもゆっくり食事を楽しめる空間が広がっている。
　メニューには、「味千拉麺」や「パイクー麺」などの豊富なレギュラーラインナップのほかに、新発売の「つけ麺」や期間限定の「爆辛ラーメン」なども提供。関東などでは専門店ができるほどのブームが起きている「つけ麺」だが、味千の「つけ麺」は“濃厚ぶし系豚骨スープ”が特徴。麺も独自の自家製ちぢれ麺で、スープとの相性を高めているほか、トッピングには厚切り炙りチャーシュー、メンマ、半熟卵がつく。また、「爆辛ラーメン」は、昨年に引き続き９月までの期間限定商品。５段階の辛味を調節でき、昨年は多くの“辛党”に支持を得た。各月でキャンペーンを企画しており、８月は最高の５辛完食でギョーザ１皿無料券を、９月は同じく味千ラーメン１杯無料券プレゼントを予定。味千の「つけ麺」や「爆辛ラーメン」は、一部店舗を除く全国の「味千拉麺」で提供している。

“ファン作り”強化。堅実な出店目指す

　同社の国内戦略としては、既存店でのサービス向上の追及と足回りを固めた堅実な出店だ。今年２月の国内オーナー会議では、「お客様に選ばれる店舗づくり」をテーマに開催。重光社長は全国から集まった約１００人のオーナーらに「味千の看板を掲げる個々の店舗は、常に全国１０６店の中の１店であることを意識し、コア商品のブラッシングと店舗力向上に努めてほしい。１店舗１日１人のファンづくりを目指しましょう」と思いを伝えた。
　また、店舗展開に関しては３年を目処に最低１０店舗の直営店を新規出店したい考えで、今年は既に「光の森店」のほか、４月に福岡県行橋市の行橋駅南西側にある「ゆめタウン行橋」内に出店している。今後も商圏と立地をしっかりと分析した上で、都市圏を中心に全国を視野に入れ計画的に出店していく構えだ。また、直営店以外でも、５月には福岡市南区大橋に別ブランドの「味千食堂」をオープン。さらに、7月に大阪市中央区の複合商業施設に同地域3店鋪目となる新店舗をオープンするなど、着実に広がりをみせている。
　海外に関しては、依然中国を中心に着実に店舗を展開。中国以外でもタイに８号店やシンガポール１５号店などがオープンしており、世界の店舗数は５００件を突破した（うち国内１０６店）。
　また、シンガポールでは、味千拉麺を展開するジャパンフードホールディングス（高橋研一社長）が、２月２３日に同国の新興企業向け市場「カタリスト」に上場した。
　同社の高橋社長は神奈川県出身で、９７年から同国に味千拉麺を出店。現在１７店の味千拉麺を展開している。味千を展開する企業の上場は、０７年の香港の味千（中国）ＨＤ以来２例目。シンガポールでの上場に関して重光社長は「シンガポールはアジアで最大の多民族文化であり、そこで受け入れられるということは、さらに周辺国への出店に弾みがつくと考えられる。本部として今後もできる限りサポートしていきたい」と話した。今後もグアムや韓国への出店が予定されている。

企業DATA

[所在地]　〒861-8031　熊本市戸島町920-9熊本コスモ工業団地

[TEL]　096-389-7111

[FAX]　096-389-5410

[資本金]　1000万円

[設立]　1972年7月

[事業内容]　味千ラーメンチェーン展開ラーメンスープ・食堂用原材料の製造第２のブランドとして創業当時の味を再現した「拉麺劉」を第二空港線沿い、福岡のキャナルシティ内「ラーメンスタジアム」で運営。また、新業態のチャンポン専門店「千のちゃんぽん」を展開する。

[年商]　18億円

[URL]　http://www.aji1000.co.jp/

[関連企業]　国内・106店舗　海外・394店舗（09年6月現在）

[採用情報]

現在､登録がありません。

※この記事内容は、くまもと経済ＥＸ：2009年7月1日発行分の掲載内容です。