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くまもと経済EX 2010

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世界中の高品質の住宅素材を展示するギャラリー完成 新たな営業戦略で市場拡大
潟Gスケーホーム
高品質の住宅素材を展示するギャラリー完成
 本社を置く山鹿をはじめ、植木・玉名・荒尾地区を主力に、09年3月熊本市八王寺町にオープンした熊本南支店では宇城・八代・人吉など県南地域も広くカバーし、着実な成長を遂げている注文住宅施工・販売の潟Gスケーホーム(山鹿市鍋田、瀬口社長)。
 同社は今年7月、旧本社を改装し世界中の住宅素材を展示するギャラリーを完成させた。敷地面積900uの中に完成した木造の2階建て、延べ床面積326uのギャラリーには、イタリア・フェラーリ製のドア、ダイムラー・ベンツ社のチーフデザイナーがデザインを手掛けた洗面台、イタリア製・スペイン製のタイルなど、世界中の高品質の製品が今後、多く顔を揃える予定。「世界にはおもしろい素材がたくさんある。プロとしてお客様に伝えたい」と瀬口社長は今回のギャラリー建設への思いを語る。
 またギャラリーには、シアタールームを設け、3Dテレビを設置。ここではこれまで同社が手掛けてきた住宅施工例を立体的に顧客に紹介する。立体的に住宅を紹介することができるこのシステムは、展示場を造らず実際のイメージを施主に伝える瀬口社長の手法の一つでもある。手にとって見ることができるデジタルフォトフレームも設置し、ここでも住宅施工例について紹介する。8月中旬に一般公開を予定しているギャラリー。施工例から、新たな素材の紹介まで、多くの情報が詰まったギャラリーは多くの人で賑わう空間になることは間違いない。
 また、ギャラリーでは3カ月ごとに特集を設け、ピックアップした国の住宅素材などを一堂に紹介するという。どの国の特集を行うかはまだ検討中とのことだが、海外で人気の住宅素材を目の前で見ることができ、それを住宅に使用する−。施主だけの、かつ同社にしか提供できないオリジナル住宅を造ることができるという新たな強みがまた一つできた。
 「価格だけでの競争をしていてもだめ。これを使いたい、こんな家にしたいと思っていただけるような一つ上の住宅を提案したい」と瀬口社長。ギャラリーの完成を新たな営業戦略とし、他社との差別化を図る同社。「一つ上の住宅」の提供に努める同社にとってこのギャラリーの完成は大きな役割を果たすだろう。
「コーディネーター制」で施主に多くの情報を発信
 「家は3回建てないと納得できない」という言葉を知っているだろうか。しかし、同社は「一度で最高の家づくり」を実現している。その一つとして「コーディネーター制」という制度を適用している。施主は、住宅のプロでもなく自分自身の持っているイメージを伝えにくいもの。そこで、施主一人ひとりにコーディネーターを付け、イメージの具現化を行い実際のイメージを施工につなげていく。時間と手間を要するように見えるこのシステムだが、大手住宅メーカーには真似できない同社の強みでもある。「住宅のプロとしてお客さまには多くの情報を与えたい。最終的にはお客さまに選んでいただける住宅づくりを行いたい」と住宅への熱い思いを語る瀬口社長。地元の山鹿・植木地区では10年連続1位、荒尾・玉名地区で3位、大牟田地区で2位の着工棟数を確保する同社の勢いの秘訣はここにあるのではないか。
「企業は人」、採用活動に注力
 瀬口社長は「企業は人である」と採用活動、そして人材教育にも力を入れている。同社は06年度から始めた新卒採用はコンスタントに10人前後を採用。09年度は9人、10年度は9人、そして11年度も10人前後の採用が決定している。今年1月に、旧本社から北に約100m離れたJA鹿本川辺支所跡地に本社を移転したのも今後の人員増を視野に入れての移転だ。「大手企業に追いつくためにも人材採用は命がけでやっていきたい」と瀬口社長は人材採用の重要性について語る。上場企業を目指す同社は人材採用にも抜け目がない。
 また同社はこのほど、社員のモチベーションをあげるため、新たな退職金制度である401Kを導入。退職一時金、慰労金の制度に加え同制度を導入した。これも「社員には退職後にもゆとりを持った生活を送ってほしい」という瀬口社長の思いからだ。同制度は企業が掛け金を支払うため従業員は掛け金を支払う必要がなく、給付を受ける時も税制上の優遇措置があるので、個人が自分で資産を積み立てるよりも有利になる。また、年金資産が個別に管理されるのが最大の特徴で、自身の持ち分が明確になるため転職した際には前勤務先の資産残高を持運べるという。「働く社員のモチベーションを上げるためにもこのようなシステムの導入が必要だ」と社内環境の充実を図る同社。これも社内で社員の明るい声が飛び交う理由の一つであろう。
「素質ある人材を入れる」 「やる気を持って仕事ができる環境づくり」 「優秀な人材が自由に働ける環境づくり」
 これら3つを主な経営ポイントとしている同社。福利厚生に、人材教育に−。瀬口社長は、社員が「楽しくできる仕事」をモットーに社内環境の提供に努めている。
 「次は福岡県内などへの支店開設」。瀬口社長は次なる目標を打ち出している。来年には、久留米市か鳥栖市に支店を開設予定で、支店開設で更なるエリア拡大につながることは間違いない。上場企業を目指し「全国区企業」という大きな夢に近づいている同社。その動向に今後も目が離せない。
profile
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瀬口力 社長
せぐち・ちから/山鹿市鍋田出身、1973(昭和48)年12月14日生まれの36歳。鹿本高校−熊本大学法学部卒、熊本大学大学院法学研究科修了。同院在学中の1999(平成11)年、叶」口工務店に入社し、翌年、代表取締役社長に就任。趣味は「アイデアの素」となる読書と月3〜4回のゴルフ。クラブの一本一本へのこだわりを持つ
企業DATA
[所在地] 〒861-0541 山鹿市鍋田192-1
[TEL] 0968-44-3559
[FAX] 0968-43-8804
[資本金] 4500万円
[設立] 創業:1975(昭和50)年5月
[事業内容] 注文住宅施工・販売
[年商] 20億円(グループ合計)
[URL] http://www.sk-home.com
[出先] 営業エリア:熊本県北部(山鹿・植木、荒尾・玉名、菊池)、熊本都市圏、熊本県南部(宇城、天草、八代、人吉)、佐賀県、福岡県南部(久留米、大牟田ほか)
[関連企業] 潟Gスケー不動産

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2010年7月1日発行分の掲載内容です。