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くまもと経済EX 2010

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グループ力と道路舗装・維持補修の ASRR(アスル)工法で新たな未来を創造
葛繻嘯ネどの九建グループ
特長生かした4社でグループ形成
 母体となる葛繻噤i熊本市植木町、新永隆一社長)を核に、4社で九建グループを形成。各社でテーマを掲げ、社会のニーズに対応した企業活動を展開している。
 葛繻嘯ヘ1974年に設立。「常に情報を収集し、いま求められているものを確実にカタチにしていく」ことをモットーに、一般土木、各種杭、上下水道、解体、防水、橋梁補修、とび土木、建築、舗装、水道施設工事と建設業として幅広い業務をこなす。特に、公共工事、住宅や工業団地の造成工事、災害復旧工事、建築外構工事などでは長年の実績を持つ。そのほか、これからの主力になる環境に配慮しコスト削減を実現したアスファルト舗装・維持補修の新工法「ASRR(アスル)工法」のアスルユニット製造販売も受け持つほか、協会を設立し全国から会員を募集している。この九建を核に、それぞれに特化した業務を受け持つのが他の3社だ。
 葛繻囁麹開発では九州全域をエリアに持ち、特殊な基礎工事を担う。同社の掲げるテーマ「時代に果敢に挑戦するフラッシュパワーで複雑高度なニーズに自在に応える」が現しているように、まさに建築物の要となる基礎工程をしっかりとフォローする。難易度の高い工事にも対応できるよう、パイルドライバ、前周回転掘削機、クローラクレーン、バックホウ、オーガーマシン、油圧ハンマー、パワーケーシングジャッキなど、以下多彩な機械・機材を保有。現場ニーズにしっかりと応えている。
 また、葛繻嚔^送では「工事に不可欠な機動力は環境づくりを総合的にとらえる視点から生まれる」とし、その理念を実現すべく日々の業務にあたっている。土木工事や基礎工事で必ず必要とされる機材類だが、中には杭打機やコンクリートパイルなどのように最重量級のものも含まれる。それらを安全確実に現場に届ける技術を有することから、九州一円から依頼を受け走り回っている。そして許「来樹では燃料販売のほか、アスルユニットのレンタルやリースなどを行う。このように各社それぞれの持ち味を発揮し、厳しい時代を生き抜くグループ力を生み出している。
アスファルトのリデュース(廃棄物の発生抑制)・リユース(再使用)で新たな道路舗装・維持補修
 私たちの日常の生活や経済活動を円滑に行う上で安全な道路の整備は不可欠。しかし、国や自治体は財政的な面から、そこに潤沢な予算を掛けられない実情があり、道路は維持保守管理の時代になってきている。一方、二酸化炭素排出量の問題に代表される環境問題もクローズアップされる昨今。あらゆる方面で改善に向けた努力が求められている。そうした時代の要請に、土木の分野で応え開発されたのがASRR(アスファルト・リデュース・リユース)工法だ。
 長年の経験とノウハウを生かし、数年前に九建の新永社長が考案。同社がコア企業となり経済産業省新連携支援事業として推進している。ASRR工法は、痛んだ道路のアスファルトを剥ぎ取り、現場で100%再生して利用するというもの。廃アスファルトを加熱し再生する溶融炉などで構成するASRRユニットを工事現場まで牽引するだけで可能だ。通常は、アスファルトプラントで製造されたものを購入し現場へ配送。剥ぎ取った古いアスファルトは産業廃棄物として処理されている。この一連の流れを省けるため、その分の必要経費はカットできる。当然二酸化炭素の削減、産業廃棄物ゼロにもなり環境に配慮した工法といえる。
国や県の新技術・新工法として認可
 これまで廃棄していたアスファルトを、現場で再生利用するという新しい発想で生まれたASRR工法は、07年に県土木部新技術・新工法活用システムで活用促進工法の認定を受けた。また、昨年は国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録。NETISとは、同省が管理する公共工事に活用できる技術のデータベースで、登録には一定の審査をパスする必要がある。情報は、国や地方公共団体、施工業者などに紹介される。こうした動きの中、注目度も着実に増してきており、前年度は全国で22件を施工。県内は9件で、そのほか高知県で8件、佐賀県で2件、沖縄県で2件など県外でのニーズも高いほか、海外からの問合せも寄せられる。今年3月には沖縄県にユニット販売の代理店がオープンしたほか、長崎県、高知県、広島県、島根県などでは各県で受注・施工するエリア会員の登録も予定している。同工法に向けられる熱視線は自治体ばかりに限らず、道路の掘削、埋設を必要とする民間企業などからも関心が集まっている。
効率的な道路修繕計画のためのサポートシステム
 また、同工法と合わせて道路の維持、補修に関する事前調査や工事履歴などの情報をテータベース化して効率的に道路維持管理業務を行うことを目的とした「道路管理サポートシステム」を学術機関などと共同開発。道路パトロール情報や補修履歴、住民からの情報の収集管理ができるので、補修計画から立案、工事発注、工事完了後の管理まで一貫して行える同システムは、ASRR工法との併用でより効率的な管理ができると提案している。
 環境保護、コストカットを実現するASRR工法は、まさに時流に乗り今後スタンダードな工法として全国の工事現場で広く活用されていくに違いない。
profile
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新永隆一 社長
しんなが・りゅういち/熊本市植木町出身、1963(昭和38)年生まれ、47歳。専修大学法学部卒。90年から葛繻嚴ミ長に就任しグループ企業も含めた事業を推進。現在はASRR工法の全国展開へ向けたプレゼンなどで県内外を飛び回る
企業DATA
[所在地] 〒861-0136 熊本市植木町岩野1375
[TEL] 096-272-4575
[FAX] 096-272-4567
[資本金] 5,000万円
[設立] 昭和49年1月
[事業内容] 一般土木、各種杭、上下水道、解体、防水、橋梁補修、とび土木、建築、舗装、水道施設工事 環境事業(ASRR)
[年商] 20億円(グループ計)
[代表者] 新永隆一
[従業員] 約100人(グループ計)
[URL] http://www.kyuken.jp
[関連企業] 葛繻囁麹開発、葛繻嚔^送、許「来樹

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2010年7月1日発行分の掲載内容です。