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くまもと経済EX 2010

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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地域密着型のアミューズメントサービスを通じ 豊かな社会と価値ある人材育成を目指す
河合興産
堅実性を受け継ぎながらも“攻め”の経営を
 アミューズメント業界を取り巻く環境は、スロット人気機種の完全撤去はじめ、大手チェーン店の地方参入による競争環境の激化、長引く不況、そして改正貸金業法など、ホール経営にとっても非常に厳しい逆風が吹き荒れている。
 「環境の変化に最も適応する者だけが生き残る」とういうダーウィンの進化論に基づけば、業界においても、“パチンコ屋”から“企業”に変革できた会社だけが生き残るサバイバル戦へと突入している。
 1968年宇城市小川町で創業、サンライトの屋号で阿蘇市に内牧店、上天草市に大矢野店、八代市に鏡店、八代郡に宮原店、宇城市に小川店と遊技場を展開する河合興産梶i熊本市水道町)。逆風下にさらされる業界にあって4期連続の大幅増益を記録するなど、安定した経営軌道を確保している。昨年7月下旬には社長に江村徹副社長が昇格、「逆風の今こそ大きなビジネスチャンス」と新しい経営ビジョンを掲げている。
 前任の河合忠男社長の経営方針について江村新社長は「投下資本を抑えたローコストの店舗展開で高い還元率を実現しエンドユーザーからの信頼を得、安定した経営軌道を確保してきました。結果として郊外への店舗展開が当社の出店戦略と言えるでしょう」とその堅実性を受け継ぎながらも“攻め”の展開も睨んだ経営を心掛けるという。
4期連続の大幅増益を記録
 今年5月期決算では、逆風下にもかかわらず前年比で売上高100%、経常利益42%増を記録した。直近の4カ年でも09年度が前年比で売上高100%、経常利益56%増、08年度が前年比で売上高10%増、経常利益45%増、07年度には前年比売上高100%、経常利益では大幅増益の22倍をマークしている。好決算の要因としては「幹部の配置転換、外部からの人材招聘など組織に刺激を与え人事面での活性化を図った点が大きい」としながら「1円パチンコの導入も功を奏した」という。
 1円パチンコは、通常、貸玉営業での集客の弱い店舗の起死回生策として導入されるケースが多いが、同社では、遊技環境動向を考慮した積極的な営業施策として導入した。通常貸玉(4円パチンコ)では新台のほか射幸性の高い機種に支持が集まるが、低貸玉営業では高確立、高ベースの機種や個性的なモチーフを採用している機種などの支持が高い。新規顧客の開拓やスリープユーザーの復活が期待できるわけだ。結果として新台入替などの設備投資コストやそのための広告コストも圧縮でき、それが好決算へ繋がっている。
積極採用を展開、人を育て、人をつくる企業に
 今夏には「河合興産は地域密着型のアミューズメントサービスを通じて、笑顔溢れる豊かな社会づくりと価値ある人材育成を目指します」と明確な経営理念を打ち出している。企業市民としての地域社会との共生と共に環境保全への取組みも重要課題として掲げた。そしてなにより重要視しているのが人材育成だ。
 「競争に勝ち残るにも、品格ある企業体を築くにも、人材が全てです。いかに有能な人材集団を組織し機能させていくかに掛っている」と人材育成が「企業化」への必須条件だと言い切る。
 昨年には“人財開発部”を設け、徹底した研修教育により人材育成に取組んでいる。特に「意欲を育む」、「チャンスを与える」、「教育プログラムの実施」の3つの取組みを実践。人と組織の成長の相互作用により地域に責任ある企業として持続可能な態勢を築いていく。さらに“強い組織”の条件として「柔軟性」「機動性」、「ユニークな発想やサービスの創出」、「組織のフラット化による迅速な意思決定」などを掲げ、これを目指していく方針だ。
 今年4月には6名が入社、来春にも10名ほどを採用する予定で、今後は事業規模の拡大化に合わせ積極的な採用活動を展開していく。
年内に福岡県南部地区に新規出店
 今後の店舗展開に関しては「エリアは特定せず、出てきた物件が適地であれば出店する。業界の優勝劣敗の中で淘汰される業者、店舗の効率的な買収も含めて検討する」という基本スタンスであったが、「現在、ほぼ用地を絞り、出店の準備を進めている」と福岡県南部地区への出店計画を明らかにした。年内には同社の新戦略に基づいた新規店が県外に誕生する予定だ。
 県内での業界の新規店の出店は年に1、2店舗と、その出店マインドは一気に冷え込んでおり、各社の現状は防戦一方。「逆風の今こそ大きなチャンス」とそのアゲンストの中で“攻め”の戦略が執れるのも、経営基盤の健全性と江村社長の人材育成への並々ならぬ意欲と将来性への自信の現れと言えよう。
profile
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江村徹 社長
えむら・とおる/北九州市小倉北区出身、1966年生まれの44歳。福岡大学経済学部卒。会計事務所勤務後、遊技場経営の潟Jナヤマ(本社・宮崎市)入社、取締役、常務取締役を歴任。2006年10月に河合興産鰍ノ取締役副社長として入社、08年6月から代表取締役副社長。09年7月から代表取締役社長就任。河合忠男会長の甥。趣味はゴルフ。
企業DATA
[所在地] 〒860-0844 熊本市水道町4番32号
[TEL] 096-359-0053
[FAX] 096-359-5315
[資本金] 1000万円
[設立] 1975年2月
[事業内容] 遊技場経営
[URL] http://www.sunlight-group.jp
[出先] [店舗数] 5店舗

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2010年7月1日発行分の掲載内容です。