トップ Companies くまもと経済EX 2006 本物・健康・安全をキーワードに 世界で認められる製品造りを追求
くまもと経済EX 2006

熊本の明日を拓く未来創造企業 100の戦略

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製造・農業
本物・健康・安全をキーワードに 世界で認められる製品造りを追求
活「蘇ナチュラル・Jファーム
森 光臣社長
 大量生産による価格競争が激化する現代、ものづくりに携わる企業への信頼が求められている。阿蘇ナチュラル・Jファーム(熊本県阿蘇郡南阿蘇村、森光臣社長)は、雄大な阿蘇の大自然をベースにドイツの伝統的製法を取り入れた本格ハム・ソーセージ・ベーコン造りに取り組んでいる。本物の味を求める消費者の思いを確実にとらえた同社シリーズ商品「阿蘇の逸品」「阿蘇の森」は、熊本と福岡の百貨店を通じ多くの人たちに認められ、独自のブランド力を確立している。
 同社は1987年に創業を開始、森光臣社長中心に技術習得・向上に力を注いだ創業当時。2002年3月熊本県南阿蘇村に本社工場の稼動を開始、同年4月には本社隣に直営レストラン「バイエルン」オープンした。続いて05年11月、熊本県庁東門通りに2店舗目となるドイツ料理を中心とした西洋料理及び和牛ステーキ専門店「ゲルマンハウス」をオープン。設立20周年を迎え、今後も厳選された素材を使い品質重視で食の原点を研究し続けている。
自然の力を おいしさにかえる
熊本にいてドイツを思わせる本社工場(設計・施工:樺|中工務店九州支店)
 「食の里帰り」をコンセプトに厳選された原材料と伝統的製法を採用し、本物の味と品質を追い続けている同社、有機農法・無農薬・無添加にこだわり、食の原点である本物・健康・安全をキーワードに食品づくりに取り組んできた。その熱意は細心の注意を払い、素材の選定から出荷工程、口へと運ばれるまでを考慮した食づくりとして確立している。
 原料にはハーブ(オレガノ、ジンジャー、ナツメグ、シナモンなど)を配
合した専用飼料で飼育されたハーブ豚の肉を使用。肉の臭みがなく、あっさりとした柔らかい肉質で鮮度が長持ちするといった点が特徴。製造工程で使用する水には原始活性水パイロゲン(FFCテクノロジー)を用いており、まろやかな味と鮮度持続を可能にしている。
 素材、水、製法にこだわる社長、「良いものを作るため大量生産は不可能」と話す。品質レベルを保つため多くの取引希望があるにもかかわらず、設備増設は打ち止めている。従業員数も25人に抑え、顔と顔の見える教育で世界に通用する人材育成にも力を入れている。近い将来、社員数名をドイツに派遣し、マイスター(ドイツ食肉加工における最高資格)取得を目指している。阿蘇という自然と向き合える環境の中で本物を追い続ける職人集団の研究開発への挑戦は続いている。
伝統的製法を考えた 工場設備
直下式スモーク室から出る白い煙
県庁東門入口沿いにオープンした「ゲルマンハウス」(設計・施工:樺|中工務店九州支店/内装:PERBERSCHLAGER社・オーストリア)
 南阿蘇村に位置する本社工場ではガラス越しに一つ一つ手造りで加工を行う製造工程を見学できる。「添加物や保存料など見られては困る材料は一切使用していません、すべてお見せできます」と自信を持って食品づくりに取り組む同社の姿勢をうかがうことができる。工場内部はドイツから特別に取り寄せた製造機械類、大型の自動式スモークハウスが備えられている。また、手間と時間をかけた伝統的製法にこだわりを持ち、直火式のスモークハウスを工場隣に建設。従業員が丹念に天日干した桜材の原木チップを使用し、長時間白い煙で燻すことにより天然の防腐効果と濃厚な香りを最大限に引き出すことができる。
 こうして造られたハム、ソーセージ、ベーコンを使った料理を工場奥に
ある直営レストラン「バイエルン」で味わうことができる。材料、製法への
気配り、手間と時間をかけて作り出された限りなく自然のままに近い表現を同工場では感じることができる。また、昨年11月には直営レストラン「ゲルマンハウス」がオープン、近代的ドイツの高級感、味と雰囲気と共に熊本市中心地で阿蘇ナチュラル・Jファームの味を楽しむことが可能になった。
 両直営レストランは、熊本にいながらドイツ文化の雰囲気と一緒に本格ドイツの食を味わえる数少ない場所。同社の人間にとって深い豊かさを与えられる「食」へのこだわりが工場設備からレストランのテーブルまで味わうことができる。
注目を集めるドイツ文化と料理、世界が認める味への挑戦
店頭に並ぶ同社製品の数々
 2005年/06年に迎えた「日本におけるドイツ年」、全国で1600件以上の関連行事が開催され、ドイツのライフスタイル、観光、ワイン、ビール、食への関心は急速に高まりを見せている。今年6月から開幕したサッカーワールドカップでは多くの日本人が同地を訪れ、ドイツ文化や料理を楽しみ、今後も興味・関心は増していくと予想される。 阿蘇ナチュラル・Jファームでは、そのドイツで毎年開催されるズーファ(ZUFFA)国際食肉加工コンテストに出場。同社全従業員のこだわりが結果へとつながり2000年の初参加以来連続して金賞を含む各賞を受賞し続けている。名実共に世界から認められる味と品質を証明され、最前線を進んでいる。05年大会では、18品目をエントリーし、合計18(金9、銀4、銅5)個を受賞。同社は今後も品質管理・味へのこだわりを持って食品づくりへの確かな歩みを刻んでいくに違いない。

 ※「ズーファ」はドイツ食肉加工協会が主催する世界で最も権威のある国際コンテスト。「ソーセージ類」「ハム・ベーコン類」の部門に分かれており、約1700点の製品が毎年出品されている。審査は200人以上の審査員が味、香り、食感など200項目にわたり減点方式で審査。満点のみが受賞できる
「金」は、本場ドイツの食肉加工業界でも困難を要するという。
企業DATA
[所在地] 阿蘇本社工場:阿蘇郡南阿蘇村河陽5580-13
[TEL] 0967-67-4186
[FAX] 0967-67-3132
[設立] 創業: 1987年10月
[事業内容] 食肉加工製品の製造販売及び飲食レストラン業
[年商] 5億円
[従業員] 25人
[URL] http://www.aso-njf.jp
[E-Mail] aso-natural.j@aioros.ocn.ne.jp
[出先] 直営レストラン「バイエルン」(熊本県阿蘇郡南阿蘇村、本社工場隣)・直営レストラン「ゲルマンハウス」(熊本県水前寺6丁目、県庁東門入口そば)・くまもと阪神(B1食品総菜コーナー)・福岡・天神岩田屋(本館B1食品ハムコーナー)・小倉伊勢丹(B1マーケットハムコーナー)・岩田屋久留米店(B1ハムコーナー)・福岡・天神大丸(東館地下2階ハムコーナー)

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。