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製造・農業

海外拠点が業績好調、日本発の技術を海外に広げ世界が認める「グローバル企業」へ

合志技研工業株式会社

二輪市場の減退が続く国内。
一方、海外の3生産拠点は現地の増産に対応しフル稼働状態で、
グループ売上高の約8割を占めている。今後は国内発の技術を海外へ広げ、
さらなる「グローバル企業」を目指していく構えだ。

　本田技研工業の熊本進出に合わせ、1974年に誕生した二輪・四輪車部品製造の合志技研工業。今日に至る37年の歴史の中で、国内に3拠点、海外に3拠点を展開し、従業員は全体で3200人を誇るなど「熊本の合志技研」から「世界の合志技研」へと成長を遂げてきた。特に長年培ってきた独自の生産技術力は、国内はもとより世界から認められ、今や熊本を代表するグローバル企業といっても過言ではないだろう。

海外3拠点はフル稼働、グループ売上の８割占める

　タイ・ベトナム・インドの3カ所に生産子会社を持つ同社。近年はホンダの現地法人による増産に対応し、工場はフル稼働が続いている。今年度中には3拠点へ合計約20億円を投資し、生産設備を増強する計画だ。「タイやベトナムなど新興国では二輪市場が急速に拡大しており、部品の現地調達が顕著になっている」。山田社長はこう説明する。拠点別に見ると、海外売上の約6割を占めるタイの生産子会社では、二輪部品製造の工場に10億円を投じ、プレスや溶接、塗装関係の生産設備を増強するほか、四輪向けの塗装設備も導入。ベトナムの生産子会社では、二輪部品製造の工場に5億円を投じ、金型や溶接関係の設備を増強。新車種の生産拡大に対応し、10月から稼動させる。また、インドの生産子会社では、二輪部品製造の既存工場に3300㎡の建屋を増設し、溶接関係の設備を入れる。来年1月に完成、2月から稼動する。山田社長は「グループ全体でこれからの事業展開を考えた場合、海外3子会社を重要拠点とし、グループ全体の売上増につなげたい。当面、海外は増産基調が続くだろう」と見ている。

二輪・四輪に続く新規事業も

　本社を含めた国内に関しては当面、事業の見直しや再構築を進め、老朽化した設備の効率化や四輪部品へのシフトを色濃くする方針だ。山田社長は「国内における二輪販売の伸び悩みから二輪市場は大変、厳しい状態が続いており、今後は四輪部品という新しい市場を開拓していく」とする。また、二輪・四輪含めた大型ニューモデルや大型二輪部品、新規四輪部品なども積極的に受注していく姿勢だ。さらに今夏までには新規事業をスタートさせる計画で、二輪・四輪やその他にも対応できるアルミ関係の新技術を実用化させる。「当社で培ってきた技術を応用する形で、開発を進めてきた。将来的には二輪・四輪・新規事業の比率を同等程度にしていければ」と将来の姿を語る。

「人材・技術はあくまで日本発」

　今期売上高は前期の430億円に対し、460億円を見込む同社。今期も引き続き、海外業績がグループ全体を牽引していくことになるのは明らかだが、「各海外の拠点を支える人材・技術はあくまで日本の合志技研発。今後、グループ全体が発展していくには熊本の本社の存在は必要不可欠だ」と山田社長が話すように、さらなるグローバル企業としてグループ全体が業績を伸ばしていくには、合志技研本社が「技術開発」の拠点であることは間違いない。

profile
山田敏雄社長
やまだ・としお／久留米市出身。1951年5月8日生まれの60歳。久留米工業高等専門学校卒。72年本田技研工業㈱入社。浜松製作所、ホンダメキシコ、熊本製作所を経てホンダイタリア工場長。04年八千代工業㈱入社、取締役部品部長。05年4月ユーエスヤチヨインコーポレーテッド社長。同年５月ヤチヨオブアメリカインコーポレーテッド社長。06年6月八千代工業常務。08年6月合志技研工業社長

企業DATA

[所在地]　〒861-1115　合志市豊岡1280

[TEL]　096-248-2431

[FAX]　096-248-3931

[資本金]　5億円

[設立]　1974(昭和49)年11月

[事業内容]　二輪・四輪車部品の製造

[年商]　430億円

[従業員]　3200人（グループ全体）

[URL]　http://www.goshigiken.com

[出先]　［子会社］【国内】㈱ウエムラテック(球磨郡あさぎり町上南777)、㈱ゴウシテック(合志市栄町3791-1)　【国外】SGM(=サイアムゴウシマニュファクチャリング・タイ)、GTA(=ゴウシタンロンオートパーツ・ベトナム)、GIA(=ゴウシインディアオートパーツ・インド)

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※この記事内容は、くまもと経済ＥＸ：2011年7月1日発行分の掲載内容です。