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製造・農業

業種転換元年。 LEDと熊大Mg武器に世界の金属サプライヤーへ

不二ライトメタル株式会社

2009年、LED事業に参入した
アルミニウム加工メーカーの不二ライトメタル㈱。
同社は02年から研究を進める熊大Mgと併せ
独自の技術で製作した新商品を全国へと展開していく。

最先端技術を駆使したLED導光板式照明、看板、サイン

　不二ライトメタル㈱は現在、｢LED導光板｣を用いた照明や看板、サインなどを製作している。
　研究を数多く重ねることで性能も向上し、全国の商業施設や企業、自治体などへの施工率が好調。顧客からも｢明るく、長持ちし、費用も掛からない｣と評判を得ている。この導光板はLEDの特徴を最大限に引き出した四角形のパネル状のアクリル板。アルミ製の枠にLEDを多数組み込み、枠に取り付けたアクリル板に光を側面から均一に伝える。形状や表面のデザインは自由にオーダーできるので、照明器具やテーブル、飾り板などへと用途も多彩だ。軽量で薄型なので、場所も取らない。
　５月にはこれに太陽光発電パネル、蓄電池を組み合わせ街路灯を開発。同パネルで電力を造り出し、持久力があるLEDを使用することで、設置後は電気代が一切掛からないという。
　前畑社長は｢弊社のアルミ加工技術を生かせる上、環境保全にも貢献できる。社会の環境意識の向上から、需要も期待できる。２０１１年度は売り上げ目標を４億円に、１４年度には１５億円を目指す｣と確かな感触を元に意欲を見せ、ＬＥＤ事業を本格化させる構えだ。

「熊大Mｇ」事業が遂に本格始動

　さらに同社では、もう一つの新素材として次世代合金｢KUMADAIマグネシウム合金（熊大Mｇ）｣に着目。８年間、商品化と事業化に向け熊本県、熊本大学と共同で研究を行ってきた。
　１０年は同合金の、軽量で耐熱性や強度に優れているという特徴を生かし子ども用の肢装具を開発。ランニングテストでは、使用者に｢軽くて頑丈｣と大好評だ。この新素材に対する加工技術習得と特性を生かした商品開発が評価され、熊本県工業大賞を受賞した。
　前畑社長は｢世界に類を見ない高強度なマグネシウム。商品開発を進めることで、熊本の素材を全国へ発信したい。新商品に関しては各業界の企業とコラボレーションし、さまざまな分野で活用できる製品を造っていく｣と説明する。
　現在は肢装具のほか、パイプいすや医療機関向けに介護用具などを開発しており、産学官連携の研究終了と商品の量産化を見据えて敷地内に熊大Mｇの試作品製造工場建設を計画している。投資額は１０億円に昇る。
　これは長洲町と工場建設に関する立地協定を結んで行うもので、床面積は５００㎡ほど。工場内には製造ラインとして同合金を溶解、鋳造、切削、切断する設備やマシニングセンタなどを設置するほか、今後の需要をにらみ銅の加工ラインも設ける。熊本大学にあるコア研究室の機能に加え最新設備を取り入れていく方針で、年度内の稼働を目指す。
　また、次世代の製造現場を担う人材の育成や新卒採用に力を注入。県が行う就職セミナーにも何度もブースを出展しているほか、１１年度からは新規事業の強化に伴い、例年に加え熊大Ｍｇ部門で約１５人、３年以内にＬＥＤ部門と合わせ約３０～５０人の新規雇用を予定。若者の雇用の場を創出し、ものづくりを通し地域に貢献していく。

企業DATA

[所在地]　〒869-0192　熊本県玉名郡長洲町長洲2168

[TEL]　0968-78-2111

[FAX]　0968-78-2586

[資本金]　20億90万円

[設立]　1969年10月

[事業内容]　○アルミニウム製品の製造、加工、販売　○ＬＥＤ導光板を使用した看板や照明の製作　○ＫＵＭＡＤＡＩマグネシウム合金を使用した製品の製造

[代表者]　前畑政富

[従業員]　853人

[URL]　http://www.fuji-lm.co.jp/

[出先]　東日本事業部（千葉県市原市）、東京支店（東京都中央区）、大阪支店（大阪市中央区）

[採用情報]

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※この記事内容は、くまもと経済ＥＸ：2011年7月1日発行分の掲載内容です。