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熊本に開発拠点を集約 ホンダの技術と環境思想を結集した CIGS薄膜太陽電池を熊本から全国へ
株式会社ホンダソルテック
薄膜系太陽電池を製造・販売する潟zンダソルテック。
今年4月には熊本の本社・工場に開発センターを新設し、
研究・開発-量産-販売までを一貫して手掛ける体制を整えた。
同社は、熊本を拠点に全国、世界へ新たなチャレンジを続けていく。
「非シリコン系」薄膜太陽電池を製造
 2006(平成18)年12月、本田技研工業鰍フ100%出資子会社として同社熊本製作所(大津町平川)内に設立された太陽光発電システムの製造・販売を手掛ける潟zンダソルテック(数佐明男社長)。今年で開設5周年を迎えた。
 Hondaの技術と環境思想を結集した同社の太陽電池は、「非シリコン系」の次世代型の薄型太陽電池。銅-インジウム-ガリウム-セレン(CIGS)の4つの金属化合物を素材に用いた薄膜系の太陽電池で、従来の結晶シリコン系太陽電池と比較して、製造過程での消費エネルギーを約半分に抑え、CO2排出量を低減、環境負荷が少ないのが特徴だ。
熊本・本社工場に開発センター新設
 同社では今年4月、熊本本社・工場内に開発センターを新設。研究開発機能を充実させ、熊本の地で、研究・開発-量産-販売までを一貫して担当する体制を構築した。
 技術系の開発はこれまで、ホンダエンジニアリング梶i栃木県)が担ってきたが、同社の研究棟が東日本大震災の被害を受けたこともあり、太陽電池関係の開発を担当していたスタッフを数十人規模で新設した熊本の開発センターに集約。ホンダソルテックが自社で採用してきた研究開発のスタッフと共同で、技術開発を進めていく体制を整えた。
全国250店舗の国内販売店網を確立
 個人住宅を主な対象に販売を進めている同社の太陽光発電システム。現在の販売は国内市場が中心だ。これまで、約250店舗まで国内販売店網を拡充、国内での販売体制をさらに強化していく考えだ。
 同社では、全国各地域の工務店、ハウスビルダーなどと販売店契約を締結。豪雪地域や塩害地域に対応した製品も開発しており、沖縄、東北、北海道などの地域でも販売網を整備している。販売店網の拡大に合わせ生産体制も強化。昨年度は年産27.5メガワット、一般家庭9千戸分に相当するフル生産体制への移行を実現した。
 全国に広がりを見せつつある同社の太陽電池。これまで、阪神甲子園球場(兵庫県)などにもパネルを設置しているほか、県内では、熊本駅前の熊本市東A地区再開発ビル(熊本タワー)やリニューアルが進む阿蘇くまもと空港にも同社製のパネルが設置される予定となっている。
発電効率13.0%台、世界最高水準のCIGS薄膜太陽電池へ
 同社では現在、製造する太陽電池の性能アップ、新製品開発のため、設備増強を進めている。設備の増強は、今年度中に完了する計画。新型の製造装置を導入するなどして現行モデルの発電効率を11.6%から13.0%以上に引き上げるほか、パネルの設置効率を高める新設計の太陽電池モジュールの開発にも着手しており、年度内の市場投下を予定している。設備増強による性能アップで、同社の太陽電池の発電効率は世界トップ水準まで引き上げることができるという。
Hondaの環境事業のリーダー
 夢を原動力に常にチャレンジを繰り返してきたHonda。ホンダソルテックは、自動車メーカーとしては世界で初めてとなる太陽電池事業への参入を目指して設立された企業だ。今後ますます拡大が期待される太陽光発電の普及の一翼を担うとともに、Hondaグループの先進ビジネス=環境事業のリーダーとして、また、世界中の顧客に満足を提供出来る新価値商品をタイムリーに提供できる企業として、熊本の地を拠点に、これからも新たなチャレンジを積極的に展開していく。
企業DATA
[所在地] 〒869-1231 熊本県菊池郡大津町大字平川2042
[TEL] 096-294-0355
[FAX] 096-294-0380
[資本金] 40億円
[設立] 2006(平成18)年12月1日
[事業内容] 太陽光発電システムの製造・販売
[URL] http://www.honda.co.jp/soltec

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2011年7月1日発行分の掲載内容です。