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くまもと経済EX 2011

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本社・植木の2拠点体制で 工場はフル稼働、「設備先行」で 地場印刷業トップを走る
株式会社 西川印刷
昨年10月、熊本市植木町に工場が完成し
「本社・植木」2拠点の印刷体制が出来上がった。
各社がしのぎを削る印刷業界だが、県内トップレベルの設備・営業・
デザイン力を生かし、地場印刷会社唯一の年商50億円も視野に入ってきた。
植木工場が完成、「2拠点」の生産体制に
 昨年10月、以前から計画していた植木工場が完成、「本社・植木」2拠点の印刷体制が出来上がった。5万m2という広大な敷地に総事業費10億円強を投じ建設した工場には、本社の輪転機を1台移したほか、新たにB2輪転機を導入。2台体制で主力のチラシ印刷に加え、タブロイド16ページにも対応、全国区企業からも情報誌を受注するなど、冊子類の領域も本格的に開拓している。東日本大震災の影響も懸念されたが、現在はフル稼働が続いているという。「しのぎを削る印刷業界で利益を上げていくには、営業やデザイン力だけでなく他社に負けない印刷設備を整備し、印刷物の受注の幅を広げること。設備先行の経営路線で、生産性を上げていくことが不可欠」。これが西川社長のビジョンだ。
秋までに1億円を投資、植木工場に印刷機3台目を導入予定
 「今後数年は、印刷設備の稼働率を上げながら基礎固めをしていく」。現在、本社3台・植木2台の計5台体制の同社。今年は総事業費1億円を投じ、8月中に本社へオンデマンド印刷機2台を追加、増設、10月までに植木工場へB2輪転機を導入、受注増に対応する形で「設備先行」路線をさらに濃くしていく構えだ。「コスト的に見ると3〜4年以内に植木工場の印刷機を、4台体制にしたい」(西川社長)としている。フル稼働が続く植木工場だが、3年以内には敷地内に物流センター建設、さらに7年後には本社の製造部門を全面移転し、本社には総務や営業、デザイン部門のみを残す計画だ。売上は前期の42億8千万円に対し、今期は連結45億円を見込んでおり、地場印刷会社唯一の年商50億円も視野に入ってきた。また、事業拡大に合わせ、近年は新卒十数人を新規採用しており、来年4月も12人を採用予定など、優秀な人材確保・育成も会社の重要課題となっている。西川社長は「営業が印刷知識を持っているかが第一。知識があるからこそ、当社が理想とする提案できる印刷会社の形が出来上がる。営業的なノウハウはあとで付いてくる」と求める人材へのビジョンを語る。
通販サイト活用でネット受注が好調
 「ここ数年はホームページを通じた受注が増えてきており、月4〜5件程度の新規受注、月に3千万円の売上を確保している」と西川社長。同社は、フリーペーパーや情報誌、冊子類の印刷をデータで受ける「フリーペーパー印刷通販社」や削りカスの出ない白スクラッチを受注する「スクラッチ印刷通販社」といった通販サイトを構築しており、最近ではこれらを経由し、受注するケースも確実に増えているという。時代のニーズに合った顧客にとって魅力ある販促ツールを用意しているのも同社の強みであり、幅広い販促ツールを持っているからこそ、「最高の販促パートナー」といえる印刷会社なのだ。
地場印刷業唯一の年商50億円に向け
 6兆円といわれている国内の印刷市場。しかし、2008年のリーマンショックや今年3月の東日本大震災の影響は、印刷業界へも及んでいる。そんな中、同社が熊本でトップの売上を維持し続けるのは、県内随一の「印刷設備」、「提案力のある人材」、「魅力ある販促ツール」といった総合力を備えているからに他ならない。これからも西川印刷は、会社のテーマである「24時間、眠らない工場」とともに県内印刷業界をリードする存在であり続ける。
profile
西川征次 社長
にしかわ・せいじ/玉名郡菊水町(現和水町)出身。1944(昭和19)年8月5日生まれの66歳。立教大学卒業後、3年間のサラリーマン生活を経て、71年に西川印刷所入社。74年社長就任。
企業DATA
[所在地] 〒861-5514 熊本市飛田2-12-116
[TEL] 096-352-1121
[FAX] 096-319-2134 
[設立] 1974(昭和49)年9月 [創業]1953(昭和28)年4月
[事業内容] 総合印刷業
[従業員] 正社員185人(連結)
[URL] http://www.nishikawa-p.jp
[出先] 東京営業所、大阪営業所、福岡営業所、宮崎営業所

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2011年7月1日発行分の掲載内容です。