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独自の品質管理システムと 商品開発の高い技術力を誇る 国産ごまの専門店
株式会社釜屋
主力商品「国産ごまドレッシング」の製造・販売を中心に、ごま製品の製造のみならず、国産ごまの生産拡大にも注力している同社。
品質管理の徹底と商品開発の高い技術力により、“ごま”という食分野でオンリーワンを目指す。
年間10万本を売り上げる、主力商品の「国産ごまドレッシング」
 いりごま、すりごまなど、ごま製品の製造販売を行う滑屋。同社は96年に「ごまドレッシング」の販売を開始した。1本850円のごまドレッシングは、他社製品よりもやや高く、販売当初は懸念する声もあったという。しかし、次第に周囲の不安は解消される。国内産のごまをたっぷりと使用し、豊かな風味と香ばしくコクのあるドレッシングは、価格が高めでも国内産という安全性とおいしさで消費者に受け入れられ、今では年間10万本を販売する同社の主力商品に成長した。「原料の生産・調達、加工、販売まで、“お客さまに信頼される商品作り”が創業時からのモットー」と釜賀社長は語る。この「国産ごまドレッシング」は昨年、合志市の農産物や特産を使った商品を地域ブランドとして認定する合志ブランドとしても認証されている。
国産ごまの普及・生産拡大に尽力
 現在、同社が注力する事業の1つに、国産ごまの栽培事業がある。ごまの国内自給率はわずか0.1パーセント程度といわれ、国産ごまは小粒だがえぐみが少なく、実の詰まった濃く甘いピーナッツに似た風味があり、国産ならではの味と品質に同社はいち早く着目。国産ごまの仕入れルートを確保するため、ごま栽培に適した畑で無農薬、無化学肥料を基本にごまを栽培する農家を2001年から探し、契約農家の人数は徐々に増加。熊本、長崎、鹿児島、宮崎の農家を中心に賛同を得て、現在は全体で300軒を超えるごま農家と契約している。生産量は年間80トンまで増加し、同社の国産ごまのシェアはおよそ20%を占める。
 また今年6月からは、同社自ら合志市役所近くにある5000uの試験農園で、ごまの栽培を開始した。年間を通じて採算性の高い農作物の生産に農家と協力して取り組むためだ。さらに、生産加工の農業生産法人を今年中に設立するため現在準備を着々と進めている。
独自の品質管理システムと、高い商品開発力
 同社の強みは国産ごまの供給網だけではない。OEM生産の受注が昨年比200%を超えたという理由に、独自の徹底した品質管理法と高い技術力がある。X線による異物検査をはじめ、細菌検査、成分検査など検査内容も充実。原料の受け入れ態勢から出荷まで、工程別に瞬時に確認できる同社独自の品質管理システムの開発にも現在取り組んでおり、今年12月までにシステムを立ち上げる予定だ。「OEM生産の商品は、当社ではなくクライアント企業の商品となるからこそ、安心して依頼してもらえるよう、品質管理を徹底。信用力の強化につながっている」と釜賀社長は自信を見せる。
 また、もう1つの強みは、商品開発の技術力の高さだ。人員を以前よりも増強し、大学との共同開発に取り組むことで、商品開発に注力できる環境を整備。食品の有効成分の研究や、発酵技術で食品から有効成分を抽出する研究、食品加工技術向上のため、専用設備の開発まで行うほどだ。今までごま業界が取り組まなかったごまの葉に着目し、有効成分を抽出することに成功。それを製品化したごま若葉青汁は新しい健康食品の提案につながっている。
介護食を製造する戸島第3工場が9月に完成
 同社の第3工場が今年9月、熊本市戸島町の熊本コスモ工業団地内に完成する。総投資額約1億円をかけた新工場では、契約農家が生産した農作物を使って、介護食を中心に製造する。「現在、OEM生産の依頼が多く、対応するために新工場内には研究室と商品開発室を設ける。9月の稼動開始時から2交代制のフル操業になる予定」と釜賀社長は稼動計画を練る。
 また、新工場を含む3工場にはLED照明や省エネ対策の空調設備を導入し、本社栄工場に隣接する倉庫の屋根には約130uの太陽光パネルを取り付けた。農作物を扱う企業として、環境対策の取り組みにも積極的だ。 「契約農家と共に歩みながら、徹底した品質管理と商品開発の技術力の高さを武器に、ごまの可能性に挑戦していく。商品開発を意欲的に行い、開発のプロ集団を作りたい」という同社の今後の動きから目が離せない。
企業DATA
[所在地] 〒861-1113 合志市栄3610-70
[TEL] 096-248-0044
[FAX] 096-248-0048
[資本金] 3,000万円
[設立] 1995(平成7)年9月
[事業内容] ごま、ふりかけ、ドレッシング、ごま油などごま製品の製造、商品開発、OEM生産、販売、契約農家によるごまの栽培事業など
[従業員] 28名
[URL] http://www.gomanet.co.jp/
[出先] 工場:本社栄工場(合志市・栄工業団地内)、戸島工場(熊本市戸島町・熊本コスモ工業団地内)、戸島第3工場(同)
[関連企業] 潟}リーン開発研究所 釜a創 渇リやか食卓

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2011年7月1日発行分の掲載内容です。