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くまもと経済EX 2011

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こんにゃくの可能性を追求し、 おいしさを未来へ伝える。 伝統と革新の両面から魅力を発信
合資会社 鳥丸八十七商店
大正6年創業、こんにゃくの製造、卸に一貫して取り組み、
伝統のおいしさを守り続ける(資)鳥丸八十七商店。
同時に新たなこんにゃく製品を生み出し、
幅広く、そして未来へそのおいしさを伝えるために尽力している。
手作り製法と原材料へのこだわり生で食べられるほどのおいしさを
 「こんにゃくという食品は可能性を秘めている。日本の伝統食であるという面を重んじながら、新たな価値を追求していきたい」と情熱的に語るのは、こんにゃくの製造と卸販売を行う(資)鳥丸八十七商店(熊本市細工町、鳥丸宣彦社長)の鳥丸克彦専務。創業から95年、日本の伝統食であるこんにゃくの「本物」の味を今日まで守り続け、未来に引き継ぎながら、画期的なこんにゃく商品を次々に開発している。
 同社では一日に約2tから3tのこんにゃくを製造。そしてその全てを、作り手同士の「阿吽の呼吸」を大切にした手作業で作るというこだわり。「作り手が直にこんにゃくに触れ、その日その日のこんにゃくの状態を確認し、最もおいしくなるように調整する。これこそがおいしいこんにゃくを作るための秘訣。時間や手間はかかるが、決して手を抜かない」と製造への基本姿勢を語る鳥丸専務。群馬産の特等こんにゃく粉とおいしさの産婆役とも言える熊本の地下水を使用しており、原料へのこだわりも一貫している。
 5月には同地の本社一部を改装し、出荷場を新設。空調設備の導入で出荷場内を一定の温度に保ち、特に夏場の高温状態を避けることで、さらなる品質向上を図る。また防虫カーテンや飛散防止蛍光灯、ライブカメラを設置したことで安全性も向上。現在、工場から出荷場までの製品運搬をスムーズにするため、コンベヤーでつなげる工事を行っている。
 手の込んだ製法と保管法、こだわりの材料選びの表れか、同社のこんにゃくは湯どうしせずに生でそのまま食べられるのが最大の特徴。従来の調理して食べるイメージが吹き飛ぶ程、新鮮な香り、豊かな風味、優しい食感に、こんにゃくの元来のおいしさを知らされ、こんにゃくとの新たな出会いを実感する。「メインディッシュとなることはないが、様々な料理に合うため、味の名脇役とも言えるのがこんにゃく。先祖代々受け継がれてきた製法と味を守り、このおいしさを広く伝えていきたい」と語る鳥丸専務の瞳に確固たる信念が見える。
斬新な商品開発と販売戦術でこんにゃくを幅広い世代へ発信
 鳥丸専務の信念は伝統の味を守ると同時に、革新的な発想で新たなこんにゃく商品を生み出すことにある。「伝統的なイメージだけを持たせていてはいけない。他の食品と組み合わせるなどして、現代に即した商品を開発し、幅広い世代へPRしていきたい。また購買意欲を注がせるには外見も重要になってくる。販促に向けたプロモーションに力を入れたい」と展望を語る鳥丸専務。同社では昨年商品のブランド化を狙い、伝統と新しさの両イメージを打ち出したデザインを制作、商品パッケージの統一化を図った。6月には、「プリッコ」と名付けた新商品を発売。湯通し済みのこんにゃくを6センチ程に短くカットしているもので、生で食べられる「新感覚こんにゃく」として売り出している。そして何よりのこだわりはこちらもパッケージ。ドーム型のピンク色で、宝石などのキラキラしたイラストがデザイン。かわいさを表現することで手に取ってもらいやすくしたという。鳥丸専務は「プリプリとした食感と、パスタやサラダなどで簡単に食べられる手軽さをPRし、こんにゃくの新たなおいしさをアピールしたい」と販売への意欲を語る。
 現在同社では小売店で開かれるフェアでの直販に力を入れており、九州新幹線全線開業後は広島や岡山など九州外でのフェアにも出店。またイオン九州のお中元カタログに同社のこんにゃくがギフトとして掲載され、イオン店舗のお中元ブースにも出店を始めた。「お客さまと直に接して反応を窺い、意見を頂戴することで今後の方針に生かしている。積極的に会社や商品のカラーをPRし、県内外へ販路拡大を目指す」と話す鳥丸専務。
 今後は県産品と組み合わせた新商品開発や、こんにゃくのおいしい食べ方提案の一貫として、PBでタレ作りを手掛けるという同社。「お客様のおいしいの一言を聞き、笑顔を見ることが第一の目標。今後もこんにゃくの魅力をあらゆる面から引き出し、積極的にそのおいしさを発信していきたい」と話す鳥丸専務。「鳥丸のこんにゃく」は社員全員の情熱を乗せ、さらなる高みへと進化し続ける。
企業DATA
[所在地] 〒860-0041 熊本市細工町1-11
[TEL] 096-352-0379
[FAX] 096-352-0329 
[資本金] 1100万円
[事業内容] こんにゃく製造・卸販売
[代表者] 鳥丸宣彦
[従業員] 25人

[採用情報]
現在、登録がありません。
※この記事内容は、くまもと経済EX:2011年7月1日発行分の掲載内容です。