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くまもと経済EX 2011

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熊本の食文化を世界へ。 キーワードは「感謝」「ご縁」そして「挑戦」
重光産業株式会社
味千拉麺の重光産業(熊本市戸島、重光克昭社長)は、チャレンジ精神と
信頼あるパートナーシップの確立から世界各地でその味を提供する。
そのグローバルな展開の一方、創業以来大切に守り通すものも。
熊本生まれ、熊本育ちの企業として常に地域への貢献を大切にしている。
伝統ある熊本の味を守る
 今年3月、昨年の11月に民事再生を申請した桂花拉麺の褐j花が、味千拉麺の重光産業の支援のもと、再生へ向け一歩を踏み出した。桂花拉麺は1955年に創業し、その後東京新宿に進出。当時珍しかった豚骨拉麺を、関東圏に紹介した先駆者的存在として多くのファンを得ており、味千拉麺とともに熊本の象徴的な“味”の一角になっていた。09年から再生に向け挑戦を続けている火の国酒造(旧美少年酒造)の時と同様、様々な「縁」から“熊本の味”の再生に取り組むことになったが、そこには「多くの人に愛され、ここまで築かれてきた熊本の味の火を消してはいけない」という重光社長の強い思いがあった。桂花拉麺の支援から約5カ月が過ぎたが、今ある熊本と東京の11店舗の無駄を見直し、効率的な運営で再生の歩みを一歩ずつ進めている。昔ながらの味は残しながら、店舗形態やサービスは時代のニーズに即した形を提供していき、将来的には味千拉麺とともに世界の人に紹介したいというビジョンに向け日々努力が続けられている。
 一方「清酒美少年」ブランドもまた、火の国酒造の社名のもと、徹底した品質管理や新たな商品開発で失われかけた130年以上の熊本の味を愛飲者に届け、少しずつだがやはり着実に前へ進んでいる。この6月には「美少年サポータークラブ」の会員らで、地元の田んぼに酒米「山田錦」を植え付けた。地元の米で日本酒ファンと共に一から酒を造るという、地域に根ざした酒造り企業の原点回帰ともいえる取り組みで、今後の酒造りの工程も可能な限り会員が参加。来年2月までには手作りの日本酒が飲み頃になる予定だ。
味良し!体に良し! 県産米使用の米粉麺
 こうしたブランド再生の挑戦を後押しするのが、730を超える「味千拉麺」の店舗。わずか7坪8席から始まった1軒のラーメン店は、今や8万席を超えるまでに成長し、世界の人々に熊本の味を提供している。そうした店舗で提供されているのは何も“味"だけではない。中国を中心に、海外の店舗では熊本の物産や名所などを独自に紹介してきた。今年に入り熊本市と東アジア地域の観光誘致に向けて連携する基本協定を締結しさらにその活動に力が入る。
 このような取り組みの推進力になっているのは、「生まれ育った地域へ貢献を」という思いだ。その思いは、時に様々な形として表現されている。このほど完成した県産米を100%使用した米粉麺もその一つ。県産うるち米の粉を使っているため、普及すれば県産米の消費拡大が期待される。特徴は、通常つなぎとして用いられる小麦粉などを使用していないため、うるち米本来のもちもちとした食感が味わえる。また、同社西原工場で乾燥麺として加工しているので、半生麺のものに比べ時間が経ってもべたつかず、保存がきき流通にも適している。開発に携わった金子健統括部長は「小麦粉などを使用していないノンアレルギーな上、塩分も使用していない体に良くおいしい米粉麺に仕上がった。ぜひ多くの方に食べていただきたい」と胸を張る。
 このほかにも、例えば一部の店舗や本社工場への太陽光発電システムの導入は環境分野での貢献。例えば福祉施設を訪問して味千拉麺を振舞う「味千ラーメン出前隊」や東日本大震災における「熊本ラーメンボランティア隊」の活動は、ボランティア分野での貢献。同社が常に大切にしている「感謝」の気持ちが地域へ、人への貢献という形で具現化されている。
世界中に拉麺大好き人間を
 同社の強みは、果敢に挑戦し道を切り開くチャレンジ精神とともに、大切なものを守り通す頑固さだ。それは30年近く続けられている「味千感謝デー」に見られるような「感謝の思い」も頑固に守ってきたものの一つといえよう。また、食に携わる企業として提供する一品一品に込められたお客様に喜んでいただきたいというスタッフの願い、安全安心への妥協なき取り組みもまた揺るぎなく守り続けているものの一つだ。そして何よりも強く守り受け継がれているのは先代社長の「世界中に拉麺大好き人間を作りたい!」という気持ち。約40年前に抱かれた強い信念は今、世界各地に掛けられた味千拉麺の暖簾として結実しようとしている。これからも決して慢心することなく、地道な努力と世界のオーナーらとの「縁」を大切にしながら、その輪を一人ずつ広げていく。
企業DATA
[所在地] 〒861-8031 熊本市戸島町920-9 
[TEL] 096-389-7111
[FAX] 096-389-5410
[URL] http://www.aji1000.co.jp 

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2011年7月1日発行分の掲載内容です。