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くまもと経済EX 2006

熊本の明日を拓く未来創造企業 100の戦略

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ホテル・飲食・サービス
地域の交通安全センターとして安全教育の推進に尽力
天草自動車学園グループ
(社)熊本県指定自動車教習所協会の会長に就任
 県内の指定自動車学校27校でつくる(社)熊本県指定自動車教習所協会(菊池郡菊陽町)の会長に、5月23日付で就任した田中正友社長。同日熊本市の熊本ホテルキャッスルであった2006年度通常総会の席上、会員ら約50人の出席者を前に「少子化の進行等により業界を取り巻く環境は厳しくなっているが、各種講習制度の検討など明るい兆しも見えつつある。当業界の繁栄と発展に貢献すべく、誠心誠意努めていきたい」と決意を表明した。
 昨年の全国の交通事故死亡者数は、1956年以来49年振りに7千人を下回り、6,871人となった。しかし、今年に関しては前年比プラスで推移しており、昨年までの減少傾向を維持し定着させる取り組みが、今求められている。協会の長として、@教習指導員の資質向上、A教習所経営の安定化、B交通安全活動の推進(自主活動の積極展開)―を06年度の重点事業に据え、業界が一丸となり交通教育を推進していく構えだ。
設備整え教習内容の充実図る
 天草自動車学校を経営する(株)天草自動車学園は、1957(昭和32)年5月天草市の陸上競技場(当時の本渡市営グランド)近くに、天草地区では初めてとなる自動三輪車以下の自動車運転練習場として開校。64年10月に、県内で12番目となる指定自動車教習所・天草自動車専門学校として発足した。77年9月現校名に改称し、現在、大矢野・牛深・倉岳の各自動車学校も経営。警察庁長官と(社)全日本指定自動車教習所協会連合会(全指連)会長連名で功労章、九州管区警察局長から功績章などを受章し、全指連から優良校として表彰されたほか、過去には天草税務署から優良法人の指定を受けるなど、その社会的評価は高まっている。
 90(平成2)年9月に普通車・自動二輪車・原付車の初心運転者講習機関となり、92年11月には原付技能講習制度の施行を受け、県下指定自動車教習所の中で唯一本校(天草自動車学校)のみが講習実施場所となった。さらに、96年9月大型自動二輪車に係る初心運転者講習機関として、翌年3月大型自動二輪車に係る指定自動車教習所として認可。98年10月に本校と大矢野・牛深自動車学校、2003年4月には倉岳自動車学校が高齢者講習機関に認定された。
 04年6月から運転代行事業者にも普通2種免許が必要となるなど、普通自動車第2種免許は今後需要の増加が見込まれる分野の一つ。同社は、普通2種免許の教習所としての指定を目途に、茨城県ひたちなか市の自動車安全運転センター・安全運転中央研修所に職員3人を派遣し研修を行ってきた。天草地区には高速道路がないため高速教習ができず、そのために必要となる四輪シュミレーターを03年3月本校に1台追加導入するなど設備を整備。05年6月、県公安委員会から普通自動車第2種免許教習所として指定を受けた。田中社長は「これまで天草地区の方が普通2種免許を取得するには、牛深方面からであれば熊本まで車で約3時間半もかけて行き県の試験場で試験を受けなければならず、地理的に非常に不便だった。天草地域の方々からの強い要望に応えられたのでは」と、今回の指定取得に踏み切った背景を語る。
ニーズの動向捉え学校運営に反映
 同社は、現在の交通社会に適応し得るセーフティードライバーの育成に向け、大型車科・普通車科・普通二輪車科・大型二輪車科・大特車科・原付車科・高等科などを設置。4校合算で、年間約2,500人の卒業生を交通社会人として世に輩出している。しかし、少子高齢化の進行により今後入校者数の減少が予想される中、生徒の確保が喫緊の課題に。「天草地区は、免許取得者の大部分を占める若年者の絶対数が多くはない。そのため、県内はもとより長崎や鹿児島など九州一円からの生徒確保にも尽力している」とし、今後も、関連会社が運営する宿泊施設を中心に、各エリアの宿泊所と連携した合宿免許制度を積極的に活用していく方針を示す。
 さらに、免許取得に限らず、企業向けの安全運転診断や、免許を保有する70歳以上の高齢者講習を実施。ペーパードライバーを含めた初心運転者の運転教習にも、視聴覚教材を有効活用しながら意欲的に取り組むなど、ニーズの動向をいち早くとらえ学校運営に反映させている。04年9月には、本校が県公安委員会による取消処分者講習の指定校となった。「天草地区出身者の免許取消処分者のうち、その大半は当グループの卒業生と考えられ、責任の一端を感じている」と語り、さらなる交通安全対策に取り組もうと、卒業生に対する再教育・再教習を通し運転者としての資質向上を図っている。
 @真の安全運転者の育成の核となれ、A親切丁寧な教習を通じ親しまれる学校であれ、B魅力あふれる指導員であれ―がグループの合言葉。安全運転者育成の教育機関としての責務を果たすべく、教習方法の研鑽、職員・指導員の資質向上と育成に努めている。02年7月には、修了検定や卒業検定の試験を実施することができる、県内で初めてとなる女性技能検定員を大矢野校に誕生させるなど、その取り組みの成果が徐々に芽生え始めた。
グループの発展と社会への貢献に資する
 企業に対する環境保全への取り組みが求められる中、04年12月、本校と大矢野校に総事業費約5,000万円をかけ太陽光発電システムを設置した。
 本校(鉄筋コンクリート造り3階建て)の屋上に20kw、大矢野校(同2階建て)の屋上とその敷地内にある合宿免許生宿舎(鉄骨造り平屋建て)に20kw、計40kwの太陽電池パネルを設置。年間消費電力の約20%をまかなうという同システムについて、設置の指揮をとった田中靖士副社長は「当社が事業を行う中で、車を使用する企業として環境負荷の軽減に少しでも貢献できれば」と語り、企業としての社会的責任にも目を配る。
 田中副社長は田中社長の長男。グループ企業の天草自動車サービス
(有)(自動車販売業)と(有)田中企業(飲食・レンタカー業)の社長を兼任し、このほど熊本県レンタカー協会理事・同協会天草支部副支部長に就任した。田中社長は、副社長と二人三脚で、グループ企業の事業発展・社会貢献に取り組んでいく考えだ。
 「安全運転教習は、ドライバーはもとより、子供からお年寄りまですべての人に必要な生涯教育」と語る田中社長。交通安全教育に対する社会的要請が年々高まりを見せる中、本校を中心とした各教習所を“天草地域における交通安全教育の拠点”と位置付ける。「交通安全の重要性を広く伝え、事故のない快適で安全な地域づくりに貢献する。運転技術に加え、運転する人としての思いやりの大切さも伝えていきたい」。
企業DATA
[所在地] 〒863-0043
[TEL] 0969-22-5281
[FAX] 0969-22-5252
[資本金] 1000万円
[設立] 1966(昭和41)年5月
[事業内容] 指定自動車教習所
[代表者] 田中 正友
[従業員] 117人
[URL] http://www.amakusa-ds.co.jp/
[出先] 大矢野自動車学校宇土営業所
[関連企業] 天草自動車サービス(有) (有)田中企業 (株)阿蘇自動車学校

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。