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医療・医療関連・教育

「ひとりひとりの働きたいを実現します」障害者自立支援のさらなる架け橋へ

社会福祉法人　青生会

熊本県で初めての精神障害者の通所授産施設「菊陽苑」を開所し、
来年で20年目を迎える青生会。
クリーニング作業の通所授産施設からはじまった
障害者支援事業は今や多方面におよんでいる。

20周年を迎える、多方面におよぶ障害者支援事業

　菊陽町原水の社会福祉法人　青生会（せいせいかい、甲斐睦啓理事長）は1992（平成4）年4月に法人を設立し、熊本県で初めての精神障害者の通所授産施設「菊陽苑」を開所。来年で20年の節目を迎える。「ひとりひとりの働きたいを実現します」を基本理念に、障害者の就労支援や地域生活支援などにおいてさまざまな試みを行っている。2000年（平成12）年、オムツや下着のクリーニング作業などを行う「菊陽苑」のほかにシイタケの菌床製造・販売する「菊陽苑バイオセンター」を開所、08年には一定期間就労に必要な知識および能力向上の為に必要な訓練を行う「ジョブ・ラボ」と障害者の自立訓練などを行う「希望館」も開所。さらには障害者の雇用を積極的に行う事業所、農業生産法人㈲キクヨーも立ち上げている。
　このように幅広い分野に進出していることで、利用者はほかの施設では見られないさまざまな経験・仕事を積むことができている。利用者が現在行っている作業はクリーニングのほか、ダイレクトメールの封入、お菓子の製造や梱包、自家製ハム・ソーセージ工房での製造・販売、シイタケの栽培・選別・梱包など多方面におよぶ。

天然温泉付のグループホームを開所

　同会は今年4月に天然温泉付の「グループホーム菊陽苑」をオープン。遠方から来所する利用者が生活しながら作業ができるようにと建設したもので、施設は敷地面積約5000㎡、鉄骨造り4階建てで延べ床面積は約1766㎡。1階部分には一般客も利用できる天然温泉「下大谷温泉大谷の湯」を設け、大浴場やサウナ、露天風呂、家族風呂3室、レストランや宴会場、テラスなどを整備。2～4階は障害者のグループホーム27室（完全個室）となっている。温泉は九州でも有数の泉質（ナトリウム‐塩化物・炭酸水素塩温泉）。珍しい琥珀色で45.6度の源泉100％のかけ流しという。

さらなる広がりを見せる障害者支援

　また、今年度中には農産物直売所とお菓子工房のオープンを目指している。施設はグループホームに隣接し、木造平屋建て、延べ床約240㎡。『コンビニのような農産物直売所』と銘打ち、販売所内には日用雑貨から地元産の野菜などの地域の特産品、同会で製造している食品・菓子類などを販売する。また、お菓子工房では同会のひと口いきなり団子や芋もなか、芋おはぎなどを製造。新たに包餡機も導入し、菓子類の量産体制を図る。菓子工房で製造された商品を販売所に陳列し、一般客が購入できる仕組みづくりを整えるという。
　温泉施設などのオープンにより、レストランや温泉での接客・清掃活動、調理・配膳、そのほか菓子類の製造・販売など同会利用者はさらに幅広い業種の作業を行うことが可能となった。今後の青生会にも可能性が持てるところである。
　甲斐理事長は「障害者の方が地域の中で普通に生活をしていくためには、実践社会の中で経験を積むことが大切。多岐に渡る作業を行うことで、さまざまな場所で適応できる力をつけていける。農業生産法人も設立しているので今後は農業分野にも力を入れていきたい」と話している。
　菊陽町から発信する、青生会の多彩な就労支援や地域生活支援は今後も広がりを見せ、更なる飛躍と発展が期待される。

profile

甲斐睦啓理事長
かい・むつよし／1950（昭和25）年1月30日生まれの61歳。熊本県精神障害者社会復帰施設協議会会長。熊本県授産施設協議会幹事。

企業DATA

[所在地]　〒869-1102 菊池郡菊陽町原水字下大谷3930-1

[TEL]　096-232-9711

[FAX]　096-232-9708

[設立]　1992（平成4）年4月

[従業員]　40人

[URL]　http://www.seiseikai.net/

[出先]　（菊池郡菊陽町原水字下大谷3930-1）就労サポートセンタージョブ・ラボ（同）就労サポートセンター希望館（同）グループホーム菊陽苑（同）下大谷温泉大谷の湯（同）レストラン望乃（同）農業生産法人㈲キクヨー（合志市竹迫6）㈱ユーミーファーム（同）

[関連企業]　［関連施設］　就労サポートセンター菊陽苑

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※この記事内容は、くまもと経済ＥＸ：2011年7月1日発行分の掲載内容です。