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先端医療技術DDS専門の研究所を開設研究成果に世界が注目
崇城大学
患部に効果的に治療薬を送り届けることができるDDS技術は、
副作用のリスクが高いがんの治療技術として近年注目を集めている。
DDSの分野で世界でトップクラスにあると言われている日本で2番目、西日本では
初のDDS(ドラッグデリバリーシステム)専門の研究所が、ここ崇城大学薬学部に開設された。
これからのDDS研究の拠点として、その成果に大きな期待が寄せられている。
国内で2例目、西日本初のDDS研究所開設
 崇城大学のDDS(ドラッグデリバリーシステム)研究所は、国内でも2例目、西日本では唯一のDDS専門の研究施設として今年4月に完成した。同研究所は、文科省が実施する「平成22年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」の採択を受けた西日本初の研究所で、次世代型DDS製剤の開発や評価をはじめ、先端分子医薬開発評価、ナノメディシン機能性評価、ジェネリック医薬品評価・改良などが主な研究内容となる。場所は、薬学部棟と芸術学部棟の間で、鉄筋コンクリート造4階建て、延べ床面積は約1104u。1階部分が駐輪場、2階・3階が実験室、培養室、研究室、ゼミ室など、4階が大会議室(271席)からなる。DDSをはじめとする研究、教育機関として、12年から薬学部に大学院の開設も予定している。
 「病気の根源となる患部に、ピンポイントで治療薬を送り届けるDDS技術は、副作用を軽減できる可能性があることなどから、治療技術として近年注目を集めています。中でもがん治療での期待が大きく、世界中で治療技術の研究がなされている研究分野です。日本のDDS研究は世界でもトップクラスにあり、当大学での研究成果が今後世界中の関心を集めることを期待しています」と抱負を語った。
 同大学では、学生が研究に参加することによる教育効果も研究所開設の大きな意義ととらえ、来年4月に予定している薬学部の博士課程設置と合わせ、教育機関としての大学ならびに薬学部の充実を図りたいとしている。
 「研究に携わった学生が、その後どう成長していくかがたいへん重要だと思います。博士課程で学んだ学生には、医師に対してきちんと薬の効用を説明でき、自らの知見を披露できるトップクラスの薬剤師を目指して欲しいですね」。
先端技術を通じて、世界で通用する研究者養成目指す
 先端技術を通じて世界に通用する研究者の養成を目指す同大学では、BT(バイオテクノロジー)、ICT(情報通信テクノロジー)、NT(ナノテクノロジー)の中でも、特にナノテクノロジー関連の研究テーマに大きな期待を寄せている。新素材の開発や、医療分野への応用とそのフィールドは多岐にわたる。現在同大学の応用生命科学科では、DDSや制がん剤、再生医療への応用として文科省も大きな期待を寄せているナノサイズの人工細胞膜の研究が進んでおり、細胞という微小なスケールの研究にナノテクノロジーの技術が生かされている。
新学科棟で省エネ技術を採用 エコキャンパス構想実現へ
 崇城大学が9月に着工を予定しているナノサイエンス学科の新校舎が、このほど環境省が定めた利子補給制度事業の認定を受けるとともに、利子補給活用資金の融資を受けることが決まった。学校法人での認定は全国で初めて。同制度は、温暖化対策向け設備投資の促進を目的に、温暖化対策に係る設備投資の融資利息(3%を上限)を助成するもので、同大学が建設を計画している工学部ナノサイエンス学科の新校舎の設備計画が今回融資対象となった。同校舎では個別空調方式、自然光の利用、各種センサ・制御技術を生かした照明設備などの省エネ技術を採用する。同校舎は学科棟(延べ床面積4800u)、多目的講義棟(延べ床面積1600u)2棟からなり、いずれも鉄筋コンクリート造で、学科棟が8階建て、講義棟が4階建て。ガラスカーテンウォールの外観デザインを採用。完成は来年9月を予定している。「今回建設する新学科棟は、大学が進めているエコキャンパス構想の集大成ともいうべきもので、09年に大学としての環境方針を打ち出し、池田キャンパスでISO14001の認証を取得し環境に配慮した大学経営に取り組んできました」。今回新校舎の建設によりCO2排出量を3年以内に08年時点に比べ6%削減を目指すほか電気や水道、紙の使用量やゴミの削減にも取り組む。目標達成に向けたコスト削減の方法論を今後の研究課題として、取り組んでいきたい考えだ。


[設立] 昭和24年4月電気・電波学校創立、昭和42年熊本工業大学設立
[学部構成] 工学部5学科、芸術学部2学科、情報学部1学科、生物生命学部2学科、薬学部1学科、大学院工学研究科博士後期課程6専攻、修士課程7専攻 大学院芸術研究科博士後期課程1専攻、修士課程2専攻
[関連機関] 機能物質解析センター、エネルギーエレクトロニクス研究所、応用微生物研究所、衝撃先端技術研究センター、崇城大学専門学校
profile
中山峰男 学長
なかやま・みねお/47年9月22日生まれの63歳。済々黌高校〜熊本大学工学部卒。趣味はゴルフ。71年積水化学工業入社。80年4月に君が淵学園に入り、89年法人課長、93年熊本工業大学附属情報技術専門学校校長(現崇城大学専門学校)、97年法人局長、03年(学)君が淵学園理事に就任。03年12月1日(学)君が淵学園理事長、崇城大学学長、(学)文徳学園理事長就任
企業DATA
[所在地] 〒860-0082 熊本市池田4丁目22-1
[TEL] 096-326-3111

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※この記事内容は、くまもと経済EX:2011年7月1日発行分の掲載内容です。