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県内初「生産情報公表ＪＡＳ」を取得

㈱杉本本店

安心・安全・高品質を食卓へお届け

県内外18牧場で約3500頭の黒毛和牛を肥育し、生販一貫体制を築いている杉本本店。自社ブランド「黒樺牛」（くろはなぎゅう）は、関東・関西を中心に販売が好調だ。ＢＳＥ問題など、食の安全性に対する社会的要請の高まりを受け、2004年には県内で初めて「生産情報公表ＪＡＳ」認定を取得した。「食の安全にはより正確な生産履歴の提供が第一。安心、安全、高品質を食卓へお届けします」と話すように、消費者の牛肉への不安の解消に正面から取り組んでいる。

自社ブランド「黒樺牛」を全国展開

　同社は1947年4月に食肉卸・小売業として創業。1983年１月に杉本本店を設立した。1995年頃から牧場での肥育を初め、現在直営牧場と契約牧場合わせて1 8 牧場で、約3500頭の黒毛和牛を生産している。中でも、自社ブランドの「黒樺牛」くろはなぎゅう）は、関東・関西を中心に好評で、最高級黒毛和牛として高いブランドイメージを確立している。黒樺牛は月産140頭程度で、内ＪＡＳ認定牛は月約70頭強を出荷。販売先は関東圏が約半数を占め、九州内は数％程度という。杉本社長は「黒樺牛の生産は月産200頭程度まで
増やしていきたい」と話すように、同社の中核ブランドとして“全国区の
最高級黒毛和牛”に育てる決意を見せている。
　本社隣接地には、熊本の消費者に新鮮な「黒樺牛」を届けるため、直営店舗を開設している。生販一貫体制により、流通過程での無駄な経費を省くことで、高級和牛の手軽な価格帯での販売を可能にしている。また直営店では、「黒樺牛」のほか、自社ブランドの馬刺しである「火乃樺馬刺し」も販売している。タンパク質、ミネラルに富み、低カロリーなため好
評を得ているという。「黒樺牛」のほか、「火乃樺馬刺し」もインターネットで販売しており、月１千万円程度を取り扱っている。

インターネットでも生産履歴を公開

　同社は2004年に県内では初めて「生産情報公表ＪＡＳ」認定を取得、2005年には小分け事業者としてのＪＡＳ認定を取得し、生産から出荷まで生産情報を公表する体制を整えた。杉本社長は「国産牛肉を取り巻く環境はＢＳＥや産地偽装などにより、厳しい目にさらされています。この現状に正面から立ち向かうために生産情報公表ＪＡＳを取得しました」と取得のきっかけを話す。全国でも食の安全への先進的な取り組みとして注目され、取引業者からの評価も高い。
　生産情報公表ＪＡＳ規格では、消費者の安心と信頼を確保するため、食品の生産情報を生産者が正確に記録・保管・公表し、消費者がその製品を買い求める際にその生産情報を確認できる基準を定めている。例えば、血統や生年月日から、食べ物や飲み物まで記録する必要がある。特に病気の治療歴は公開が義務付けられ、細心の注意が必要になっている。同社では、独自のこだわり配合飼料を用いて動薬添加剤医療履歴を徹底管理している。また、獣医師免許を持った牧場長が治療歴を記録する体制を採っており、健康管理・情報公開に対し、真剣な取り組みを行っている。
　2005年には、同社のホームページで生産履歴の情報検索システムを構築した。10桁の個体識別番号を入力することで、各種生産履歴を閲覧できる。携帯サイトからも検索でき、店頭での生産履歴情報の取得も可能になった。

美味しさの基本は安心・安全

　同社ではＪＡＳ規格に対応して、独自の生産情報管理システム「杉本本
店生産情報グループシステム」を構築した。生販一貫体制のメリットを生
かし、繁殖・肥育から出荷に至るまで徹底した健康管理・情報管理を実施
している。杉本社長は「牛肉の安全性に対する不安や品質表示への不信感を取り除き、安全・安心で高品質な食肉を常にお届けする事が私たちの使命です。それには、消費者に対して全ての情報を公開していくことが重要。そのためにも、当社の黒樺牛の全頭がＪAＳ認定牛になることを目指しています」と、牛肉の安全性の確立に向けた、真摯な取り組みを続けている。

企業DATA

[所在地]　〒861-4307宇城市豊野町巣林538

[TEL]　0964-45-2611

[FAX]　0964-45-2988

[資本金]　5000万円

[事業内容]　食肉卸・小売

[従業員]　35人

[URL]　http://www.sugimotohonten.co.jp

[E-Mail]　sugimotohonten@gamma.ocn.ne.jp

[関連企業]　肥後食品㈱

[採用情報]

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※この記事内容は、くまもと経済ＥＸ：2006年7月1日発行分の掲載内容です。

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