トップ Companies くまもと経済EX 2006 “勝つ”ための業務改革をITで総合支援するプロ集団
くまもと経済EX 2006

熊本の明日を拓く未来創造企業 100の戦略

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■情報通信・ICT関連  ■金融・保険・卸・流通・小売  ■ホテル・飲食・サービス  ■医療・福祉・医療関連・教育 
情報通信・ICT関連
“勝つ”ための業務改革をITで総合支援するプロ集団
潟eクノアート
ITプロデュースカンパニー
 企業の業績向上に「IT」の活用が欠かせない時代となった。しかし、何
を目指して「IT」を導入し、どう活用すれば業績は上がるのか?…企業経
営者にとって頭の痛い問題だ。
 こうした経営者の悩みの相談に乗り、解決法を提案するのが仕事という会社が合志市福原・セミコンテクノパーク内に本社を置くテクノアート(松脇秀三郎社長)。企業の業務改革をITで総合支援するプロ集団「ITプロデュースカンパニー」をコンセプトに掲げる同社は、.net、セキュリティ、JAVA、Web、RDBなどの最新技術と、数多くのコンサルティング経験をもとに蓄積した豊富な業務ノウハウを持つことで知られる。
ITは“勝つための道具”
 初めに、松脇社長の「IT活用論」を紹介しておかなければならない。「戦いでは“いい武器”を持っている方がたいていの場合は強い。会社が勝つ戦い方をするためにITがある」が松脇社長の持論。ITはズバリ、“勝つための道具”という訳だ。松脇社長のIT活用論の一部をかい摘んで紹介
すればこんな具合だ。ITシステムを活用しなくても負けない会社が当然ある。そんな会社は間違いなく業務内容がシッカリした大変立派な会社だ。ただ、見方を変えれば「勝ちに行っていない会社なのではないか?」。
“負けない戦略”は持っているが、“勝つ戦略”を持っていないと言える。
 “負けない道具”としてITを見る会社の場合、ITは目に見える利益を生まないから、投資意欲は当然のこと高まらない。勝つための道具と見る会社の場合、利益を生むITへの投資意欲は強い。余り差の出ない比較的均一だった時代から、優勝劣敗の格差の時代へと変わった今、企業は勝ちに行くことが必要になっており、勝ちに行く道具であるITの存在価値は大きくなってくる。
お菓子の香梅、ITで戦力強化
 熊本の菓子業界トップのお菓子の香梅(熊本市白山1丁目、副島隆社長)は、充実した業務システムを持つことでも知られているが、経理システムの老朽化に伴う更新時期に合わせ全社的なシステムの見直しを実施した。香梅では今回の大掛かりな見直しをテクノアートに依頼、同社がシステムコンサルティング、プロジェクト管理、開発・保守を担当した。
 同社では、基本方針にデータ分析サーバを最上位とする構造を採用、コセプトを「考える組織のためのシステム」とし、副島社長の了解のもとに、プロジェクトのメンバーに各部門から若手リーダーを出してもらい、新しい業務フローを構築する権限を与えると同時に、導入後の運営責任も負うと決めた。社内情報を分析サーバに集中させ、部門間の連携を促進させ、状況変化に即時に対応するために既存のシステムはリプレースすることを新システムの開発方針とした。
 新システムの基本構想は、オフコンシステム、POSシステムとも最新の64bit Windowsに移行させ、拠点間・社内ネットワークインフラも見直し、
V P N環境上でデータ通信、IP電話を導入した。セキュリティ強化のため3層アーキテクチャを採用、データ、アプリケーションともサーバー一括管理とすることとした。 
「香梅さんの場合、(現行の)個々のシステムが大変よく作り込まれていて、トップから社員までシステムに対する理解度が高かった」(松脇社長)ことも、大規模かつ踏み込んだ業務システムの再構築を可能にした理由のようだ。
劇的な変化
 構築に1年8カ月、調整に3カ月かけた香梅の新業務システムは7月稼動したばかりだが、大きな効果が期待される。
 店舗・物流システムでは、新しい発想のレシピエディタにより、各店舗の
発注量から原材料の所要量が自動的に計算され、生産量の調整、納期調整も大幅に短縮された。POSシステムでは、ストコンも本部サーバーも不要の全機能搭載POSを実現。インターネットの断絶時にもPOS内部搭載のデータベースで、POS単独でも安定的に稼動する。また、インターネットを介し約30店舗のマスター、売上データなどをリアルタイムで更新するため、例えば空港店は土産物中心で生菓子は置かないなど、各店舗の立地環境に合わせた品揃えの変更などにも柔軟に対応できるようになった。
 経理システムでは、香梅独自の高度な経理ノウハウが詰まったCOBOL(言語)による既存のオフコン資産を有効活用するため、そのままWindowsプラットホーム上で活用、経理担当者は以前と同様のソースが扱える。また、従来数日かかっていた決算処理が数時間にと劇的に短縮、不可能だった日次決算も可能としている。
「RETAIL TECH」にも出展
 「この新業務システムで確実に“戦力”がアップします。さらに言えば、効率化され“考える時間”が生まれた結果、“戦略”を考えられる…考え行動する組織に企業を変えられるのがIT」と松脇社長。
 因みに、テクノアートではマイクロソフト(MS)の依頼で香梅の新業務
システムを、アジアでは最大級の流通ITソリューション展示会「RETAIL
TECH JAPAN 2006」(第22回流通情報システム総合展、東京ビッグサイトで3月7日〜10日開催。来場約15万人)のMSパートナーズゾーンに出展した。今年のMSパートナーズゾーンの出展社は11社。大半は東京。九州からの出展は同社1社である。
企業DATA
[所在地] 〒861-1116 熊本県合志市福原1-8セミコンテクノパーク内
[TEL] 096(349)5600
[FAX] 096(349)5606
[資本金] 12,280万円
[設立] 1992年(平成4年)4月
[事業内容] システム開発事業、パッケージ開発・販売事業、セキュリティ事業、ネットワーク事業、情報・セミナー事業
[年商] 3億1000万円(2006年6月期)
[代表者] 代表取締役 松脇秀三郎
[従業員] 29人
[URL] http://www.technoart.co.jp
[出先] 福岡事業所

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。