熊本の明日を拓く未来創造企業　１００の戦略

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製造・農業

八代から世界を見つめる

八代から世界を見つめる船外機のオンリーワン企業

ヤマハ熊本プロダクツ（株）

世界のあらゆる水域で利用され、水上運搬・レジャーなど人々の生活を支えているヤマハブランドの船外機。年鑑生産台数４０万台は、世界トップシェア。ヤマハの船外機が高品質・高性能であることを証明している。
ヤマハ発動機グループとして年間１５万台以上の船外機を世界１８０カ国に供給するヤマハ熊本プロダクツ（株）（八代新港町）。同社は２００５年９月、ヤマハマリン（株）（静岡浜松市）から４ストロークエンジンの生産ラインを移管、生産を本格化させた。また地場企業から船外機部品の現地調達を加速させるなど積極的な動きを見せている。

需要高まる４ストロークエンジンにも対応

　欧米を中心に高まるCO2削除などの環境問題。いまや先進国だけでなく発展途上国にも環境規制が拡大している。
　同社では、欧州を中心とした４ストローク化など、世界各国の情勢にいち早く対応。４ストロークエンジンを生産開始する１年前から設備投資、社員教育を進めてきた。
　０５年の生産台数は４カ月で約５千台。機種が増えた０６年は、１万７千台を目標にしている。４ストロークエンジンは２ストロークエンジンの構造と比較して、機密性や作動の確実性が求められる。部品加工や組み立て制度をさらに向上させ、これまでのレベルからワンランクアップした技術で、高品質で高性能な船外機を目指している。
　また、発展途上国を中心にいまだに需要が高く、年間生産台数１４万台を占める同社主力製品の２ストロークエンジンの品質向上にも努めていく。

ＴＰＭ活動を通じコストを削減

　モノづくり企業は低コストで、高品質な製品の供給が求められる。ヤマハ熊本プロダクツ㈱では、ＴＰＭ（体質改善）活動を通じて、コスト削減を実施してきた。
　現場のロスを徹底的に排除し、企業体質を改善。現場レベルの小さな改善や改革を積み重ね、生産性の向上とコストダウンを達成した。今後はＴＰＭ活動をさらに推進させ、コスト、品質、リードタイム、人材などすべての分野で競争力のある企業を目指す。
　また、鋳造から加工、塗装、組立、出荷まで対応できる一貫生産ラインの強みを生かし、これまで以上のコスト削減と製品の安定供給を図っていく。

奨学金制度の開設で地域の人材育成に貢献

　同社は06年４月、県内大学、短大、高専の学生を対象に「企業奨学金制度」を創設した。
　同制度は、将来の国内製造業を支える地域の「人財」育成と地域貢献を目的に、入社義務や返済義務が伴わない給付形式で、インターンシップでの現
場体験を条件に選考して、大学・短大で月額3万円、高専で月額2万円を給付する。「風通しの良い社内環境が企業文化として根付いていて、人事制度にも公平性・透明性が確保されている良い会社」と自負する吉村社長。
　「船外機のオンリーワン企業」であり続けるため、将来的なコアとなる若い人材の育成・確保にも積極的に力を入れている。

世界が認める「グローバル企業」を目指す

　船外機メーカーとして操業を開始した1998（平成10）年から、８年目を迎えた。2005年の年間売上高は200億円、経常利益12億円、累計生産台数50万台を達成した。
　同社で生産する機種は18モデル、606種類。２ストロークエンジンと４ストロークエンジンを生産する。主に発展途上国向けに製造する２気筒の15馬力と40馬力がラインの中心。また、アメリカ向けには排ガス規制の影響で減少傾向にある2ストロークの3気筒エンジンも生産している。
　95%～96％が海外に製品を輸出しているヤマハ熊本プロダクツ㈱。低コストで高品質な船外機をタイムリーに供給できる「オンリーワン企業」として世界中の顧客ニーズに応え、誰もが認める「グローバル企業」を目指していく。

企業DATA

[所在地]　〒866-0034八代市新港町4-８

[TEL]　0965-37-2121

[FAX]　0965-37-2104

[資本金]　4億9000万円

[設立]　1998年（平成10年）4月

[事業内容]　船外機製造

[年商]　200億円

[代表者]　吉村　強　社長

[従業員]　400人（社内外を含むと約725人）

[URL]　http://www.y-k-p.co.jp/

[採用情報]

●募集要項：総合職（高専卒、大卒４人）・技能職（高卒４～５人、中途採用約１０人）

※この記事内容は、くまもと経済ＥＸ：2006年7月1日発行分の掲載内容です。

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