トップ Companies くまもと経済EX 2006 消費者一体型の商品開発で「本物の商品」づくりを追求
くまもと経済EX 2006

熊本の明日を拓く未来創造企業 100の戦略

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金融・保険・卸・流通・小売
消費者一体型の商品開発で「本物の商品」づくりを追求
潟lイチャー生活倶楽部
会員数10万人、独自のマーケティング戦略で成長
 「抜け毛が止まらない、髪が傷む…、でも何を使ってもよくならない」−そんな髪の悩みから自分達でシャンプーをつくってみようと「消費者でつくる商品づくり」を基本スタンスに事業を立ち上げたネイチャー生活倶楽部。徹底したリサーチ・モニターをもとに「市場にない本物の商品づくり」を追求した結果、その製品開発力への信頼が高まり、独自の消費者マーケティングも奏効、今日では全国にの10万人の会員を有し、年商11億円の企業へと成長を遂げている。
自らの髪の悩みからシャンプー開発をスタート
 今から10年ほど前、3人の女性が集まった。ひとりは30歳、ストレスや病気が原因でひどい抜け毛に悩まされていた。60歳ににさしかかつた女性は額の生え際と頭頂部からだんだんと薄くなり、地肌が透けるようになっていた。…どんなシャンプーを使っても改善は見られなかった。そんな時、シャンプーの開発メーカーと出会う機会があり、市販のシャンプーのほとんどが、台所洗剤の成分と大差がないレベルで、リンスにしてもコーティング剤の固まりだということが解り、驚きとともに憤りを覚えた。
 「とにかく髪と地肌を健康に戻したい。安全なシャンプーをつくりたい」という気持ちが日増しに高まった。同じ様な悩みを抱える女性の実態を探ろうとリサーチを開始、500人にアンケート調査を実施した。このリサーチをもとにメーカーとともに理想のシャンプーづくりに取り組む。協力者の輪も広がり消費者参加型の商品開発が始まった。
 シャンプーづくりの条件は(1)台所洗剤レベルや、消費者が不安・疑問を持つような原料は一切使わないこと(2)リンス剤を使わなくても、毎日使える使心地のよいシャンプーであること(3)抜け毛をはじめ、髪の悩みが少しでも改善できるシャンプーであること。このような条件をもとにシャンプーづくりを始めたが最初は使用感がパサパサした感じでよくない。使い心地を良くしようと市販品のようにシリコンやコーティング剤などの添加物を入れてみると、今度は抜け毛が止まらない。
 試作を数十回繰り返した結果、添加物なしで原料を調整し、やっと「これだ」という処方が出来上がった。500人に最終モニターを依頼、その結果80%の方々に合格の評価を受け商品化を決定。1995年3月、「頭髪シャンプー」「毛髪ローション」「頭皮エッセンス」、念願の頭髪ケア3点が完成した。4月には西日本新聞の夕刊に記事広告を出稿、すると夕方から夜中、翌朝からも問い合わせの電話が鳴りっぱなしに…反響の大きさに驚くとともに「自分達の想像以上に髪の悩みを抱える方が多い。しかし情報は何も行き渡っていない現実がある」と垂見社長は痛感、これを機に「消費者でつくる商品づくり」に取り組む決意を新たに固めた。
 その後、無添加の石鹸、トリートメント、環境にやさしい台所用洗剤、スクワランオイルを開発、1998年2月には、基礎化粧品4点を完成させた。さらにファンデーション、UV下地クリーム、肌用基礎クリーム、保湿力No.1のヒアルロン酸液など開発、現在では全15アイテムを数え、さらなる商品開発も進めている。
「日本一女性がカッコよく輝ける会社に」 
 「この10年間で自信が持ててきた。本物の商品を開発すれば必ず消費者はついてきてくれる。これからもさらに本物を極めていきたい」(垂見社長)と意欲満々。開発と管理本部を置く熊本市と商品発送拠点の菊池の2拠点で総勢30人のスタッフが働く。その大半が女性だ。20代から60代まで、部課長制など中間管理職の職位は設けていない。社長以下のスタッフは全てフラットな組織体だ。
 「全員が商品開発、顧客対応・企画促進をこなす。各自がスキルに合わせた業務責任を担う。ひとりひとりがプロとしての力を持つことが大事」と主婦の立場、消費者の目線を最も大切にしながら商品づくりに生かしている。既成のマニュアルなどは存在しない。自分達の経験からマニュアルを導きだしているという。毎日夕刻には1時間の「商品づくり会議」を実践、商品開発の方向性を確認するとともに各自の仕事の進め方をチェックしている。福利厚生面でも産休・育児休暇の取得は前提だ。「いかに効率よく仕事をこなせるかは個人の力量。日本一女性がカッコよく、輝ける会社にしたい」と夢を描く。
立体的な販促手法採り入れ 新たなステージへ挑む
 昨年5月には経済産業省が進める「IT経営百選認定企業の最優秀企業」に同社が選ばれている。全国から経営およびITの高度活用の観点から模範となる企業を100社認定し、そのうちの最優秀企業26社に選ばれたもの。
 「現在の30人のスタッフをコアに次ぎのステップを目指したい」とシンポジュウム、セミナー開催や従来の新聞からWeb、TVなど立体的な販売促進手法を採り入れた新たな情報発信企業構築へのステージへ挑む。
企業DATA
[所在地] 〒861-1331 熊本県菊池市隈府166(活動本部・情報室・調査室) 〒862-0954 熊本市神水2-7-10 中島ビル3階
[TEL] 096-386-0030
[FAX] 096-386-0034
[設立] 1996年8月
[事業内容] シャンプー・化粧品等生活必需品の商品改善・開発・提供
[年商] 11億円
[代表者] 垂見 和子
[従業員] 30人
[URL] http://www.nature-life-club.co.jp

[採用情報]
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※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。