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くまもと経済EX 2006

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医療・福祉・医療関連・教育
“患者様に選ばれる薬局”を目指し、地域密着の保険調剤薬局チェーンを展開
(有)ファーマダイワグループ
日本初のユニバーサルファーマシー「レインボー薬局」
 医療・福祉のサービスが、量から質の時代に大きく変わろうとしている中、“患者様に選ばれる薬局作り”をテーマに、常に新しい取り組みを続けるファーマダイワグループ。
 その一例が、平成14年3月、熊本市山室6丁目の熊本機能病院隣接地にオープンさせた『ユニバーサルファーマシーUPレインボー薬局』である。このユニバーサルファーマシー(略称UP:アップ)とは、薬局サービスにユニバーサルデザインを導入したもので、「利用しやすく、わかりやすい、安心・安全なサービスの提供」をコンセプトに、(1)バリアフリー(2)ドライブスルーサービス(3)多機能投薬カウンター(4)絵文字(ピクトグラム)による情報表示・表現(5)音声による服薬補助などのサービスを提供する、日本初の次世代型薬局として注目を集めている。
調剤過誤防止対策に重点“音声薬袋”を開発中
 この“ユニバーサルファーマシー”の取り組みは、「患者さんへの安心・安全の提供」という調剤薬局の責務である調剤過誤防止の対策にも生かされている。従来の調剤過誤防止対策は視覚による確認に依存していた面があり、「調剤過誤マニュアル」や「ヒヤリハット」の報告書を作成してきた。しかし、より確実な過誤防止システムの開発を目指す同社では、聴覚刺激による予防策を考案し、ボイスメッセージ(音声)による調剤過誤対策に本格的に取り組んでいる。
 もちろん、このリスクマネージメントは、薬局サイドの過誤を防ぐだけのものではなく、薬の飲み間違え、あるいは介護者やヘルパーが飲ませ間違いがないようにという、患者の立場に立った開発も進めており、音声再生装置を応用し、服用の際に、音声で確認できる「音声(ボイスメッセージ)薬袋」を開発中だ。「この音声システムと絵文字による情報表示を組み合わせれば、高齢の方で視力や聴力が衰えても、見て、聞いて、触って、という五感を総動員することで確認でき、服用ミスは大幅に改善できると思います」と岡山社長。今後、この音声を利用した事故防止への取り組みを他の業務にも導入していく。
サプリメントアドバイザーが在籍薬との飲み合わせをチェック
 さらに、今、同社が力を入れている事業のひとつに、健康補助食品、いわゆる「サプリメント」に対するアドバイスサービスがある。同社には日本臨床栄養協会認定のサプリメントアドバイザーが8人在籍し、医薬品のみでなく、サプリメントをはじめとする機能性食品についても、適正使用に関する情報提供や相談に応じている。「現在、多種多様なサプリメントが販売されていますが、その使用法や効能を正しく理解している方は少ないように思います。また、既に服用している薬との飲み合わせをチェックすることも大切です。昨今のやせ薬と称する健康食品による被害などもあり、保険調剤薬局は積極的に商品を販売するより、むしろ中立的立場でアドバイスしながら、飲み合わせをチェックするなどの相談窓口として認知されることを目指すべきだと思います」と岡山社長は指摘する。
オーダーメイドから総合まで介護支援サービスも視野に
 21世紀の医療はゲノムからターミナルケアといった専門分野に特化される部分と、医療全般に対応するプライマリーケアに2極化されていくと予測される。薬局においても例外ではなく、今後は薬物療法の専門家としての機能と、地域住民の薬歴管理を担う「かかりつけ薬局」を中心としたヘルスケアサポート的な機能が要求される。
 こうした背景から、同社のグループ薬局「十字堂調剤薬局」(熊本市新町2丁目)では、通常の処方箋業務を行う一方で、禁煙商品や禁煙情報を取り揃えた禁煙相談薬局として、あるいは1500件以上のヘリコバクターピロリ菌の除菌療法の処方箋に対応してきた実績から、消化器専門薬局として専門化している。
 さらに専門分野では、平成10年、本部に無菌室を備え、個々の患者の薬物治療及び生活の質(QOL)の向上を目的とした、オーダーメイドな剤形変更や特殊製剤の調製を行う体制を整えた。これにより、中心静脈栄養輸液をはじめとする注射剤調剤や各種無菌製剤を調整することができる。
 また、同社は介護サービスセンターを設立し、在宅介護や訪問介護をはじめ、介護・福祉関連の相談にも対応している。同社にはケアマネージャー6名、介護認定委員1名が在籍し、在宅介護支援センターやホームヘルパーステーションとの協力はもちろん、ハイテク在宅医療に関する支援・斡旋、在宅給食配送、介護住宅改造関連など、様々な在宅支援サービス業と連携し、在宅医療や福祉に対応できる体制も整えている。 
本部に備蓄配送センター 小分け分割配送サービスも
 全国で分業率が50%を超え、薬局側は医薬品の備蓄と不良在庫という相反する問題を抱えるようになった。そこで、同社では、本部に備蓄配送センターを設け、各薬局に分割配送できるシステムを構築。現在、グループ全体で4000品目以上の医薬品を在庫しており、多くの処方箋に対応できる体制を整えている。このシステムの活用により、各薬局は不必要な在庫を抱えずに、面分業に対応することができる。
 また同社では、熊本県の医薬分業の発展に少しでも貢献できることを念願し、グループ以外の各調剤薬局に対しても、「必要な品」を、「必要なだけ」、「必要な場所へ」をモットーに、小分け分割配送サービスを行っている。
20周年を迎え地域密着を強化
 県内に保険調剤薬局28店舗を展開し、今年12月で設立20周年を迎えるファーマダイワグループ。岡山社長は、これからの企業の在り方を次のように力説する。
 「確かに医薬分業が進み、調剤薬局の認知度は高まっている。しかし、これからの薬局は、処方箋を持っていない人に対してもユニバーサルに対応し、広く地域社会に根差した店舗運営が不可欠である。そうした意味で、今後は各店舗を専門化、あるいは健康・福祉に関する“街かど相談薬局”としての機能を高める一方で、薬剤師は地域のイベントに積極的に参加し、広く住民の方々と触れ合いながら、誰もが気軽に薬局に来ていただける、本当の意味でバリアフリーの薬局作りを実践する必要がある。引いては、そうした活動が、“患者様に選ばれる薬局”にもつながると確信しています」。
 20周年を機に、さらに「地域密着」をキーワードに、県内有数の調剤薬局チェーン企業としての存在価値を高めていく考えだ。
企業DATA
[所在地] 〒862-0967 熊本市流通団地1-56
[TEL] 096-334-1060
[FAX] 096-334-1063
[資本金] 1億円
[設立] 昭和61年12月
[事業内容] 保険調剤薬局の経営、医薬品の販売、医療用具の販売など
[年商] 34億円(グループ合計)
[従業員] 160人(グループ合計)
[URL] http://www.pharma-daiwa.co.jp/

[採用情報]
●募集要項:調剤薬局薬剤師( 随時募集中)
●問い合わせ先:本社Tel/096-334-1060
※この記事内容は、くまもと経済EX:2006年7月1日発行分の掲載内容です。