トップ Companies くまもと経済EX 2007 信頼のものづくりをグローバルに追求、 顧客満足の最大化で業界No.1へ
くまもと経済EX 2007

熊本の明日を拓く未来創造企業の戦略

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製造・農業
信頼のものづくりをグローバルに追求、 顧客満足の最大化で業界No.1へ
オムロン リレーアンドデバイス
世界トップシェアと未来を見据えた持続的成長
昨年10月に完成した第4工場
 通信インフラ、家電製品、住宅機器、産業用機器、そしてハイブリッドカーなど日常生活の利便性を支える機能としてなくてはならない部品「リレー」。そのリレー業界において世界トップのシェアを持つオムロン リレーアンドデバイス(株)、2007年3月期の売上高は過去最高の362億円(前年比6.6%増)と持続的成長を続けている。原材料の高騰によるインパクトを受け続ける一方、守りに転じることなく常に攻めの姿勢で将来に向けた技術開発・設備投資に取り組んでいる。
 06年10月には車載用リレー生産工場として第4工場が完成。ハイブリッドカーをはじめ太陽光発電の蓄電池開閉やエレベーターの非常遮断装置など幅広い用途で用いられるDCパワーリレーの生産開発拠点として稼動を開始した。中でも車載用リレーは、国内外で日々進化を続け注目される自動車産業の一部。同社では3年先を見据えた計画で、生産に関わるインフラ・製造設備、システム、製品のコンセプトなどあらゆる面において次世代を追いかけた研究開発を進めている。
海外4拠点をバックアップするマザー工場の機能強化
ものづくりを追求した自動化生産ライン
 本社工場(熊本県山鹿市)は現在、中国(深セン・上海)、マレーシア、インドネシアに展開するサテライト工場4拠点を統括し、技術力・品質力・生産力の指導をするマザー工場としての機能を果たしている。
 生産数量で見ると30%弱を熊本、70%強を海外拠点で生産しており、特に生産地であり消費地でもある中国においては、深セン工場の第3期拡張工事を進めるなど生産ラインの強化拡大を進め、今後の成長が期待されている。一方でマザー工場である本社工場においても社屋スペースを増設し、新たな設備投資を進めることで研究開発・評価機能の強化を図っている。「ものづくりにおいて技術現場がないところに新しい技術は生まれない」という考えの基、自動化生産方式の導入など生産力向上も進めると同時に、本社の研究開発・設計プロセスの強化を積極的に展開。オムロングループのネットワークを生かしながら、オムロン本体のエンジニアリングセンターや各種研究機関と協力し、新技術の追求へチャレンジを続けている。
ものづくりは人づくり
各種解析のための分析室
 「ものづくり、現場力」における技術基盤強化を重視する同社、ものづくりの根幹となる人づくりには特に積極的である。同社設立の「ものづくり道場」は、熟練者の技術・技能・ノウハウをこれからの生産を担う若手や海外生産拠点を支える生産人材に伝承する取り組みとして毎年100人を超える参加者が国内外の関連・関係会社から受講している。また、中国や東南アジア諸国から現場実習生を受け入れており、優秀な人材を海外拠点におけるリーダーとして育成すると共に送り出している。
 同社製品の多くを占めるメカニカル部品は、アナログ的な技術の積み上げであり、半導体などのデジタル的な技術進化とは相異なる。そのアナログ的技術ノウハウを培ってきた同社の高い技術を支えている核が人材であるといえる。同社のサプライチェーン(材料、金型、部品、組立、生産システム)の上流から下流までの総合的な技術向上・改善は無限であり、
 その基盤となる人材づくりにおいては今後も力を注いでいく。
「企業は公器」安心・安全を前提とした環境経営
西村 耕一 社長
 リレーは完成度が高い製品であり今後、社会的潜在ニーズをいかにしてすばやく具現化し、新たな市場を開拓していくかが重要。社会的潜在ニーズに応えること、それは安心・安全を前提とした環境経営の考え方にもつながっている。熊本出身でオムロンの創業者、立石一真氏が創業当時より提唱してきた「企業の公器性」が同社の根底にはある。その企業理念を基礎に事業を通した企業の社会的責任の追求は、同社内において今日も力強く生きている。身体障害者雇用を目的とした関連会社のオムロン太陽(株)(大分県別府市)、生産工程においてすべてをリサイクルするゼロエミッションの達成など「企業は利潤を追求するだけでなく、社会に役立ってこそ存在意義がある」といったオムロンの理念が同社発展の力となっている。また、同社の女子ハンドボールチームは長年全国トップレベルを誇り、昨年度は日本リーグ1位の成績を達成。山鹿市内の小・中学校へのハンドボール指導などスポーツを通じた地域住民との交流にも努めている。
 今後もオムロン リレーアンドデバイス(株)はオムロングループの中核的企業として成長を続けると同時に、世界のエレクトロニクス業界を支え、リードする企業として信頼されるものづくりに邁進している。



西村 耕一 社長
にしむら・こういち 1948年(昭和23)年2月20日生まれ59歳。京都市出身。立命館大学経営学部卒。71年4月立石電機(株)(現・オムロン)入社。95年9月オムロンインダストリアル事業グループ企画室経営企画部長、97年9月同特機コンポ統轄事業部メカコンポ事業部長、2000年3月同エレクトロニクスコンポーネンツビジネスカンパニー電子・機構部品統轄事業部コネクタ商品部長、02年3月同一般リレー事業部長を経て、03年4月から現職に就任。同社ハンドボールチームではゼネラルマネージャーを務める。趣味はジョギング
企業DATA
[所在地] 〒861-0596 熊本県山鹿市杉1110
[TEL] 0968-44-4101
[FAX] 0968-44-4161
[資本金] 3億円(2007年3月末現在)
[設立] 2003(平成15)年4月1日
[事業内容] マグネットリレーならびにその周辺機器の事業計画・マーケティング・開発・生産・販売
[年商] 362億円(2007年3月期)
[代表者] 西村 耕一 社長
[従業員] 657人(2007年4月1日現在)
[URL] http://www.omron-relay.co.jp/

[採用情報]
●問い合わせ先:0968-44-4101
●担当者:山下/後藤
※この記事内容は、くまもと経済EX:2007年7月1日発行分の掲載内容です。