阿蘇製薬��  
 久木 康裕  （くきやすひろ）

プロフィール

熊本市出身、1973（昭和48）年1月8日生まれ、44歳。ニューベリー大学（アメリカ・ボストン）卒。2000年10月から現職。趣味はゴルフ、スノーボード。座右の銘は「人は城、人は石垣」

菊池市に新工場を建設へ

　救急絆創膏の分野で国内生産量のトップシェアを持つ阿蘇製薬。菊陽町の本社工場のほか、アメリカ・フロリダ州サラソタ、メキシコ・ホアレス市、フィリピン・セブ島に製造拠点を構えている。
　昨年の震災では、本社工場の生産設備の被害は比較的軽微で、７月中には震災前とほぼ同じ生産体制に復旧。ただ、将来の更なる体制強化に向け、菊池市泗水町に新工場を建設することを決めた。
　久木社長は「老朽化や増設スペースの問題もあって、10年ほど前から移転を検討していたが、震災を機に決断した。新工場は交通アクセスが良く、敷地も十分に確保できるので、本社機能も移転し、将来的にはライン増設も視野に入れたい」という。新工場は菊池市の田島工業団地内で、敷地面積は約４万２千�u。今年夏ごろの着工、来年中の稼働を目指している。
　一方、海外では、新興国を中心に需要の拡大が予想され、今後、中南米やアジアで販路拡大を志向。また、同社グループの全生産量の７割は海外が占めている。地震で本社工場の生産が滞った期間は、海外拠点での代替生産で対応した部分もあった。これからヨーロッパでの営業にも梃入れし、シェア拡大を図っていく方針だ。久木社長は「生産性が向上した新工場を拠点に、熊本から世界を見据えた事業を展開したい」と決意を新たにしている。