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くま経プレス 2008年11月 vol.226
「流れに逆らわず自然体」で芸能生活50周年
歌手、女優、聖母幼愛園・聖母幼稚園園長
坂本スミ子さん
 ラテン歌手や女優として芸能活動50周年を迎える坂本スミ子さん。93年からは熊本市南町の聖母幼愛園と聖母幼稚園で園長を務め、歌手、女優と熊本を拠点に“三足のわらじ”で精力的に活動している。「流れに逆らわず、自然体でここまできました」と話す坂本さんにインタビューした。

さかもと・すみこ(本名・石井寿美子)/1936年11月25日生まれの71歳。大阪府出身。プール女学院高校卒業後、1955年から2年間NHK大阪合唱団員として活動後、58年、ラテン歌手として芸能界デビュー。60−65年「夢で逢いましょう」レギュラー出演や、60−66年の紅白歌合戦連続出場のほか、83年には主演映画「楢山節考」(今村昌平監督)がカンヌ映画祭グランプリを受賞するなど、歌手・女優として活躍中。今年1月には芸能生活50周年記念CDアルバム「夢であいましょう」をリリース。93年からは聖母幼愛園・聖母幼稚園の園長を務めている。夫の石井禮次郎さんは東京で皮膚科クリニックを経営、娘の石井聖子さんは歌手として活躍している。
―今年でデビュー50周年ですが、これまでを振り返って。


坂本 元々は音楽の先生になりたくて芸大を受験しようと思っていた頃、NHK大阪合唱団の欠員募集があり、それに受かったのが歌手としての第一歩でした。それからアルバイトしていた店でラテン音楽と出会い、当時絶大な人気を誇っていたメキシコのラテンコーラスグループ「トリオ・ロス・パンチョス」が来日した時に、前座の歌手として日本全国を回りました。小さな体にパワフルな歌声という事でこの頃に多くの人に歌手と認知していただいたと思います。それからはがむしゃらに頑張りました。


―多くの作品を残していますが、最も印象的なものは。


坂本 これまでの芸能活動の中でも特に、映画「楢山節考」は特別な作品です。素晴らしい監督、俳優さんと一緒に仕事ができ、カンヌ映画祭ではグランプリも獲得できてとても幸せでした。この作品では緒形拳さん演じる主人公・辰平の母親・おりん役を演じましたが、息子役の緒形さんとは実年齢では1歳しか違いませんでしたが、今でも本当の親子のような特別な情感を持っています。先日、緒形さんがお亡くなりになる少し前に、手紙を送ってくれたのも印象深いですね。本当に素晴らしい作品で、主題歌で歌っている「親を眠らす子守唄」も含めて、歌手として、女優として私の大切な宝物になっています。


―50周年ということで精力的に活動していますね。


坂本 今年は熊本城築城400周年のグランドフィナーレなどに出演しています。また、これまでCDを出すよりもライブを優先して活動していましたが、70歳を過ぎ、「自分の足跡、歌声を残したい」と思い、アルバム「夢であいましょう」を1月に発売しました。レコード盤は数多く出してきましたが、実は新録のCDアルバムは初めてなんです。娘で歌手の石井聖子がプロデュースを担当してくれました。レコーディングでは「好きなように歌っていいよ」と言ってくれ、スムーズに制作する事ができました。まだまだ歌声を残していきたいと思っていますし、これからも歌手として女優として必要とされれば積極的に出ていきたいと思います。


―現在、保育園の園長先生もなさっているとか。


坂本 1993年から夫の実家である聖母幼愛園(保育園)・幼稚園の園長をしています。イタリア発祥で子供の自発性を伸ばすモンテッソーリ教育を実践する園として50年の歴史を持つ園なんです。先生たちの教育にも力を入れており、年間勉強してもらい、しっかりとした技術と知識を養成しています。もちろん私も園長になるにあたって勉強しました。通常は2年で済むんですが、私の場合は3年間かかりました(笑い)。園には毎日朝から出ていますが、子供たちは本当に素晴らしいです。いつも元気をもらっています。


―歌手・女優・園長先生と大変ではないですか?


坂本 私は嫌なことは3日と続けられない性格ですから、すべてが私にとって楽しいものなんです。流れに逆らわずに自然体で生きてきたからこそ今があるんだと思います。また、熊本のみなさんに温かく迎えてくださって、本当にありがたいと思っています。


―ありがとうございました。
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