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くま経プレス 2009年10月 vol.237
世界大会で3位入賞

目指すは「中央競馬の芝コース」
お手馬のクンチャン号(牝馬3歳)と厩舎で
荒尾競馬騎手
岩永 千明 さん
 6年前、単身競馬界に飛び込んだ荒尾競馬の岩永千明騎手。体力面などのハンディがありながらも昨年は通算100勝を達成、今年8月には国際競争で3位入賞を果たした。連日、早朝からの調教や厩舎の仕事の手伝いなど、ハードスケジュールをこなしている岩永騎手を荒尾競馬場に訪ねインタビューした。


いわなが ちあき/佐賀県白石市出身、1982(昭和57)年8月3日生まれの27歳。荒尾競馬場幣旗吉治厩舎所属騎手。2004年4月初騎乗、同年10月全日本レディース招待競争総合優勝、05年同競争連覇、08年8月通算100勝達成。09年8月第1回KRA国際女性騎手招待競争(韓国)に出場し、3位入賞を果たした。通算成績1521戦130勝(8月30日現在)。
―「第1回KRA国際女性騎手招待競争」に日本代表として参加されましたね。
岩永 はい。今年8月、韓国で開催されました世界のトップクラスの女性騎手11人が参加したレースで、3位に入賞することができ嬉しく思っています。
―今年度の戦績は。
岩永 レースは来年3月まで続きますが、調教師の幣旗吉治(へいはた よしはる)先生と1開催で最低2勝をあげようと目標を立てています。今のところ達成できていますので順調に進んでいます。目標を立てると気持ち的にも違いますね。
―騎手になるきっかけを教えて下さい。
岩永 小さい時から父と一緒にテレビで競馬中継を観て、騎手はすべて男性だけでしたので男でないとだめなんだと思いました。ところが高校時代に乗馬クラブに通うようになり、その時、現在中央競馬で頑張っておられる西原玲奈さんと知り合い、輝いて見え、自分も騎手になりたいと思ったのがきっかけです。
―ご両親は反対されませんでしたか。
岩永 父は反対しませんでしたが、母は危険な仕事なので反対しましたね。でも私は一度何かをやると決めたらとことんやる性格なんです。これは両親も知っていましたので、もう止められないという状態でした(笑い)。最終的には両親も「やるんだったら頑張りなさい」と言ってくれました。
落馬の大けがから復活 通算100勝も達成
―デビューは2004年ですね。
岩永 そうです。年に一度、「全日本レディース招待競争」というのがありますが、04年と05年に総合優勝し、連覇した時は嬉しかったですね。最近では99勝から100勝までの到達に1カ月以上勝てなくて苦労しましたが、昨年8月達成した時のレースは印象に残っています。ここまで来れたのも周囲の方々の応援や支えがあったからだと思っています。特に調教師の幣旗先生には本当にお世話になり感謝しきれないくらいです。
―得意な騎乗スタイルや心がけていることはありますか。
岩永 デビューから先行馬によく乗せていただいていましたので、ゲートを早く出るのがうまくなったのではと思います。馬にはそれぞれ先行タイプ、差しタイプなど特性がありますので、レースではペース配分、位置どりなどを考えて騎乗しています。馬の能力を最大限に引き出すことができるかどうかが大きなポイントになります。
―レースがない日の仕事は。
騎乗がない日は所属厩舎の馬のケアの手伝いも行う
岩永 馬の調教はほぼ毎日、朝3時30分から4時頃にスタートし、11時頃には調教関係の仕事は終了します。その後は馬の世話など厩舎の仕事を手伝っています。
―今後の目標や夢は。
岩永 一つは年度目標のクリア、二つ目は11月に開かれる全日本レディースでの優勝です。絶対負けたくないですね。デビューからの夢は、一度でいいから中央競馬の芝コースで走ることです。
―ありがとうございました。
所属厩舎の幣旗吉治調教師のコメント


 男の世界の中、本当に細い体でよく頑張っています。馬に対してのあたりが軟らかいため故障が少ないですね。スタートはここのトップクラスのジョッキーと比べても遜色ありません。あとは体力的に不足するのをどうカバーしていくか、そして、馬1頭1頭を自覚して騎乗すればさらに伸びていくと思います。
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