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くま経プレス 2007年2月 vol.205
医師・看護師の育成確保で地域医療を支援
社会福祉法人恩賜財団 済生会熊本病院 院長
須古 博信さん
 昨年12月、熊本県の「地域医療支援病院」に指定された社会福祉法人恩賜財団済生会熊本病院(熊本市近見5丁目)。1935年の開設以来70年を超える歴史を持つ。病床数400床、職員数は1186人に上り、地域の中核病院として存在価値は大きい。今年7月には敷地南側に「外来がん治療センター」も完成する。「病病連携、病診連携をさらに推進するとともに、医師や看護師などの人材育成・確保を図り地域医療を支援します」と語る同病院の須古博信院長にインタビューした。


◆すこ ひろのぶ/菊池郡大津町出身、1939(昭和14)年5月10日生まれの67歳。
熊本高等学校ー熊本大学医学部卒。75年済生会熊本病院胃腸科医長、消化器科部長、副院長兼消化器科部長などを歴任後、95(平成7)年9月から同病院長に就任。専門は消化器科。日本消化器内視鏡学会など3学会の認定指導医。全国済生会病院長会会長など役職は多数。趣味はスポーツ観戦、読書。

ー病院の役割がこれまでと変わってきたと聞いていますが。
須古 熊本県の医療審議会に取り上げていただき、昨年の12月22日に「地域医療支援病院」になりました。地域の中核的な病院としての活動とともに、病院と病院、あるいは病院と診療所の連携医療の推進から、医師や看護師などが不足している地域への人材確保、育成を支援していくことも大きな役割となります。
ー病院の南側には新しい医療施設を建設されていますね。
須古 はい。今年7月の完成予定で進めています施設は「外来がん治療センター」と名付けています。今までがん治療は長期入院を必要とし、急性期医療にはなじみませんでした。センターが完成すればがん治療を外来での治療でも可能にする放射線治療器の登場で、それが可能となりました。完成後は化学療法などと併せて活用していく方針です。通院しながらがん治療ができるため、患者さんの負担が減ることになります。
ー「外来がん治療センター」の概要を教えて下さい。
須古 建物は4階建てで、1階では放射線治療を行います。ここには「トモセラピー」
という最新の放射線医療機器を導入しますが、がんの大きさ、種類によっては1回の照射で病巣をピンポイントで取り除くことができる機器です。2階は化学療法のフロア、3階は事務系統、4階は300人収容できるホールとなります。


ー病院に対する期待感が、今後さらに高まるのではないでしょうか。
須古 そうですね。医療提供体制の充実とともに、地域のニーズに応じた人材育成も楽しみにしています。例えば今までは国立病院機構熊本医療センター(前国立病院)、熊本市民病院、熊本赤十字病院の3病院だけしか臨床研修医の募集ができませんでしたが、新制度に変わって3年前から近くの熊本中央病院と私どもが協力して募集できるようになりました。地域に役立つりっぱな臨床医を育てたいと胸が高まり、意気込んでいます(笑い)。
ーところで、先生の名字は非常に珍しいですね。
須古 出身は菊池郡大津町ですが、須古という名字は1件もありません。どうも祖先は「須古城」があった佐賀県の白石町みたいです。父は外科医でしたけど、私は本当は文系志望で医者にはなりたくなかったんですよ(笑い)。しかし、高校卒業時に父から説得されてこの道に進むようになり、理系の勉強はしていませんでしたので、浪人して大学の医学部に入りました。
ーご結婚と家族構成は。
須古 32歳の時です。家内は当時大分の病院で薬剤師をしていまして、そこの先輩
(院長)と婦長さんから推薦されて見合い結婚しました。子供は3人で長男は熊本で研修医、次男は県内企業でSE(システムエンジニア)の仕事をしています。長女は家にいますが、近々結婚の予定です。
ー趣味などは。
須古 学生時代はラクビーや水泳などやっていましたが、今はスポーツ観戦が好きですね。それから読書です。以前はよく全集など読んでいました。健康法は十分な睡眠ぐらいでしょうか(笑い)。
ーありがとうございました。

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