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くま経プレス 2011年12月 vol.263
天草の息吹を未来へ
中川哲子デザイン室代表
中川哲子さん
 天草で400年以上前に印刷された「天草本 伊曽保物語」を基に、イソップの生涯をまとめた写真絵本「ESOPO(イソポ)」を企画・プロデュースしたグラフィックデザイナーの中川哲子さん。天草の風景を盛り込んだこの絵本は今年10月、第4回ふるさと自費出版大賞を受賞した。「天草の息吹を未来へと伝える本になれば」と話す中川さんにこの本に込めた思いなどをインタビューした。

プロフィール/なかがわ てつこ 天草市天草町出身、1967(昭和42)年1月26日生まれの44歳。県立熊本西高校卒。99年中川哲子デザイン室設立。書籍装丁、ブックデザインを中心に、天草陶磁器展、熊本市現代美術館、熊本大学などの仕事を手がける。09年写真絵本「ESOPO」を出版し、今年10月「第4回ふるさと自費出版大賞」を受賞した。
―この絵本づくりに取り組まれたきっかけは。
中川 元々、自費出版や書籍のデザインを中心に携わってきた中で、10年目の節目に自分で企画した本を出版したいと決めていました。そこで、生まれ故郷でもある天草を題材に、ふるさとへの恩返しを含めた本ができればと考えたのがきっかけです。「ESOPO」は、天草で400年以上前に印刷された「天草本 伊曽保物語」が基になっていて、この本の前半部分で描かれるイソップの生涯の物語です。イソップ物語という寓話は、日本でもよく知られていますが、この物語を多くの人に分かりやすく伝えたいという思いから、絵本という形での制作を決めました。
―絵本の写真には、天草の風景も数多く登場しますね。
イソポの造形と共に天草の風景なども数多く盛り込んだ写真絵本「ESOPO(イソポ)」
中川 そうですね。ロケは、私が幼い頃から目にしてきた天草の西海岸中心と決めていました。大人になってあらためて気づかされた故郷のすばらしさを表現したかったという思いもあって、ストーリーに合わせて、天草の西海岸や崎津天主堂、天草陶石の窯元など、いろんな天草の風景を織り込んでいます。制作には造形作家のgaju(ガジュ)さん、天草の風物と共にロケ撮影した写真家の下曽山弓子さん、現代語訳に吉村尚子さんと、普段から一緒に仕事をする同世代の3人の女性に協力していただき、とくに大人の女性に読んでほしい本ですね。
―この本を通して伝えたいメッセージとは。
中川 本から感じ取ったものは、なぜか心にも残っていくものだと思います。宣教師たちが思いを込めて「天草本 伊曽保物語」を作ったように、私も故郷への思いを込めて「ESOPO」を作りました。この本を通して、天草の歴史を感じてもらうことで、子どもたちには故郷を自慢できるようになってほしいし、自分も家族も大切に思えるような絵本になればと思っています。また、今年11月に「天草謹製」の認定もいただきましたので天草の観光振興にも少しでも貢献できればと考えています。
中川さんへの10の質問
@座右の銘は?
 石橋を叩き割って渡れ!
A尊敬する人は?
 母
B最近読んだ本は?
 「画文集 炭坑に生きる」山本作兵衛著
C休日は何をして過ごす?
 ゆっくり寝てお化粧してランチに行く
Dストレス解消法は?
 コスプレ(笑)
E熊本で行きつけの店は?
 Sazae(南坪井町)
Fこの仕事をしていなかったら何を?
 良妻賢母(願望です)
G日常生活で心がけていることは?
 素直に人の話を聞くこと
Hマイブームは?
 耳ツボダイエット
I「輝いている人」の条件とは?
 自分に自信があること(過信ではなく)
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