おもてなし精神でネイルサロンを海外へ
シャワー通りに本店を置くネイルサロン「アレーズ・ル・レピ」をはじめ、県内で4店舗とネイルスクールを運営し、ニューヨークや上海にも出店している、アレーズグループ(熊本市中央区下通)代表の加納由美子さん。熊本市とニューヨークを行き来する加納さんに、海外進出で培ったおもてなしの接客や経営についてインタビューした。
―会社設立から3年でニューヨークに進出されましたね。
妹がアメリカ留学を希望していたこともあり、社長を務める主人と3人で「せっかくなら、経済やファッションの“中心地”であるニューヨークでビジネスがしたい」と考え出店を決めました。熊本の店舗は、マネージャーたちに安心して任せることができ、支えてもらえた点も大きいですね。就労ビザの問題や不動産探し、文化の違いなど、苦労の連続でした。
―日本とアメリカのネイル事情の違いは?
アメリカはネイルの発祥地といわれていますが、出店した頃はネイルアートが主流ではなく、「ネイルアートは幼稚で、子どもっぽいもの」と思われていました。ニューヨークでは「洗練された、かっこいい大人の女性」が尊敬されるため、かっこいいシンプルなネイルが中心で、「ネイルアートははやらない」といわれました。しかし、ニューヨーカーが持つ独特の感性に合うネイルを提供したり、日本人ならではのおもてなしの心で、お客さまに合わせた丁寧な接客を大切にしてきました。オープン当初の客層は日本人が8割、アメリカ人が2割でしたが、今は8割がアメリカ人のお客さまです。歌手のビヨンセさんも常連のお客さまなんですよ。また、ニューヨークコレクションや雑誌撮影の依頼もあります。
―昨年は上海にも出店されました。
はい、ニューヨークの中国人スタッフと日本人スタッフが大きく貢献してくれました。中国人スタッフの熱心な仕事ぶりを見て、中国に対して興味が沸き、日本人スタッフは上海で店舗の立ち上げ経験があったので、彼女たちとなら中国進出が可能だと判断したからです。
―最後にこれからの夢を教えてください。
若いスタッフが海外で活躍できるよう、ネイルの技術はもちろんですが、サービスにも一層磨きをかけて、海外に羽ばたいていける人材を育成していきたいですね。
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