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 輝きびと Interview:34
くま経プレス 2013年4月 vol.279
刈干切唄全国優勝で県民文化賞受賞
民謡歌手 公益財団法人日本民謡協会カルデラ会 副会長
瀬井 真奈美さん
 2011年正調刈干切唄全国大会、2012年奈須節刈干切唄全国大会でグランプリを受賞したのをはじめ、日々の慰問活動などの功績から、民謡歌手として初めて「くまもと県民文化賞」を受賞した瀬井真奈美さん。民謡や尺八教室を開いている西原村宮山の文化創造館「風流」に瀬井さんを訪ね、受賞の喜びや民謡に込めた思いなどを聞いた。

せい・まなみ/1975(昭和50)年5月21日生まれ、37歳。熊本市出身。熊本女子商業高校卒。1996年民謡歌手として本格的に活動を開始し、2002年第7回球磨川舟歌大会で総合グランプリを受賞。その後も県内外で開催される数々の大会で受賞歴を持つ。現在は父・寿義さんが設立した公益財団法人日本民謡協会カルデラ会の副会長を務め、宇城市、熊本市、阿蘇、大分県などで民謡歌手として活動している。趣味はドライブ。
―くまもと県民文化賞受賞おめでとうございます。
瀬井 ありがとうございます。日々歌を磨くことに努めていただけなので、このような大きな賞をいただき、とても驚いています。普段は父とともに慰問活動を行ったり、地域のイベントに参加し、民謡を歌っています。一昨年は正調刈干切唄全国大会・女子の部で優勝、昨年は第15回奈須節刈干切唄全国大会でグランプリを受賞しました。これらの県内外での活動を評価していただいたのだと思い、身の引き締まる思いです。
―瀬井さんはいつも何を思いながら歌っていますか。
瀬井 その歌一つ一つの風景、意味、お世話になった方々の笑顔を思い浮かべながら歌っています。大会会場で歌うときも、目の前が一瞬でその景色に変わるので、思い切って歌えます。
 そしてもう一つ、私の心の支えとなっているのは、父の存在ですね。7年前に父が事故に遭い、上半身不随になって、一時期楽器が持てなくなりました。それまでは父の伴奏で歌っていたので、とても不安になったことを覚えています。その後積極的にリハビリに取り組み、私が出場する大会で伴奏するほどまで回復しました。大会に出場するときは「自分のために吹いてくれているんだ」ということが実感でき、それを思うと感謝の気持ちが歌に出ます。
 2011年の正調刈干切唄全国大会では父が総合グランプリ、私が準グランプリを勝ち取り、父とともに大会制覇の喜びを分かち合うことができました。父の支えがあって、今の私があるんです。
―今年の活動は。
瀬井 10月に東京の両国国技館で開催される民謡民舞全国大会に、熊本県代表として出場します。父が作詞作曲した「秘境五家荘山唄」を心を込めて歌い、グランプリに輝けるよう精いっぱい頑張ります。
 また、公益財団法人日本民謡協会カルデラ会副会長として、民謡の普及に努めることが私の使命だと思っています。民謡は残していかなければならない国の宝です。民謡の良さを残しつつ、違うジャンルの音楽とのコラボレーションなどにも積極的に取り組み、民謡の可能性を広げていけるような活動を続けていきたいです。
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