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くま経プレス 2013年8月 vol.283
日本・アメリカで「WOA賞」受賞
鍼灸師資格取得を目指す
樋口 智子さん
 就職や生活水準を向上させるために必要な教育や技術の取得を目指す女性に贈られる「WOA賞」(国際ソロプチミスト主催)。同賞を今年、日本とアメリカ連盟でも見事第1位を受賞した熊本在住の樋口智子さん。「網膜色素変性症」の発症、離婚という辛い経験をしながら、現在、鍼灸師の資格取得を目指し熊本県立盲学校に通うとともに、整体サロンでも勉強中。7月18日、樋口さんに「リラクゼーション整体こころ」(熊本市東区西原1丁目)で、今後の目標などをインタビューした。

ひぐち ともこ/阿蘇郡出身。1971(昭和46)年2月4日生まれの42歳。尚絅短大卒。栄養士の資格を生かし就職。その後、結婚し3男をもうけるが離婚。「網膜色素変性症」という進行性の眼の病気を抱えながらも熊本県立盲学校で鍼灸師の国家資格取得を目指し通学中。土日は整体サロンに勤務。「WOA賞」には国際ソロプチミスト熊本一すみれが推薦
―WOA(女性に機会を与える)賞受賞の感想は。
樋口 「まさか私が」という思いが強く、非常に光栄で嬉しく思っています。受賞させていただいたからには責任も伴いますので、賞に恥じないよう、同じように苦労されている女性の目標になれるように頑張っていきます。
―「網膜色素変性症」という眼の病気は。
樋口 結婚している時に、目は見えているのに体を机のかどや柱にぶつけたり、人にぶつかったりすることが時々出始めました。自覚症状はありませんでしたが、危ないからと主人に言われ、病院に行きましたら、将来的に失明するという「網膜色素変性症」という病名を告げられました。最近は自覚症状として以前より少し見えにくいなと感じています。治療法も今はありませんが、iPS細胞の活用で少し希望の光が見えはじめました。
―眼の病気などが離婚のきっかけに。
樋口 そうですね。結婚後、子どもも3人授かりましたが、DVもあり、何とか子どもたちが成人するまでは離婚を我慢しようと思っていました。しかし、全盲になるという眼の病気も発症しましたので、最終的には眼がまだ見えるうちにという決断を下しました。長男を主人に預け、2男と3男を私が引き取りました。今は、2男が大学生、3男が高校3年生になりました。私は平日の昼間は鍼灸師の資格を取得できるように熊本盲学校に通い、週末は熊本市内の整体サロンで現場の勉強をさせていただいています。
―将来の目標や夢は。 
樋口 鍼灸師の国家資格取得を目指して盲学校に通っていますが、資格取得後は鍼灸師の中でも「美容鍼灸師」になりたいと考えています。鍼灸師として技術的なことはもちろんですが、加えて心が弱っているような人を助けられるよう内面(心)も外面も美しくなりたいという女性の方々のケアができるような鍼灸師になりたいと思っています。
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